いってきますのあとに
うちでは朝、いちばん最初にでていくのは、高校生の長女です。
1年生の頃は、毎日部活の朝練があり、だいたい6時15分ころ出て行ってて、なかなか大変だったのですが
コロナの影響ですっかり朝練もなくなってしまい、だいたい7時半ころにでていく、普通の高校生活になっています。
ドアもだいたい半開きのまま、むっつり出ていくことが多いのですけど、あんまり機嫌が悪くない日は、わたしがちょっと手を振っていってらっしゃい、というと、言ったんだか、言ってないんだかよく聞こえない「行ってきます」を言って、ちいさくちいさく手を挙げて出ていきます。
いつも、その半開きのドアを、内側から閉めて家事に戻るのですが、きょうはふと、出て行ったあとの様子を久しぶりに見てみようと、ちょっとマンションの踊り場からこっそり見ていました。
小さいころは、こちらを振り返って手をふったりしていましたが、いつのまにか振り返らなくなりました。次女はいまでもちょっと振り返るときがありますが…
まさかわたしが上から見てるとは思いもせず、ゆっくり歩いています。急がなくてもよい、時間通りに出られたようです。
テスト期間なので、片手に小さい、なんだろう、文庫本みたいな、何の教科か知りませんが、問題集みたいなのを持っています。耳にはエアポッズ。先日iPhone12を買ったついでに、分割で払うことにして買いました。安いのは耳から取れたり、すぐに音が片方聞こえなくなったりで、結局アップル社の本物でないと、いまひとつ役にたたないそうで。しかたなし。歩きながら音楽聞くのは危ないよ、というのですが「聞こえるし」とたぶん聞く耳もたず。
高校の制服はブレザーですが、夏服に移行前のこの季節はブレザーを脱ぎ、白いワイシャツにネクタイ、ベストが、その高校の定番。白いシャツは若者に似合います!紺のベストも、なかなかきりっとしていて、まるで感じの良い高校生のよう。あの不機嫌な態度は、この瞬間、影をひそめており。
わたしの身長もとっくに抜かして、まだ伸びてるのかなぁ。結構な身長になってしまいました。これ以上大きくなると、服にこまりそうです。体力を使う部活で筋トレも日常的にしているので、ある程度の筋肉やゴツさも加わり、なかなかの余裕を感じさせるJKです。
若くて長い髪。白いシャツ。紺のベスト。白くてごつめのスニーカー。エアポッズ。問題集。
ゆうゆうと歩くの見て、なんだか笑えるような、うれしいような、それからもうこの季節にそういう姿を見るのは今年が最後、っていうちょっとだけ寂しいような気持ちもありつつ
またおうちに戻ってドアを閉めました。