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アダム・スミスと国富論

こんにちは!自由主義研究所の藤丸です。

今回はアダム・スミスについて、
イギリスの「アダム・スミス研究所」のHP ↓ のコラムを意訳して簡単に紹介しようと思います😊

アダム・スミス(1723-1790)はスコットランドの哲学者、経済学者です。『国富論』の著者で、「経済学の父」とも呼ばれています。

1,古い経済学の見方と貿易の利点

スミスの時代、人々は「国の富」を「金と銀のストック」という観点から
見ていました。

外国から商品を輸入することは、
対価として富(金・銀)を支払わなければならないのでで、

商品を輸出することは、富(金・銀)が入ってくるので良いことだ、
と考えられていました。

そのため、各国はこの富(金・銀)の流出を防ぐために、
輸入品への課税、輸出企業への補助金、国内産業の保護を行いました。


(ちなみに、輸入品への関税、国内産業の保護は、現代日本でも行われていますね💦輸出企業が不利になる円高も悪く言われますね…)



国内でも、同じように保護主義が支配していました。
製造業者や商人は、国王に保護独占を嘆願し、
既存の生産者を脅かすとして省力化のための機器類は禁止されました。

スミスは、このような「重商主義」は愚の骨頂であり、
自由な交換では双方がより良くなることを主張しました。

誰でも損をすると思ったら取引はしないのです。
売り手が利益を得るのと同じように、買い手も利益を得るのです。
輸出品が他国にとって価値があるのと同じように、
輸入品は私たちにとって価値があるのです。

貿易は、双方に利益をもたらすので、農業や製造業と同じように、
繁栄をもたらします。
国家の富とは、金庫にある金・銀の量ではなく、
その国の生産と商業の総量(国民総生産)なのです。

そして、この富を最大化するには、
国家の生産能力を制限するのでなく、自由にすることが重要です。


2,自由を基調とした社会秩序

スミスは、人間が互いに協力し合いながら生活する方法を見つけようと努力するうちに、社会の調和が自然に生まれてくると考えました。

自由と利己主義は混沌を生むのではなく、
まるで「見えざる手」に導かれるかのように、
秩序と調和が生まれるのです。

繁栄する社会秩序は、王や権力者によって管理される必要はないのです。

人々が互いに交渉することによって、
国家の資源は、人々が最も大切にする目的・目標に自動的に引き寄せられます。

モノが不足している市場では、人々はそのモノにもっとお金を払う用意があります。
そのモノを供給することでより多くの利益が得られるので、
生産者はより多くの資本を投じてそれを生産します。
しかし、モノが余り、価格も利益も低いのならば、
生産者は資本や事業を他に移します。
こうして、産業は、中央の権力者の指示を必要とせず、
国家の最も重要なニーズに集中することができます。

このシステムが自動的に機能するのは、
自由貿易と競争がある場合だけです。

政府が有利な生産者に補助金や独占権を与えたり、関税の壁に囲い込んだりすると、生産者は高い値段をつけることができます。
その結果、貧困層が最も苦しむことになり、生活必需品の価格が上昇します。

競争と自由な交換が、政府が特定の生産者に与える独占権、税制優遇、統制、その他の特権によって脅かされていることは大きな問題です。

スミスは、政府そのものを制限しなければならないと考えています。
政府の機能は、防衛の維持、秩序の維持、インフラの構築、教育の促進です。
政府は、市場経済の開放と自由を維持し、それを歪めるような行動をとってはならないのです。


3,分業と資本の蓄積


生産能力は「分業」とそれが可能にする「資本の蓄積」にかかっている、
ということは重要です。

生産を多くの小さな作業に分解し、それぞれを専門家が担当することで、
大きな効率性を得ることができます。

その結果、生産者には余剰が生まれ、それを他者と交換したり、
より効率的な新しい機械に投資することができます。


資本を蓄積し、投資することは経済の進歩に不可欠な条件です。
生産したものをすぐに消費するのではなく、一部を貯蓄することで、
新しい専用設備や省力化設備に投資することができます。
より良い生産プロセスに投資すればするほど、生産は効率的になります。
これは好循環で、将来、より多くの富が生み出されます。

このように資本が成長することで、繁栄はパイを拡大し、
誰もが豊かになります。


しかし、人々が資本を蓄積しようとするならば、
それが盗まれないように安全であることが必要です。

市場経済が機能しその恩恵を享受できるのは、
ルールが守られているときだけ、つまり、
財産が確保され、契約が尊重されているときだけなのです。
したがって、正義と法の支配の維持は不可欠です。

4,さいごに

個人が専門化することで利益を得るのと同じように、
国家も専門化することで利益を得ることができます。

フランスでは自然とブドウがたくさん採れるのに、
スコットランドで無理やりブドウを育てようとしても意味がありません。
国々は、自分たちの得意なことをやって、
その生産物を貿易で交換すればいいのです。
国際貿易を制限すれば、必然的に両者が貧しくなります。

「政府が市場に介入することで、
 市場よりも優れた生産を導くことができる」と考えるのは、
政府ができることを過大評価しすぎています。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

アダム・スミスについては以下の動画もぜひご覧ください😊


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                             (藤丸)


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