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JFCの来日・就労・幸福度調査報告会を開催しました!


自己紹介


初めまして、私はJFCネットワークでインターンをしていて、大学1年生の頃から翻訳業務などをお手伝いさせていただいております。今回は、9月22日に開催された、「JFCの来日・就労・幸福度調査報告会」に参加させていただきましたので、本記事にて報告会の内容と感想をお届けできればと思います。

調査報告会の概要


今回の報告会では、2024年2月~6月に実施された「JFCの就労・生活・幸福度調査」の結果の報告と、結果を踏まえた提言を行いました。そして、実際にインタビューに参加した2人のJFCが、自身の生い立ちや日本国籍取得の経緯などについて話をしてくれました。

当日の様子はNHKニュースでも放映されました。
(映像もご覧いただけます)


今回行った「JFCの就労・生活・幸福度調査」は、日本国籍を取得したり、日本人の父親から認知を得た、JFCの来日方法や就労状況の全体像を把握し、JFCへの「搾取的な移住」を根絶することを目的に行われました。そして、把握したJFCの生活状況を踏まえて、「来日したJFCが幸福に過ごすためには何が必要か」といったところへ視点を広げ、政策提言を行いました。
調査報告は実際の調査に基づき、①JFCの来日経緯、②就労状況、③来日後の幸福度の3つの観点で進められました。それぞれの観点について、主な結果と提言、私の感想を以下にまとめたいと思います。

調査報告はこちらからご覧いただけます。

今回の調査は、赤い羽根ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援キャンペーン 外国にルーツがある人々への支援活動応援助成を受けて行われました。寄付をしてくださった方に御礼申し上げます。

① JFCの来日経緯


最も多くのJFCが、来日の目的として「日本で働くこと」を挙げており、また渡航の際に約半数のJFCが何らかの仲介者を利用していました。報告の中ではそうした仲介者によってJFCが来日後劣悪な労働環境に置かれたり、不安全な搾取をされてしまったりするケースが紹介され、渡航費用について、適正でないものをJFC本人やその家族に負担させないこと、またそうした不当な契約をJFCが結ばないよう日比両政府が協力することが提言されました。

② 就労状況


調査の結果、日本で働くJFCは、決して極端に低賃金労働をさせられているわけではないことが判明しました。しかしながら、先述の悪徳な仲介者のケースのように、劣悪な労働環境で搾取されてしまうなど、コンプライアンスが守られない環境での労働を強いられるケースも少なからずあることが紹介されました。また、JFCは、日本語能力の壁などが原因でキャリアップや転職が難しいことも紹介されていました。少子高齢化による労働力不足が進む日本において、来日してくるJFCが重要な働き手になっていくことは間違いありません。その中でJFCの「労働者としての基本的な権利」を守ること、彼らが安心して、安全に働ける環境を創っていくことが非常に大切であると改めて感じました。

③ 来日後の幸福度


JFCの幸福度は全体的に高い傾向にありましたが、その高さの要因として、来日までの過程やその後の苦労があってこそ、「相対的に幸福」だと感じているJFCが多いということが説明されました。また、経済的な満足度の高さが幸福度に繋がりやすいことも示されました。説明の中で特に印象的だったのは、発表者の方の、「こうしたJFCの幸福度は、来日に至るまで、日本国籍取得に至るまでの困難や来日後の必死の労働、日本語上達のための勉強など、JFC自身の『努力』によって獲得されたものである」という言葉です。日本政府としては、JFCたちの努力をないがしろにせず、その努力をいかにサポートしていけるか、いかに努力しやすい環境を作りあげていけるかが重要なのではないかと感じました。

当事者の2人からの話



報告会の最後に、調査インタビューにも参加したKota SHIBASAKIさんと眞乗坊ガブリエラさんが、自身の経験や想いを話してくださいました。お二人はスピーチの中で、自身のように日本を目指すJFCに対し、「あきらめないでがんばってほしい」と話されていました。Kotaさんは「幼少期から父を見つけることが夢だった」そうで、高校生の頃からお父さんを探し続けていました。その過程で様々な葛藤を抱えていたそうですが、今はJFCであることを誇りに思う、将来は自営業をしたいと、将来の展望とともに力強く語ってくれました。また、ガブリエラさんは、自分を知りたい、成長させたいという思いを胸に来日し、現在はパイロットを夢見て努力を続けられています。スピーチを通して、お二人の現在までのたゆまぬ努力や諦めない姿勢が伝わってきたと同時に、そんなJFCたちを支援していけるよう、自分にできることはないか考え続けたいと改めて強く思いました。

スピーチ全文はこちらからご確認いただけます。


最後に


私は普段、主にフィリピンにいるJFCたちが国籍申請や法的認知をする際に必要な書類の翻訳業務などを担当していますが、今回の報告会では、来日後のJFCたちの現状と課題を知ることができ、大変勉強になりました。また、報告会ではスピーチを担当したお二人への通訳も担当させていただき、お二人のJFCの抱える問題や日本社会に対する思いも知ることができました。今後もこうしたイベントや日頃の活動を通して課題の周知を行っていき、ひいてはだれもが安心して生活できる、よりよい日本社会を実現していければと思っています。


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