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ミッションの自分ごと化ワークショップ 第12回ミッション研修レポート
私たちJPTは「障害の有無に関わらず、全ての人が対等に働ける社会の実現」をミッションに掲げています。
社会への視野を広げ、ミッションを身近に感じることを目的に開催している「ミッション研修」の第12回目をオンライン開催にて実施しました!
(執筆:ミッションパートナー 竹林麻由子)
企業ミッションに向き合う時間=自分に向き合う時間
私がJPTに関わり始めたのは2023年9月からでした。
JPTのミッション「全ての人が、対等に働ける社会を。」を初めて見た時、フルタイムではない時間での働き方を選択しているワーキングマザーの自分にとって、とても響くワードでしたし、"対等"って何だろう?何をもって"対等"と言うんだろう?とまず感じました。
そして初めてミッション研修を企画させてもらった際のテーマも「ミッションの自分ごと化」でした。
企業としてミッションを強く打ち出していても、日々の忙しさに追われている社員の身からするとミッションを意識することは難しいことです。
ミッション研修は、ミッションを意識し身近に感じることを目的として実施していますが、その中でもより自分に近づけて向き合うことができるのがこの「ミッションの自分ごと化ワークショップ」です。
ワークショップの実施前には事前課題を出して、問いに対する回答を考えてきてもらいます。
研修の日1日のみならず、1ヶ月前からこのワークショップは始まっており、企業ミッションに向き合うことは、その企業で働いている自分自身に向き合うことでもあると改めて感じました。
JPTで働く自分の変化とミッションの自分なりの捉え方を言語化する
事前課題では、入社前後の自分の働き方やそれに伴う心情・環境の変化を ”マイストーリー”として書いてきてもらいました。
「対等に働く」をミッションの中に入れている企業の社員としては、まず自分自身がどんなふうに働いているのか、過去との違い、未来へ向けての希望などをしっかりと言語化しておくことが必要となります。
また1年前にも似たような質問をしてはいますが、1年経ってまた捉え方が変わっている可能性もあり、その変化も自分のプロセスとして捉えてもらえたら嬉しいと思い、この問いを設定しました。
また今回は、自分自身が「対等に働く」というこのミッションをどのように捉えているのか、というところも言語化してもらいました。
どこが対等なのか、何をもって対等というのか、人それぞれ違っていて、それを言葉で表現したり、シェアする中で新しい視点に気づけたりすることが大切だと感じています。
「対等に働く」の捉え方の一例
"対等に働く”という抽象度の高い言葉に対しては、人によってさまざまな解釈が生まれます。
JPTの中でも企業としてある一定の方向性を示したほうがいいのでは?という意見が出てくることもあるのですが、現時点では特に解釈において企業メッセージを出すことはしておらず、さまざまな解釈の中で、JPTで出来ることは何か、どういったことが対等と言えるのか、を模索しながら進んでいる状況です。
今回、社員の皆さんの中から出てきた「対等に働く」の捉え方の一例をご紹介させていただきます。
※あくまで一例であり、かつ個人の意見であることをご承知おきください。
・対等という部分で、利用ツールも含めて色々な手段を増やす。
・対等と言う言葉が健常者に損させるだけでは、障碍者が本当の意味で社会に認められる事は無いと考えており、持続可能なレベルの配慮を受ける事で、健常者にも恩恵を与える事ができる事を示すことが、ミッション実現への鍵だと考えています。
・対等なものはない、というスタンスです。それを受け入れられた状態が対等なんじゃないかと。
・『対等に働く』≒『適材適所』というのが私の答えです。
個人が得意なことで成果を残し苦手なことは、それを得意とする人が担当する。そうやって誰もが得意なことで、お互いをサポートし合うことが『対等に働く』ということだと考えています。
・持続的に、自身のできることを最大限の努力を持って実行し、問題解決や価値を生み出すことに繋げること。それが結果的に、対等を生むのだと考えます。
・どちらかが過度に譲歩するのではなく、お互いに最低限のラインは守っている状態が対等なのかなと思いました。健全にシステムを維持するためには、性善説だけでは難しい部分もある気がします。
研修を終えてみて
昨年と同じテーマで開催した今回のミッション研修。
同じテーマでまたか…と思われないだろうか、自分自身のことを話すことへのハードルが高くないだろうかなど、少しの不安はありましたが、当日は皆さん積極的にご自身のこと、「対等に働く」の捉え方のことをシェアしてくださいました。
現時点でミッション研修は年3-4回開催しており、毎回グループでディスカッションをしていることや、みんなでつくる会議(通称:みんつく)のようなボトムアップの場を設けていることから、皆さんご自身が考えていることを発言されることに抵抗が少ない印象です。
そしてそのような環境を意識的に作り出しているJPTの管理メンバーのサポート体制があるからこそとも感じています。
研修の感想もいくつかご紹介させていただきます。
・共通認識は難しいとして自覚しつつ、多様な意見をくみ取れるようになりたいと感じられました。そういった心持ちの方が増えることで働きやすさにもつながってくるのかなと気づきました。
・「対等」という言葉の持つ意味がポイントになっていたと思う。案外漠然としていて、そこをどう解釈するのかがまず意見の分かれ目であり、それぞれの個人が持つ経験と合わせて、「対等」観が表れやすいものだった。
・自分とは違う人の意見を聞けるのは、とても参考になります。似たような意見でも、この人はこんな表現を使うんだという発見がありました。
・ミッションにある「障害の有無にかかわらず」という文言を取った方がいいのでは?という意見があがり、納得した。この文言があると障害にだけフォーカスが当たってしまう。「対等」という単語に「障害の有無にかかわらない」というニュアンスは含まれている。
・印象的だったのは、「対等」の方向性が「得意を活かし苦手分野まで必ずしもカバーさせない」というスペシャリスト的な活かし方なのか、「一般枠の正社員同様に様々な事に責任を持たせてもらえる」という方向性なのか、人によってイメージ・理想が違うということでした。
個人的には年に1回はこのようにディープに自分と向き合ったり、他の方と深くディスカッションできる場を設けて、JPTのミッション実現と、社員の方のマインドに貢献できればと思っています。
また、今回上がってきた声や改善点を確認しながら次の企画につなげていきたいです。
参加してくださった皆さま、ありがとうございました!