かわいい誰かさんに
わたし、要らないものを時々ラクマで売ってます。
すぐに売れるものもあれば、なかなか売れず、そのままで一向に片付かなかったりします。
その、片付かない筆頭株主のものが、なんと先日急に売れてびっくりしました。
それは、高校生の長女が着ていた幼稚園の制服。
当時、長女は4歳でした。もう13年前になります。
娘、初めて社会にでる
長女が幼稚園の年中さんの途中で、関西からこちらに引っ越してきました。
年中さんということは、1年半しか通っていません。それも半分は夏服、半分は冬服ということになりますから、実質、それぞれ1年着たか着てないか、というところ。
長女が以前通っていたのは、キリスト教系の幼稚園でした。うちは無宗教。通う分には関係ないそうです。当時住んでいたあたりも結構まちなかで、幼稚園はたくさんあったんですが、
あまり体操や英語などの教育的な色がなく、自由にのびのびさせてくれそうな(そればっかりです)ところが気に入り、そこに通わせました。
初めての子なので、わたしもママとしてまだまだ新米です。幼稚園のこと、子どものことなど、いろいろわからないまま、イライラしたり、かわいいなあ、と思ったりの日々でした。
長女にとって、おうち以外の初めての社会です。特別活発でもなかったので、やはり心配でした。次女を妊娠中で、大きいお腹で入園式に行ったのは、懐かしく思います。
で、その幼稚園の制服がすごくかわいくて、エンジ色のベレー帽に紺のボレロとサスペンダーのスカート。
おしゃれが当時から大好きだった長女は、制服が届いたらとても喜びました。おうちで着てみて、ポーズとったり、写真撮ったりして、跳ねるようで、とてもかわいかったです。
先生たちもいい先生ばかりでした。わたしがお迎えに行って、「きょうの長女ちゃんはこうでしたよ、こんなことできましたよ」などと報告してくれたとき、
「私たち家族以外に長女のことを思ってくれる人ができた」ことに感動し、長女が社会に認められたような気持ちがして、とても嬉しかったです。
担任じゃない先生、園長先生、バスの運転手さんまでもが「〇〇ちゃん、〇〇ちゃん」と笑顔で話しかけてくれます。いつのまにか名前を覚えてくれていて、長女の社会ができていました。
いま思い出しても嬉しかった気持ちがこみあげます。
捨てられない
そんな幼稚園の制服なので、捨てることができずにいました。主人の転勤でこちらに来たのですが、当時は数年でまた転勤があるかもしれない、またそのあたりに戻ることがあれば、次女がそこに通うことがあるかもしれない、と思って、その制服を置いてあったのです。
ところが、意外に長くなり、いまとなってはもう12年たちました。
次女が小学校にあがるくらいに「もうこれはさすがにいらん」と思ったものの、モノ自体はいいものだし、やっぱりかわいくてごみにすることがどうもできません。これがごみ!?制服がかわいそうすぎる。
関西に住んでいた当時のママ友たちも、みんな同じように子どもが成長しているので、あげる人もおらず、捨てることもできず、ただただ押し入れにありました。
フリマアプリ登場
そして数年。なんとフリマアプリなるものが登場、そして浸透。わたしも思い切ってやってみることにしました。
家の不用品、こんなかたちで処分できる世の中になったのねー。進んでるなあ、と思ってて気付きました。
幼稚園の制服、誰かに買ってもらえるかも!
ネットなら、全国の人がみるので、当時すんでいたあたりの方もたくさん見てくれるはず!幼稚園の入園がきまる10月のはじめのあたり、はたまた春や秋の転勤の季節、いきなり引っ越すことになって、急いで準備されていたり、途中入園でなるべくお金かけたくなかったりする方がきっといるはず!
と思い、出品。
ところが、これがまた、100件近く見てはくれているものの、なかなか買ってはくれません。
やはりみんな新品を買うのかなー。
と思っていたら、先日、唐突に「入金されました。発送してください」との通知がきました。
夏服のワンピース2着と、冬服の両方全てです。
うわー!すごいわ、ついに売れたよー。
着てもらえると嬉しい
12年眠ってた制服さん、やっとかわいい誰かさんに着てもらえることになりました。
「もう2度と使わないものは、ゴミです」というようなはなしを雑誌やネットで見るにつれ、絶対要らないのに捨てられない自分のことが、なんかとても踏ん切りのわるい人のようで、なんだかなあ、と思っていましたが、
満を辞して日の目を見ることができました。
家宝は寝て待て、か?
なんかちょっと違うな。でも、待って良かった。
スパッと方向転換できるといいこともあるけど、ねちっこく待っていて、その時期がくる、ということも実際あるなあ、と思い
人生どっちもありだな、なんておもったりしています。
かわいい誰かさん、楽しい幼稚園生活になりますように😊