空が広い街
もしどこでも住めるとしたら…
空が広い街に住みたい。
季節折々にうつろう空の色、夕暮れ時の美しいグラデーション、寒い冬に身体をポカポカ暖めてくれる日の光が好きだから。
そして、そんな情緒的な理由だけでもなく、エネルギーの価格が高騰している中で、太陽の光をいっぱい浴びれる街は経済的にも豊かになれると思う。
電気や熱を自給するために太陽光発電や太陽熱温水器を自宅に設置するにしても日当たりの良さは不可欠だから。
太陽の光は、私たちの食べ物の源泉でもある。
私たちが生きるために食べている多くのものは、元を辿れば光合成に行き着くことになる。豊かな陽光は、豊富な食べ物をもたらしてくれるし、食べ物が生まれる場所に近いというのは、生きていく上で安心感がある。
そう、空が広いと植物が育つのが好き。
自分たちで小さな家庭菜園をやってみると、日当たりの大切さを身にしみて理解できるし、太陽のありがたみを感じる。だって、雨と土と太陽で勝手に食べ物が生まれるんだから。
資本主義は、太陽の経済だと思う。
太陽の光が降り注ぐ分だけ、地球は豊かになっている。だって、有機物の量が毎年増えていくはずだから。
でも今は、過去の太陽エネルギーを化石燃料という形で掘り出して大量に消費している社会になってしまっている。
生きるためにエネルギーが必要なのは間違いない。ただ、今降り注いでいる太陽エネルギー以上のエネルギーを消費し続ければ、持続可能な社会ではないのは明らかだと思う。
「今が当たり前」という感覚は危ない。
まあでもシンプルに、空が広い街が好き。
この広い空が、遠く離れた友人たちの暮らす地にもつながっていると思えるから。