いまさら聞けない「#通信制高校」のこと ~「通信制高校」と「全日制高校」との違いとは?~
私は「滋慶学園」という専門学校グループに永きに渡り勤務している。
そんな中、大阪滋慶学園は2018年4月に岡山県北部に位置する美作市(みまさかし)に「通信制高校」の本校を設立した。
そのサテライト校である「学習サポートセンター」は全国で4つあり、その1つである「新大阪学習サポートセンター」に長年の専門学校勤務を歴て、去年の9月に異動し、担当者として生徒さんの受け入れをしている。
今まで私が担当していた学科にも「通信制高校」から進学してきた学生さんが、毎年、数名在籍しており、どちらかといえば「通信制高校」の生徒さんを「受け入れる立場」であった。
そして今、「通信制高校」で専門学校や大学などに「受け入れていただく立場」となって、生徒と共に毎日を過ごしている。
その頃、専門学校に在籍していた「通信制高校」から進学してきた学生さんは、いまのように沢山の通信制高校の中から、1つを選択した訳でなく、限られたいくつかの通信制高校の中から選択していたのだと思う。
また昔は、今のようにインターネットもここまで、普及していない時代だったため、限られた情報だけで通信制高校を選択し、進学や転・編入学をしていたことと思う。
そして今回、このタイトルで書きはじめようと思ったのは?
私自身が専門学校教育と高等学校教育に移り、更に「通信制高校って、また制度が違うんやぁ...」と痛感し、新たに学んだことが多かったというのがキッカケである。
そしてまた、全日制高校や他の高校過程に通っている生徒さんや、通信制高校へ通学を考えている中学生の生徒さんにとって、通信制高校を良い意味での選択肢の1つとして、考えてもらえるキッカケになるのでは?と思ったからである。
1)世間で浸透してきた通信制高校について、いまさら聞けないことを書くことで参考にしてもらいたい。
2)通信制高校に対して、いいイメージを持ってもらいたい。
3)たくさんの情報がある中で、通信制高校というものをより理解して、より安心して進学や転編入をしてもらいたい。
と思ったところだと思っている。
通信制高校という大きなフレームから毎回テーマを1つ設定して、書いていきたいと思いますので、長い目でお付き合いいただければ幸いです。
それでは、記念すべき第1回目のテーマとして「通信制高校」と「全日制高校」との違いについて、書いてみることとします。
「えっ!そんなこと!」って思われる方もいらっしゃると思いますが、実際は知らない方も多いように思います。
(実は私、異動した当時は、知りませんでした...)
大きな違いは、「学年制」と「単位制」ということ
■全日制高校の場合
ほとんどの学校が学年制のことが多いです。
この場合、その学年で取っている科目の履修や出席しなければならない日数など学校によって異なりますが、学年を進級するために必要な条件があり、仮に成績が悪くて科目を落としてしまったり、必要以上に欠席して出席日数が不足すると進級できずに留年(原級措置)となって、もう一度、同じ学年をやり直さなくてはなりません。
■通信制高校の場合
ほとんどの通信制高校は、単位制です。
本校の場合もそうですが、毎日決められた時間に登校するのではなく、学校から送られてくる「レポート課題」を提出します。また年間数日ある「スクーリング」に参加し、「単位認定試験」を受けて卒業を目指すことができます。
また仮にその年に修得できなかった単位があれば、次の年にその単位を再履修することが出来ます。
そのため、身体やメンタル面での不調があって、学校に通うことが難しい場合などは、「3年じゃなくて4年で卒業する」など、体調と相談して学習ペースを調整することもできます。
また「不登校経験があって学校に通うのが難しい」場合や「高校を中退したけど、仕事をしながらでもやっぱり高校を卒業したい」、「今すぐにやりたい事と勉強を両立したい」など・・・まさに!「今の自分に合わせて高校卒業を目指すことができる」ことから、近年、通信制高校のニーズが増えているのです。
■高校生の約17人に1人は通信制高校生
通信制高校の生徒数は、公立私立あわせて約18万名で推移してきましたが、2019年度は197,779名と20万名近くになりました。この生徒数は、各年度の5月1日現在の在籍生徒数となっています。男女比は、男子102,014名(51.6%)、女子が95,765名(48.4%)となっています。
(引用:通信制高校えらび応援サイト 通信制高校があるじゃん「通信制高校に関する用語解説 通信制高校の生徒数」より)
■高校生全体の5.9%
全日制・定時制・通信制を合わせた高校生の約336万6千人のうち5.9%にあたる。(引用:文部科学省「学校基本統計」より)
第1回目は、「学年制と単位制の違い」について書かせて頂きました。
「へぇ~そうなんや」と思われた方もいらっしゃったと思います。
まとめると「高校卒業資格」を取るプロセスが単位制なので「その生徒にあった方法で取得できる」というポイントがあります。
だから「通信制高校のニーズが増えている」という点につながる訳です。
ちなみに「高校卒業資格が取得できる」のは、「通信制高校」も「全日制高校」も同じです。
つたない文章だったと思いますが、最後までお読み頂きありがとうございます。これからもこの様に毎回テーマを絞って綴っていきたいと思いますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
次回のテーマは...「通信制高校を卒業するには?」について、書きたいと思います。
それでは、また!