さようなら、親知らず!【大人の歯列矯正日記#6】
大人になってからの歯列矯正についての記録を残していくnote、第六弾です。これまではマガジンにまとめています。
歯列矯正のための抜歯の中でも最大のイベント、親知らずの抜歯。
私の場合、下2本の親知らずが斜めに倒れて生えていて他の歯を圧迫している&歯を並べるスペースを生み出すため、2本とも抜くことになりました。上の親知らずは元々生えていません!
抜歯治療に伴って、血の話など、痛そうな文章があるのでご注意ください。
口腔外科を紹介される
普段は一般/矯正歯科と名乗っている歯医者に通っているのですが、親知らずを抜くならと、近くの口腔外科を紹介してもらうことになりました。
親知らずは神経に近い箇所に生えているので、綺麗に抜くにはやっぱり技術が必要なようです。普段の先生でももちろん出来ない事はないけれど、毎日のように親知らずを抜きまくっている(笑)、口腔外科の先生にお願いした方がお互い安心だと思うので、とのことでした。
というわけで、受付で初めて「紹介状」なるものを受け取り、紹介先の口腔外科に予約を入れます。
たまたま、普段通っている歯医者から徒歩2分くらいのところに口腔外科があり、アクセス的にも全く負担ではないのが嬉しいポイントでした。
いざ、出陣
そして予約当日。親知らずの抜歯=痛い、というイメージがどうしてもあったので、めちゃくちゃ緊張していました。
しかも初めて行く病院。先生がめっちゃ怖かったらどうしよう...。麻酔することになるけど、お気に入りの表面麻酔を導入していなかったらどうしよう...。
すごい低レベルな心配を抱えつつベッドへ。しばらくすると先生が私の歯の様子を見にきて、「あ〜(親知らずが)完全に埋もれちゃってるね〜」と一言。先生はあんまり表情は変わらない方でしたが、おっとり穏やか系でした。その時点でだいぶん安心です。
そう、私の親知らずは2本とも完全に歯茎に埋もれている状態。レントゲンを撮るまで私には親知らずが存在していないんだと思っていたほどです。つまり、抜くためにはまず歯茎を切らないといけない...完全に外科手術!
そして先生に、一度には抜くことはできないので、2回に分けて抜くことになるという説明を受けます。もし2本とも埋もれずに表に出ていたら、一度に抜くこともあるんでしょうか...それは恐ろしい...。
「右と左どっちがいい?」と聞かれたので、左側から抜いてもらうことにしました。と言うのも、その1週間前くらいに左上の抜歯をしたばかりだったので、左側に抜歯を集中させることで、右側だけで食事をしやすくしたかったからです。
抜歯の箇所が決まったところで、表面麻酔をしてもらえました。よかった、導入されてた!今時どこでもやってるんですかね。
その後本麻酔をかなりしっかり施され、麻酔が効くのを待つ間にレントゲンを撮影しました。
ベッドに戻ってさらに麻酔が効くのを待ちます。おそらくレントゲン撮影時間も含めて20分近く待ったと思います。その間はすることもないので、先ほど撮影した自分のレントゲン写真を見つめるしかありません。
ちなみに、先生がレントゲン写真を見ながら、親知らずの近くに存在している神経の箇所を教えてくださいました。管のようなものが輪郭のラインに沿って通っているのがレントゲン写真で見れるのですが、それが神経だそうです。見事に親知らずの根っこ部分がその神経に突き刺さっているように見えました。これは抜いたら相当痛いのでは...?
ものすごい勢いで削られる親知らず
さて、レントゲン写真を見るのもいい加減飽きてきた頃、先生が「じゃあ抜くよ〜」と言いながら登場しました。さすが毎日のように抜いているだけあってノリがめちゃくちゃ軽いです。そのぐらいの方がこちらも安心ですね。
麻酔はものすごくしっかり効いていたので、治療直前には口をゆすぐことも難しかったです。いわゆる「くちゅくちゅペー」が全くできないので、顔ごと横に揺らしてゆすぎました。
そしてとうとうベッドが横になり処置が始まるわけですが......なんと、5分もかからず終了しました。冗談抜きで3分くらいで終了したんじゃないでしょうか。びっくりするほど一瞬で今までの緊張感なんだったの、という感じです。
最初に歯茎が切られた後、歯医者でお馴染み、歯を削る器具らしきもので口の中をひたすら「キュイーーン」とされます。一切休憩なし、ものすごい勢いでひたすら「キュイーーン」とされ続け、やっと口を全力で開けながら(奥歯なので結構大変です)鼻呼吸を同時にすることに慣れてきたと思ったら、顎のあたりに明らかに糸らしきものが触れました。つまり、親知らずは抜き終わって、最初に切った歯茎を縫っているんです。縫うのもあっという間に終了し、先生が「はい、おしまい〜ゆすいでください」とベッドをおこしました。
えーーー!?早すぎでしょ!!もう終わったの!!!歯茎切ったりもしてるのに!?虫歯治療の方がもっと時間かかるよ!?
と心の中で叫びつつ、口をゆすぐと、多少血が混じっていたので、本当に終了したようです。麻酔が効いているので、歯茎を切られたというのに全く痛みはありません。
これは推測ですが、やはり歯茎を切っているので、無駄に長引かせることで雑菌が入るリスクが高まるし、ある程度スピーディーにやる必要があるのかなと思いました。
さらに、虫歯治療で歯を削る場合は、虫歯部分だけを削るので細かな作業になりますが、今回のように歯を丸ごと取ってしまう場合は何も考えずガリガリ削っていけばいいので、削る機械も大きくて強力なものでどんどん削れるのかなと思いました。
さっきから削る、削ると書いているのにはわけがあって、今回の場合親知らずは「抜く」というより「削る」でした。
全ての親知らず抜歯でそうするかはわからないのですが、親知らずを何回かに分けて削り取っていくイメージです。私の場合横向きになっていたので引っこ抜くこともできず、徐々に削り取られていったのだと思います。
1本目の親知らずは4分割、後日2本目の親知らずを抜いたときは3分割になっていました。歯がバラバラになっている姿はなかなか見ることもないので不思議な感覚。バラバラになっているとただの白い破片なので歯ってぽくないです(笑)
直後は安静にすべし
血が止まったのを確認したあと、抜糸の予約をしてから帰宅。
ここで私は最大のやらかしをしてしまいます。口の中がどうなってるのか気になって、口を思い切り開けて奥歯を覗こうとしてしまったんです!!
まだ切ったばかり、縫ったばかりの箇所を刺激することになってしまい、めちゃくちゃ激痛が走ってすごく後悔しました。その後何もしなくてもとにかく痛い。もらった痛み止めは効きましたが、たぶん痛み止めって親知らずを抜いたことによる神経の痛みに対する痛み止めであって、縫い目の痛み(外科っぽい痛み)にはそんなに効かないんですよね...。「痛い」と言って気を紛らわそうにも、口を動かすこと自体が痛いので真顔でいるしかありません。つらすぎる!!
結局3日くらい痛みに耐えることになりました。
もしこれから親知らずを抜く予定の方は、術後はとにかく大人しく、口を開いたりなんてことは絶対しないほうがいいです!後悔します!(笑)
ちなみに、2本目の親知らずを抜いたときはこの反省を生かして、口を開くようなことはせずひたすら大人しくしていたら、痛み止めを飲んでいれば辛くない状態にもっていけましたし、術後2日でほとんど痛みもなくなりました。何事も初動は大切ですね。
食事も口を開いたり、噛んだりが辛いので、お箸で細かくしてから口に入れ、柔らかいものを中心に食べました。汁物、豆腐が最高。
そして翌日も痛むので大人しく、食べ物も柔らかいもの中心の生活。表情筋を動かすのすら辛かったので、在宅勤務&マスク生活で本当に助かりました。
顔が変形しちゃうけど、絶対戻るからね
とんでもない見出しですが、口腔外科の先生に言われたことそのままです。
親知らずの抜歯でよく言われるのが「痛い」と「顔が腫れる」だと思うのですが、例にもれず私もバッチリ顔が腫れました。
特に1本目は最初に無茶したせいもあるのか、鏡でみて「うわっ」となるほどです。左右で輪郭が全然違う。
といっても先生に1週間くらいで絶対元に戻るから大丈夫ですからね〜と事前に言われていたので特に気にせず、腫れてる頬を触って「わー腫れてる腫れてる!」と楽しんでいました(笑)
確かに腫れは1週間どころか5日くらいですっかり元通りで、当然ですが今はなんともありません。
腫れはわかっていたことなのでよいとして、びっくりしたのが痣でした。
ちょうど腫れが治まるのと入れ替わりくらいのタイミングで、親知らずがあった箇所あたりの頬(顎)に痣が出来たんです。色は黄色〜黄緑っぽい感じでした。
親知らずが原因だろうとわかっていてもびっくりして焦ってしまい、ネットで調べたのですが、内出血の痣的な感じで、親知らず抜歯後に黄色っぽい痣が出るのはよくあることのようです。これも1週間ほどで綺麗に消えました。よかったー!
抜糸しても終わりではない
抜歯のあと、約1週間後に抜糸をしました。
さすがにそのときにはしっかり歯茎もくっついているので、抜糸をして縫われていなくても、なんてことありません。
これにて完全に親知らずの治療終了!...なのですが、意外な落とし穴がありました。それは治療跡。
親知らずを抜いた跡は穴のようになっていて、奥歯と歯茎の間に微妙な隙間が存在する状態になっています。
放っておけば歯茎が徐々に盛り上がってきて(?)隙間はなくなってくるのですが、それまでは非常に食べ物が隙間に挟まりやすい!
場所が場所なので鏡でもなかなか見えないし取りづらいし、隙間にも奥行きが結構あるのでしっかに詰まってしまいます。
かなり意識して取り除かないと、食べ物が詰まったままになってしまうということは...完全に虫歯コースですね...。
できるだけ親知らずを抜いていない方で噛むようにしましたが、いつの間にか入っていることもしばしば。普通の歯ブラシではなかなか磨きづらいので、タフトブラシと呼ばれる細いブラシで取り除くようにしました。
最初の親知らず抜歯からおよそ1ヶ月半経ちましたが、やっと隙間が埋まってきたかな?という感じです。ずっと気を付けて磨くのは地味なストレス...でも虫歯になるよりましですね!
次回
親知らずの抜歯と並行して、上の段はどんどん器具をいれる準備をしていたので、そちらを書こうと思います。
親知らず抜歯はなかなか難儀でしたが、一山越えたと思うとすっきして、満足度も高いです!