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【イベントレポート】イノベーションハブサミット 2025 ~ヘルスケアスタートアップとのパートナーシップについて考える~


開催概要

先日、経済産業省Healthcare Innovation Hub(InnoHub)と一般社団法人Japan Healthcare Innovation Hub(JHIH)の共催により、『イノベーションハブサミット2025』が開催されましたので、ご報告いたします。

日時:2025年1月10日(金)14:30~18:00
会場:Tokyo Innovation Base(東京都千代田区丸の内3-8-3 Sushi Tech Square 2階)
内容
 第一部:基調講演「東京科学大学から見た医療イノベーションの未来」
 第二部:パネルディスカッション
  セッション1:Mediiと日経メディカルの協業事例
  セッション2:小児弱視治療用VRアプリの共同開発
  セッション3:ヘルスケアの新たな領域への挑戦
 第三部:ミニピッチ&ネットワーキング


第一部:基調講演「東京科学大学から見た医療イノベーションの未来」

登壇者
飯田香緒里氏 (国立大学法人東京科学大学 副学長 教授・医療イノベーション機構長)

サミットの幕開けとなった基調講演では、東京科学大学副学長で医療イノベーション機構長の飯田香緒里氏が登壇。
「東京科学大学から見た医療イノベーションの未来」というテーマで、学術機関とスタートアップの連携が医療の未来を切り拓くカギであることが語られました。
飯田氏は「現場ニーズに基づいた柔軟な発想と技術革新の融合が重要」と話されており、医療イノベーションの未来像に期待が膨らむ時間となりました。


第二部:パネルディスカッション

第二部では、医療スタートアップと事業会社、学術機関が協業することで生まれた事例をテーマに、3つのパネルディスカッションが行われました。それぞれのセッションでは、協業が生む成果だけでなく、その過程で直面した課題や苦悩、解決に向けた具体的な取り組みが共有されました。

特に、異なる業界や背景を持つ組織が連携する際に生じる難しさや、その壁を乗り越えるための工夫について語られる場面が多く、参加者にとってはなかなか聞くことができないリアルなエピソードが満載の内容でした。「現場のリアル」が詰まったこのディスカッションは、参加者にとって非常に学びの多い時間となりました。

セッション1:国内最大の臨床課題解決のMedii EコンサルPFと22万人超の医師が登録する日経メディカルの協業

登壇者
山田裕揮氏(株式会社Medii 代表取締役医師)
滝沢貴士氏(株式会社日経BP 医療メディア広告部長)

Mediiと日経メディカルは、コロナ禍での熱い議論を契機に協業を開始しました。スタートアップと大手メディアのスピード感の違いを乗り越え、信頼を積み重ねて大きな成果を生み出すプロセスが共有されました。 「業界全体の価値を高める」視点での連携が、成功の鍵となったことが印象的でした。

セッション2:小児弱視治療用VRアプリの3社共同開発

登壇者
山本彰洋氏(イマクリエイト株式会社 代表取締役 CEO)
猪俣武範氏(InnoJin株式会社 代表取締役社長、順天堂大学医学部 准教授)
九鬼嵩典氏(住友商事株式会社 国内ヘルスケアユニット長代理)

VRを活用した医療機器型ソフトウェア(SaMD)を開発するこのプロジェクトでは、スタートアップ、アカデミア、大手商社の連携についてお話しいただきました。複雑な連携における課題を親密なコミュニケーションで乗り越えた点が特徴的です。 チーム間の信頼関係が、技術と社会実装をつなぐ大きな力となりました。

セッション3:ヘルスケアの新たな領域への共創チャレンジ

登壇者
湊和修氏(株式会社テックドクター 代表取締役 CEO)
中島伸氏(第一三共株式会社 HaaS企画部長)

テックドクターと第一三共のセッションでは、ヘルスケアから創薬までデジタルバイオマーカーを活用した連携についてお話しいただきました。 互いの強みを活かしながらいかに業界を盛り上げていくかという視点でプロジェクトが進められた点も非常に印象的でした。


第三部:ミニピッチ & 懇親タイム

第三部では、医療・ヘルスケア分野で活躍する24名の登壇者が、ミニピッチ形式で自身のプロジェクトや取り組みを紹介しました。登壇者には、医療ビジネスやバイオテック分野を牽引する企業、認知症の早期発見や次世代がん予防に取り組む会社、AIを活用したヘルスケアソリューションを提供するスタートアップなど、多岐にわたる背景を持つ方々が集まりました。

総勢24名のミニピッチ資料

またピッチと同時並行で、登壇者や参加者同士が自由に交流できるネットワーキングタイムが設けられ、新たなパートナーシップやプロジェクトが生まれる契機となりました。熱気あふれる議論の場となり、次世代のヘルスケアイノベーションを見据える重要な機会となりました。

経済産業省ヘルスケア産業課の取り組み紹介

今回のイベントは、ヘルスケア業界の課題解決と未来のイノベーション創出を目的に、経産省ヘルスケア産業課とのコラボレーションによって実現しました。
ヘルスケア産業課ではヘルスケアスタートアップエコシステム強化に関する多岐にわたる取り組みを推進しており、ヘルスケアスタートアップ支援に特化し専門家ネットワークやイベント情報を活用したサポートを提供する「Healthcare Innovation Hub(InnoHub)」はその中の一つになります。

さらに2025年大阪・関西万博の「健康とウェルビーイング」テーマウィークにおいて、本邦エコシステムのグローバルマーケットとの接続強化を目的としたグローバルカンファレンス「Global Healthcare Challenge(GHeC)」がヘルスケア産業課及びJETRO主催で開催されます。

以下では、それぞれの取り組みをご紹介します。


【Healthcare Innovation Hub(InnoHub)】
InnoHubは、ベンチャー企業等の相談を受け付けており、ヘルスケア関連有識者(InnoHubアドバイザー)やサポーター団体を紹介するだけでなく、ヘルスケア関連団体と連携し、相談者やInnoHubアドバイザー、サポーター団体にイベント等の関連情報を提供しています。

Healthcare Innovation Hub(InnoHub)

【Global Healthcare Challenge(GHeC)】
2025年大阪・関西万博の「健康とウェルビーイング」テーマウィークの機会をとらえ、2025年6月、大阪にて「Global Healthcare Challenge(GHeC)」を開催します。
本イベントでは、国内外のヘルスケアスタートアップが一堂に会し、新たなイノベーションの創出や健康課題の解決を目指すビジネスコンテストに加え、国内外のヘルスケア分野のキーパーソンやオピニオンリーダーを集めたシンポジウムやネットワーキングを実施いたします。
ビジネスコンテストについては、参加するヘルスケアスタートアップ企業を募集しております。奮ってご応募ください!(募集締切:2025年2月14日)

Global Healthcare Challenge(GHeC)

JHIHへご関心を頂いた方へ

ご参加を希望される個人の方へ
ヘルスケア・ライフサイエンスのイノベーションに取り組む仕事/勉強をされていらっしゃる方であれば業種・ご所属は問わずご参加頂けます。詳細は公式HP jhih.org よりご確認の上、お申し込みください。

スポンサー・パートナーをご検討頂ける企業・団体様へ
JHIHは、ヘルスケア・ライフサイエンスの未来に貢献するため、運営を継続するための特別会員様(スポンサー企業様)やエコシステムの拡大にご協力いただけるパートナー団体様を募集しております。

【現在の特別会員様】
株式会社CaTe様、株式会社EN様、D Capital株式会社様、川崎重工業株式会社様、mappin株式会社様(ご入会順に企業名を掲載させていただいております)

共にイノベーションを促進し、業界の未来を切り拓いていく企業・団体の皆様、ぜひ一緒に活動していきませんか?詳細やお問い合わせは、 japanhealthcareinnovationhub@gmail.com までお気軽にご連絡ください。

それでは、また次回の交流会をお楽しみに!


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