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フィリピンスタディツアー2024のご報告📢


スタディツアーに行ってきました!


スタディツアーのご報告です!
2024年度も8月1日から6日までスタディツアーを実施しました。

今年は16名の方々が参加して下さりましたが、うち2名は中学生でした。今年は中学生以上の未成年者も親子で参加できるようにしました。
参加してくださった皆さん、ありがとうございました!

今年のツアーを経て、JFCネットワークのスタディツア―は参加者の方々と一緒に作り上げていくツアーなんだと改めて感じました😊

それでは、スタディツアーの様子を振り返りつつ紹介していきたいと思います!

旅程表

8月1日

マニラの空港でお昼過ぎに集合して、マリガヤハウスへ向かいました。マリガヤハウスでは1人のお母さん、2人のJFCがスピーチをしてくれました。どのスピーチも心を打つ内容でした。他の機会で皆様にご紹介したいと思います。1つ印象に残ったスピーチを紹介します。

「マリガヤハウスは僕のような人間、本当の自分を見つけたいと願っている人間、心の中に欠けているピースを埋めたくてそのピースを探している人間を大切にしてくれています。14~15年間、父に会うことも声を聞くこともできず、僕の心の中には常に欠けているものがありました。もし僕のケースが解決したら、僕は、同じような状況に直面するJFCたちを助けるために、僕の時間、労力、そして能力を提供することを厭いません。」

JFCのスピーチより

8月2日

午前中にマニラからダバオへ移動し、お昼はクライアントさんのフィリピン人のお母さんが経営するフィリピン料理のレストランで食事をしました。料理がとても美味しいのはもちろんのこと、経営はうまくいっているようで、その日もたくさんのお客さんが来ていました。15歳のJFCであるMくんも顔を出してくれました。

午後からはフィリピン残留日本人孤児のご家庭を訪問しました。80歳を超える2世のGさんからのお話を伺いました。Gさんには入院をされているというお兄さんもおり、オンラインでつなげて参加者の皆さんに挨拶をされていました。
お二人の父は当時、ダバオに駐屯していた日本人将校とのことでした。父にはとてもよくしてもらい、食糧難だった当時、缶詰などその他食料をたくさんもらったと話してくださいました。ただ、その人が父だという証拠がほとんどなく、日系人会に相談をして登録はしているものの父を探すことはできなかったとのことでした。
お二人は戦後、「日本人の子」だということで家族の中でも地域社会の中でも、とても苦労したことを涙ながらに話してくださいました。
Gさんのお話に耳を傾ける中で時代は違えども私たちがサポートをしているJFCたちの想いと共通するものも感じました。「日本人の父親を求め探し続ける」こと。これはGさんたち日系人の方々にとっても、一人の人間として、自分の中に空いてしまっているピースを埋めたいという思いなのだと思いました。人が生きる上で、出自を知る権利の大切さを改めて感じました。

8月3日

ダバオのRGS-COWでのオリエンテーションがあり、母2名とJFC2名がスピーチをしました。最後にお母さんたちが松田聖子さんの「私だけの天使」を歌ってくれました。歌いながらお母さんたちの中には泣き出してしまう人もいて、参加者の私達もお母さんたちがこの歌を選んだ気持ちがとても伝わってきて心打たれました。

「あなたがいるから ママはこうやって、仕事を頑張ってゆけるの 約束するわ ママは命かけて あなたのことを守ってゆくわ それがママにとって 生きがい 何より素敵よ あなたがこの世に生まれてきてくれたことが」

松田聖子「私だけの天使」より

JFCの子どもたちの中には、父に存在を拒否されていることで「この世に生まれてきたことを祝福されてない」と感じている子どもたちも多くいます。しかし、JFCのお母さんたちにとっては、JFCの子どもたちはとても大切な存在で、彼女たちの生きがいで、かけがえのない命です。そんなお母さんたちからのメッセージを受け取ったように思いました。

その後、日比混合のグループに分かれてワークショップをしました。テーマは平日と休日の「1日の生活」。日本で生活しているツアー参加者とフィリピンで生活しているJFC母子との相違点と類似点をお互いに見出して、「へえ~」とお互いを知り合ういい機会でした。
その後はホームステイ先の各家庭と一緒にそれぞれの家庭に向かい、一晩過ごしました。

8月4日

夕方にホームステイ先から戻った参加者たちから、それぞれの体験や感想のシェアを行いました。

8月5日

ダバオからマニラに戻る前、ホテルで『教えられなかった戦争―フィリピン編―』を皆で視聴しました。今回は残留孤児のご家庭を訪問したこともあり、「日本軍がフィリピンで何をしたのか」について参加者たちに学んでもらいたいと思い、このビデオ視聴はいい機会となりました。

8月6日

朝には解散。

振り返って

今年も充実したよいツアーとなったと思います。企画はJFCネットワークですが、毎年参加して下さることで、現地のJFCの子どもたちやお母さんたちとの交流がより深まり、お母さんたちや子どもたちも毎年楽しみに待っていてくれて、1年に1度の再会が両者をより強い絆で結んでいるように思います。やはり、「さまざまな人と出会うことや知り合うこと」はその人がその後生きていく人生の方向性に影響を与えていくこともあります。人と出会いによってお互いに関心もより高まるし、知り合うことによって、相手のことを気にかけるようになります。そして相手の「国」も気になるようになりますね。普段は遠く離れて生活をしていても、国は違えど自分のことを気にかけてくれている「隣る人」的な存在になっている関係性がやんわりとできていて、これもツアーの素晴らしさだなと感じました。

来年も開催予定ですので、皆さんの参加をお待ちしています!

スタディツアー参加者の感想

今回スタディツアーに参加してくださった皆さんの感想を紹介します!
このツアーを通して新しい気づきを得たり、また参加したいといった声がとても多く、JFCネットワークとしてもスタディツアーを実施することができて良かったなとしみじみ感じました。

自分が知らなかったことをたくさん知るスタディツアーでした。自分が知らないことばかりで無知なことを実感しました。また、この問題を知ったからこそ解決したいと言う気持ちが芽生えましたが、自分にできることはあまりないから少し無力感を感じました。それでもスタディツアーに参加したからこそしれたことはたくさんあったからこれから少しずつ行動していきたいです。

中学生の参加者より

フィリピン自体は結構な回数行っているけど、あんなにまじまじとフィリピンを見たのは初めてで、ダバオやマニラの様子とか、まだこんなに知らないことがあったんだと思いました。
ホームステイ先でもいろんな交流があって、この1泊2日だけでもこんなにいろんな経験ができることに驚きました。まだまだ知りたいことはたくさんあるし、もっと知れることもあると思うからまた参加したいです。

中学生の参加者より

いつもながらホームステイがあり、また日系人家庭訪問もあり、とても良かったです。ありがとうございました!

ダバオの団体「RGS-COW」のフィデスさんからのメッセージ

スタディツアーを受け入れてくださった現地の団体「RGS-COW」のフェデスさんからメッセージをいただきました!

It's wonderful to have a study tour once a year because it's not only for the Japanese participants to learn about the culture and lifestyle in the Philippines, but for us Filipinos as well, as we also learn how to interact with the Japanese people. I'm pleased because they understand the situation of the COW program participants and how challenging it is to grow up without a Japanese father by their side. They are not picky about food and are willing to try dishes that are new to them. All the feedback from those who had homestays with Japanese visitors has been positive. The workshop was also excellent as it allowed us to learn about the daily lives of the Japanese, and for the Japanese to understand how people live in the Philippines. Although the study tour was only for a few days, it provided wonderful memories and experiences.

原文

年に一度のスタディツアーは、日本人参加者がフィリピンの文化や生活習慣を学ぶだけでなく、私たちフィリピン人にとっても、日本人との接し方を学ぶことができるので、とても素晴らしいことだと思います。COWプログラム参加者が置かれている状況や、日本人の父親がそばにいてくれずに成長することの難しさを理解してくれているからです。彼らは食べ物にうるさくなく、初めての料理も喜んで食べてくれます。日本人旅行者とホームステイをした人たちの感想は、どれも好意的なものでした。ワークショップも、日本人の日常生活を知ることができ、日本人がフィリピンの人々の暮らしぶりを理解できたという点で、素晴らしいものでした。わずか数日間の研修旅行でしたが、素晴らしい思い出と経験ができました。

日本語訳


⇩思い出のつまった写真です!


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