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Tableauでデータドリブン運営を実現する!第1回:ビジュアル分析の基本とダッシュボードの検討手順

ECサイトのアクセス実績や販売実績を「見える化」し、データに基づいた意思決定を行う「データドリブン運営」を実現したい。そんなあなたに、Tableauを使ったダッシュボード作成をステップ・バイ・ステップで学ぶ連載記事をお届けします。

第1回目は、ビジュアル分析の基本とダッシュボードの検討手順について解説します。


ビジュアル分析の基本

ビジュアル分析とは、データや情報を視覚的に表現することで、その意味や傾向を理解しやすくする手法です。TableauなどのBIツールでは、さまざまな種類のグラフやチャートを使ってビジュアル分析を行うことができます。

ビジュアル分析を行う上で、押さえておきたい基本的なポイントは以下の3つです。

1.データ分析の目的を明確にする

まずは、データ分析の目的を明確にしましょう。データドリブン運営を実現するためには、データから何を読み取りたいのかを定義する必要があります。

例えば、アクセス実績のデータを分析する場合、以下の目的が考えられます。

  • サイトのアクセス数や流入元を把握する

  • ページビューやセッション数を分析する

  • コンバージョン率を向上させるための施策検討する

また、ビジュアル分析で使用するデータは、正確で信頼性がなければなりません。データの誤りや欠落があると、分析結果に誤りが生じる可能性があります。

2.データの特徴を把握する

データ分析によって得られる情報は、実用的な数字を把握することであり、ビジネス上の意思決定に役立つ「有用」なものでなければなりません。
そのためには、データの特徴を把握が必要となります。データの種類や分布、数値の大きさなどを理解することで、最適なグラフやチャートの選定に役立ちます。6

3.すぐに分かる「見やすい」デザイン

ビジュアル分析の目的は、データの意味や傾向をわかりやすく伝えることです。そのため、グラフやチャートのデザインは、シンプルでわかりやすいものにしましょう。また、グラフやチャートに使用する色やフォントなども、視認性を高めるように工夫することが大切です。
グラフやチャートの見た目がわかりやすく、印象に残ることで、データの意味や傾向をより理解しやすくなります。

デザインのポイントは、次のとおりです。

  • シンプルであるほど良く、凝ったデザインは不必要

  • 「見やすさ」は、ルールに従い作ることができる。センスの話ではない。

  • 「不要なものを削る」のはでなく、「必要なものを足していく」という進め方が重要。

ダッシュボードの検討手順

ダッシュボードの作成では、「誰が見るのか」、「何を知りたいのか」、「各ダッシュボードで何を示すのか」を明確にする必要があります。

ダッシュボードを作成する際の検討は、次の6つのステップを参考にしてください。最初から完璧を目指すのではなく、8割程度から改善により精度を高めていきましょう。

ダッシュボードの作成手順

1.対象ユーザの把握

ダッシュボードを利用する対象ユーザを確認します。ユーザの立場で設計することが重要です。

  • ダッシュボードを利用して、データドリブン運営をするユーザは誰でしょうか?

    • 経営者

    • 管理職

    • 現場メンバ

2.知りたいことの把握

ユーザの知りたいこと(ニーズ)をヒアリングし把握します。ユーザから様々な意見が出た場合は、意思決定者にフォーカスすることが大事です。
ユーザと会話できない場合はペルソナやカスタマージャーニーを検討することでユーザニーズを想定してみましょう。

3.ダッシュボードのゴール決め

ダッシュボードのゴールを決めます。上記で色々なニーズが上がった場合は、トピックや目的別にダッシュボードを分割し検討しましょう。
ユーザのリクエストをそのまま再現するのではなく、ユーザが知りたいことを最適な形で提供することを目指します。

4.チャート作成

様々な角度からビジュアル分析をおこない、データを探索試行錯誤を繰り返すことで、よりわかりやすい見せ方やインサイトの出るグラフを発見します。
このフェーズでは、アジャイル的な進め方による仮説検証が効果的です。

5.ダッシュボードの作成

ゴールを満たすダッシュボードを実現しましょう。
上記のチャートを活用したインサイトが得られる見せ方を試行錯誤しながら発見します。ユーザの思考の流れを考慮し、すぐに理解でき意思決定(解釈)できるように整理します。
このフェーズも、アジャイル的な進め方による仮説検証が必要となります。

6.改善

ユーザからのフィードバックをもとにダッシュボードを修正します。
ビジネス上の位置決定に必要な内容は、サイト運営を続けていく中で新たに発見されるので定期的な改善も重要です。

まとめ

ビジュアル分析の基本とダッシュボードの検討手順について解説しました。Tableauを使ってデータドリブン運営を実現するためには、ビジュアル分析の基本を押さえることが重要です。

次回の記事では、最適なグラフの選び方について解説します。


参考書籍は、「Tableauによる最適なダッシュボードの作成と最速のデータ分析テクニック」です。


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