![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/133163081/rectangle_large_type_2_7801af1011894ff5bb1e918b5eebeedc.png?width=1200)
「身に着けられる」世界遺産!?人類の歴史に想いを馳せるインスピレーションジュエリーを集めてみた。
最近、歴史にとても興味があります。
というのも、ジュエリー史の勉強をしていていも本当の意味で深く理解できていない気がするのは、(当たり前なのですが)世界史自体についての理解不足があるような気がしてきたからです。
世界遺産検定の勉強楽しい。
そして、たまたま見かけた世界遺産検定が面白そうだったので、歴史好きなデザイナーの方といっしょに受験してみることにしました。
興味をもって知識が増えると、アンテナが伸びるのか「世界遺産をモチーフとしたジュエリー」をいくつか見つけることができるようになったので、今回まとめをご紹介したいと思います(今後見つけるたびに加筆するかもしれません)。
1 アトリエ・ウッサの「ポン・デュ・ガール」(古代ローマ時代の水道橋)指輪
登録年: 1985
登録基準: (i)(iii)(iv)
![](https://assets.st-note.com/img/1709773221850-Gzjqwma4zN.jpg)
南フランスのガルドン川をまたぐ水道橋。古代ローマ人にとって、水を豊富に供給することは、町づくりのうえで大変に重要なことであった。水源から50km離れたローマ都市ニームに給水するために、紀元前19年に築かれた。三層のアーチを重ね、高さ50m、全長275mにも及ぶ現存する巨大な橋は、ローマ帝国時代の土木技術の水準の高さをよく伝えている。
フランス留学時代にポン・デュ・ガールの水道橋を訪れた記憶をもとに指輪に仕立てているのが、アトリエウッサさんです。
デザイナーからコメントも頂戴しました!
周辺には家が数軒しかなく、バスは一日5本程度のへんぴな場所。
木々に囲まれ、水の音が近くに感じた時、ふと合間から見えたポンデュガールは私の想像の数倍も大きく、これまで見てきたどの橋より偉大に感じる出立ちでした。
そのどっしりとした魅力的な姿に私はすっかり虜になり、一緒に来た友人に「日本に帰ったら私はこれをすぐに指輪にするよ。」と宣言したんです。
パリから橋近郊の町までは約6時間。道中色んなトラブルもあったからでしょうか(笑)あたりに何もないその橋を眺めるだけで、とても心が安らかになったといいますか…母の懐に抱かれているような気分でした。
2 美々(ViMi)の八角形指輪(オッターゴノ)と南イタリアの城塞「カステル・デル・モンテ」
登録年: 1996
登録基準: (i)(ii)(iii)
![](https://assets.st-note.com/img/1709774275208-1kRNah0kZ2.jpg)
イタリア南部・プーリア地方にある要塞。1240年、神聖ローマ皇帝フレードリヒ二世が狩猟時の住居として建てたもの。八角形の平面をもち、それぞれの隅に八角形の小塔が設けられている。中世の軍事建築の好例ですが、イスラム的オリエントとヨーロッパ・ゴシック建築が見事に融合した建築物でもある。
神聖ローマ帝国の天才、フリードリヒ2世が作った美しい城塞です。
こちらも、イタリア留学経験のある美々さんが八角形の指輪にしていらっしゃいます。
美々さんからもコメント頂戴しました。
ミラノやローマ等有名な観光地がある北・中央イタリアとは異なり、イタリアは南に行けば行くほど、未知で神秘的なものが多いのが魅力だと思います。
八角形リングのモチーフであるカステル・デル・モンテもそのひとつ。“8”を象徴的に多用している謎の多い建物です。 リングの外側も内側も“8”のかたちを取り入れ、葉っぱ等の植物的モチーフも彫りで表現したのが『Ottagono(八角形)』リングです。
イタリア彫金らしい繊細な彫りが刻まれていますね。
着けてみると意外と(隙間に指の肉が逃げてくれて)着けやすい指輪です。
3 GERMEDEURのキャッスルリングと「サンタンジェロ城」(ローマ歴史地区)
登録年: 1980 拡張: 1990
登録基準: (i)(ii)(iii)(iv)(vi)
![](https://assets.st-note.com/img/1709777343967-ooqwhxyaS8.jpg?width=1200)
サンタンジェロ城は、イタリアの首都ローマ中心部、テベレ川右岸にある城。135年にローマ皇帝ハドリアヌスが自らの霊廟として建造を始め、4年後にアントニヌス=ピウスが完成させて以降、ローマ皇帝歴代の墓となる。現在は国立サンタンジェロ博物館として公開されています。
そんなサンタンジェロ城をはじめとする、円筒形の古城をモチーフとしたリングンのシリーズを出しているのが、GERMEDEURさん。
円筒形のキャスルタワーを石座にデザインし、リングショルダーのゴールド部分にはにミル打ちを施すなど、職人技が光ります。
4 Kagann jewelryのモロッカンリングと「ブルー・モスク」(イスタンブルの歴史地区)
登録年: 1985
登録基準: (i)(ii)(iii)(iv)
![](https://assets.st-note.com/img/1709778365423-X0U0VZAmKb.jpg?width=1200)
オスマン帝国のアフメト1世が17世紀初めに建造したのがブルー・モスク。青いタイルの内装が大変美しいです。
![](https://assets.st-note.com/img/1709778640327-qsioLhTVZd.jpg?width=1200)
そんなイスラム芸術にインスピレーションを受けてデザインされているのが、Kagannのモロッカンシリーズです。
Kagann JewelryのデザイナーChieさんは、元旅行雑誌ライターという異色の経歴の持ち主。
こちらは重ねづけをすることで様々にアレンジできるのが特徴。
5 ENDOTSUBASAのCastle(カステル)シリーズと「ヴェルサイユ宮殿」
登録年: 1979
登録基準: (i)(ii)(vi)
![](https://assets.st-note.com/img/1709786127303-YgdIjX3VcM.jpg?width=1200)
パリの南西約18kmにある、宮廷文化の全盛時代を象徴する宮殿と庭園。ルイ14世時代に始まり、ルイ15世、ルイ16世と王妃マリー・アントワネット、ナポレオンなどにより新築、改修が繰り返された。「鏡の間」は、室内装飾家シャルル・ル・ブランによる装飾芸術の最高傑作で、ルイ14世の栄光を讃えた天井の装飾画、ブロンズ製の柱頭などが特に知られている。578枚の鏡が光に反射して、装飾の豪華さをさらにひきたてている。
![](https://assets.st-note.com/img/1709796151585-w2frOaRNzp.jpg)
そんなフランス・バロック様式の最高傑作ともいわれるヴェルサイユ宮殿の天井装飾にインスピレーションを受けているのが、ENDOTSUBASAの「Castle(カステル)」シリーズです。
フランス王家に纏わるストーリーをコンセプトにしたロイヤルシリーズ。
作品の名前であるカステルはCastleをフランス語読みしたもので宮殿や城を意味し、宮殿建築からインスピレーションを得てデザインされています。
今作は、天井から降り注ぐ光に照らされ規則的で美しい装飾が特徴的なヴェルサイユ宮殿の天井装飾からインスパイア。
そんな緻密で高貴な宮殿装飾を当ブランドが誇る象嵌技法”ピクウェ”やミルグレイン、マザーオブパールの幽玄な輝きで表現。そして、優雅で華やかな装飾ながらも現代の日常にマッチする様にデザインしました。
宮殿装飾は主に縁起物であったり王族の威厳や優雅さを表現する為に施されており、今作ではそんな歴史的背景を考慮し、あなたの内に秘めた大人のエレガントさを引き立たせ、より良い縁が巡るよう願いを込めて制作しています。
また、ENDOTSYUBASAのジュエリーは、「ピクウェ」という、フランス発祥の象嵌技法を再現しています。
6 HAVITASのHourglass pillar ringと、トルコの古代都市「エフェソス」
登録年: 2015
登録基準: (iii)(iv)(vi)
![](https://assets.st-note.com/img/1709794545415-ZHQmNiFjE4.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1709794738015-p90xL2LTeq.jpg?width=1200)
青銅器時代中期を起源とするエフェソスは、紀元前4世紀頃に現在の地に移転し、前133年にローマ帝国の支配下でアナトリア地方で最も重要な都市として最盛期を迎えた。古代ギリシャ時代から中世にかけて都市景観は変化したが、特にローマ時代の港湾都市として名高い。また、アルテミス信仰を背景に古代世界有数の巡礼地として発展し、ローマ帝国でのキリスト教の伝播に重要な役割を果たし、また哲学と医学の中心地でもあった。セルスス図書館、大劇場、ハドリアヌス神殿など、その威容を示す遺構が発掘されている。
そんなエフェソス遺跡をデザイナーがかつて旅したときのインスピレーションがブランドのコンセプトにもなっているのがHAVITAS(ハヴィタス)です。
その中でも、神殿の柱を想起させるような砂時計のリングをご紹介します。
デザイナーからひとこと:
「エフェスはトルコの中西部に位置する都市で古代ローマとそれ以前の中央アジアの文化が混ざり合っ「文明の交差点」です。
HAVITASは古代の人々の営みと時間の流れをテーマとしており、神殿の柱や建築物のアーチなどをイメージソースとして制作しています。」
(番外編)世界遺産シリーズを製作されているデザイナーも(梶光夫さん)
世界遺産シリーズを発表されているジュエリーデザイナーもいらっしゃいます。
![](https://assets.st-note.com/img/1709775183959-Q20nMPJxw2.png?width=1200)
創作活動20周年を記念して創作した「世界遺産ジュエリー」。
日本ユネスコ協会連盟の協力のもと、美しい地球に永遠に伝えられる壮大なスケールの世界遺産をジュエリーにした作品を発表。
そのシンボリックオブジェとして創作した「モン・サン・ミシェル」は2kgのプラチナと452個のダイヤモンドが使用され、約1年の製作期間を経て完成した。
まとめ(持ち運べないはずの世界遺産を身に纏おう)
いかがでしたでしょうか?
世界遺産の登録要件の中に、「不動産であること」という項目があるのですが(試験頻出)、
ジュエリーなら、旅の思い出や世界の歴史に思いを馳せながら、日々身に着けて楽しむことができますね。
あなたもお好きな世界遺産を持ち運べるジュエリーとして日々身に着けてみるのはいかがでしょう。
JC1級&せかけんホルダーの大松先輩(宝石王子)とインスタライブします!
と、思った以上に面白くなってきたので、ジュエリーコーディネーター1級と世界遺産検定をどちらも保有している宝石王子こと大松彰さんとインスタライブ(せかけん試験日におつかれ配信)をやります!
こちらで紹介したジュエリーデザイナーの方のサプライズ登場も!?