服をつくるひと。
People 4 ジョンソンホームズ ジョンソンレディ 神田 恵里
服をつくるようになって分かってきた、自分に似合うカラーやフォルム。自分の内面にしっくりあう、自分らしいおしゃれを見つけるまで。
自分らしいおしゃれがしたいから
服づくりのきっかけは11年前。書店で雑誌「大人になったら着たい服」の創刊号と出合ったのが始まりでした。当時は迷いの時期。「若いときとは体型が変わって、今まで着ていたものが似合わなくなってきた。そんなときにこの本に出合って、これだわ!と思った」そうです。
もともと実家は洋品店。服飾の専門学校を卒業し、結婚式には自分のウエディングドレス、子どもが小さいときは子ども服を縫いましたが、自分の服はずっと既製品。ミシンを使うのもサイズ直しをする程度。しばらくブランクがありましたが、雑誌で自分らしくおしゃれを楽しむ女性の姿を見て「自分の着たい服をつくってみようかな」と思うようになりました。
自分でつくるとジャストサイズのものが着られます。若い人向けのショップは入りづらいからと諦めるようなこともなくなりました。いまの自分が本当に着たいものをつくって、身につけることができます。「おしゃれが楽しくなったね。ショッピングでも『このデザインいただき』って参考にしたり、ネットで好きな生地を探したり、生地が届いたら何をつくろうか考えたり、そういう時間がぜんぶ楽しいんです」
明日、仕事に着ていく服をつくりたい
裁縫するのは休日。ガーデニングも趣味なので、夏は庭づくり、冬は服づくりにあて、冬の間にコットンやリネンの春夏素材でつくっておくこともあるそうです。「何をつくろうと考えている時間は長いけれど、つくり始めたら一気に仕上げる。ブラウスだと1日でつくっちゃうこともある」のだとか。
気に入ったデザインは生地を変えて何着もつくったり、コートとパンツとバッグを同じ生地で仕上げ、組み合わせて着こなしたり。つくるうちにだんだんと自分らしいスタイルがはっきりし、「好きなものと似合うもの、着たいものが一致してくるというか。私っぽい色や形が決まってきた」といいます。
もうひとつ、服づくりの励みになっているのは「着ていく場所がある」ということ。「つくって眺めているんじゃなくて、完成したら明日仕事に着ていけるのがステキでしょ!」と神田。「ときどき社内の人やお客さまに褒められるのもうれしいの」とはにかみます。ゆっくり趣味として楽しみたいので、縫製のご依頼などは失礼させていただくことにしているそう。「自分のためのお気に入りの一着が完成したときは、プレゼントをもらった子どものような喜び」だと表現します。
手づくり感のない手づくり
生地はいつもネットで購入。メーカーの放出品やオークションなどを利用します。何をつくるか決めないまま4mほど買って、届いた生地を見ながらあれこれ考える時間が好きです。意識しているのは「手づくり感がない」こと。ショップで売っているようなものをつくりたいと考えています。だから「え、もしかして作ったの?」と驚かれたら大成功。今年の夏は華やかなワンピースをつくりたいと思っています。
「最近、お客さまのお宅をお訪ねすると、ミシンを持つ方が以前より増えていると感じます。ポーチやバッグなど小物をつくって販売している方も多いですよね。針と糸に親しんでいる方はきっと服づくりも楽しめると思います」
【神田のオススメ!】
裁縫ビギナーは型紙つきの本からスタートを
裁縫に興味を持ったら、型紙つきの本を一冊買ってみませんか。たとえば「型紙を組み合わせて作る 私のほしい服」。パーツのデザインを選んでアレンジできます。最初はスカートがオススメ。好きな生地を用意して、四角に切って、2枚合わせてダダダ…と直線で縫い、ウエストにゴムを通すだけ。ミシンがなくても手縫いでOKです。
【神田の愛用品】
ブローチをおしゃれのアクセントに
母から譲り受けたアンティークから、自分でちくちくつくったフェルトのものまで、愛用しているブローチたち。シンプルなTシャツやブラウスやコートの上につけると、着こなしのアクセントに。
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profile
神田 恵里 ジョンソンホームズ リフォーム&メンテナンス部 ジョンソンレディ
服飾の専門学校を卒業後、OLを経験して結婚。子育てしながらテニスのアシスタントコーチなどを経て、ジョンソンホームズに入社。ジョンソンレディとして約20年のキャリアを持つ。庭づくりも経験豊富。