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ドイツ語の先生とミルクティ
普段、コーヒーをわりとよく飲むのですが、たまには紅茶を飲もうかなと思って、最近紅茶をのむことが多いです。
ふつうのティーバッグです。そのままでもいいけど、ちょっとクリープいれてミルクティにしようかな、とミルクティにします。
ミルクティには、ちょっとした思い出があります。
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大学生のころ、ドイツ語に関する授業をひとつとったことがありました(なぜかわたしと友達の2人だけ)。人数が少ないので教室ではなく、先生のお部屋で授業が行われました。先生のお部屋、なんていうのかな。
その先生、当時34歳だったと思うんですが、ドイツ語の男の先生。ただドイツ語じゃなかったな。ドイツの法に関する授業だったかな。本当になんにも覚えてないけど。
生徒が2人で先生のお部屋での授業だから、ソファで向かい合っておしゃべりがほとんどでした。で、行ったらいつも紅茶を入れてくれます。なぜかコーヒーはなかったんです。その先生が紅茶派だったのかなあ。
酷暑の夏でもホットがでてくれるので、若いわたしたちは「こんなクソあっついときにはアイスがいいな」と内心思ってたんだけど、先生は「アイスってすぐ喉かわかない?」とかなんとかいって、アイスっていう選択肢はなく、有無をいわさずホットティ。仕方がないので飲みました。まあ、もちろんクーラーは入ってたけど。
そこで、クリープいれる?みたいなことを言われたのか、わたしいつもミルクティにしてもらってました。
先生は、当時助教授って肩書だったと思います。上品でわりと物静かな感じだったけど、おしゃべりは好きなのか、なかなか授業が始まらず、ほとんど雑談だったなあ。先生は当時たしか、4歳の娘さんがひとりいらして、「かわいいですねえ」と言うと「まあ、正直いって僕はなめられてるっていうのが正しいかもしれないけどね」と嬉しそうに笑ってたのをよく覚えています。
何の話したか、あまり覚えてません。大学のころは山に登ったりする部活が大変だったので、たぶん部活の愚痴とかを聞いてもらってたのかもしれません。いつもニコニコ聞いてくれて、先生が足を組みなおすときの、黒いソファがぎゅーッてたてる音、とか、そんな本当にどうでもいいことしか覚えてません。
ともだちのMちゃんがお休みのときはわたし一人でした。長いことおしゃべりして、先生がしゃあないな、みたいに「じゃあ、ちょっとやろうか」と始まる授業。ドイツ語は全然わからんかったけど、そのときの雰囲気や、あののんびりした感じはとても懐かしい。大学の思い出の9割は部活だけど、本来の大学生らしい思い出は、その先生の授業とミルクティです。
1年間のその授業が終わるタイミングで、先生はドイツに留学されることになっていました。34歳で家族連れでドイツに留学。華やかです。今思えば華やかですが、先生のキャリアアップのためになにか学ぶ必要があったんだろうな。奥さんも、小さい娘さんを連れて大変だっただろうな。何を学びにいくのですか。みたいなことを当時ももしかしたら聞いたかもしれないけど、覚えていません。
卒業してからずいぶん経って、何年かに一度送られてくる、同窓会報みたいなのみて、その先生が学部長になっているのに気づきました。すごいなあ!先生めっちゃ出世してる!
それももう、何年も何年も前の話です。
当時わたしが20歳か21歳くらいだから…先生はいま64歳とかかな。わあ、想像できないな~。もう退職かな?いるのかな?たくさんの生徒がいるはずだし覚えておられないと思うけど、大学での思い出の先生といえば、その先生。
お元気でしょうか?
ドイツ語は思い出せないけど、ミルクティを飲むたびに先生を思い出しています。