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SAGA Jewelry Shop Report 2020(佐賀市周辺ジュエリーショップ散歩)


帰省と出張とを兼ねて佐賀にきたついでに数時間自由時間ができたので、佐賀市周辺の主要なジュエリーショップをレンタサイクルで回ってみました。

もしかしたら今後エリアでジュエリーショップを探したいという方 (そういえば昔、「佐賀を探そう」とかいうシュールなキャッチコピーがありましたね)の参考になれば幸いです。

※1 シルバーウィーク中にお休みだったショップについてはまた次の機会に訪れたいと思います。

※2ショッピングモールや百貨店に入っている系(フェスタリア、ヴァンドーム、ツツミ等)は省略させていただいています。


1 デジタルと鍛造の二刀流、「うれしの金賞堂」(呉服町)

以前からデジタルジュエリー協会のメンバーが佐賀にもできたと聞いていたのですが、その名前からてっきり嬉野温泉エリアにあると思い込んでいたところ、私が以前司法修習時代に住んでいたすぐ近くにあったことが判明しました。

店主の嬉野俊彦さんは銀座の日新堂で修行され、3代目としてお店を継ぐ形で佐賀に戻ってこられたのだとか。

デジタルCADも使えるし、鍛造も使えるという新世代のオーダーメイドに強いお店です。こだわりのあるカップルにおすすめ。

2 夜はワインバー?兄弟の挑戦「ニームジュエリー」(白山)


佐賀駅から県庁に向かうメイン通りに、ジュエリーとワインの看板が目を引く新しいお店。まだ出来てから1年ちょっとだそうです。

兄の西村友貴さんが夜にワインバーを、そして弟の西村公貴さんがお昼にジュエリーショップをやっていらっしゃいます。公貴さんは宝飾クラフト学院のご出身とのことです。

ワインを飲みながら注文ももちろんOKとのこと。


3 ブライダルとシルバーアクセの二枚看板「サロンドルシェル」&「ファクトリーエデン」(多布施)

こちらも特徴があるな~と思ったのが、多布施にあるこちらのショップです。

こちらは奥で工房はつながっているのですが、入り口が右がウェディング専門店、左がシルバーアクセの専門店です。こちら佐賀北高校や佐賀工業高校のあるちょっと先なので、駅からはあまり近いとはいえませんが、カップルで車で来るのにはそんなに不便はしないかなと思います。もう10年以上たつそうです。

全く趣がちがう白黒の対照的な外観ですが、どちらもオーダーメイドの細やかなサービスを受けることが出来ます。

4 パールのことならなんでもおまかせ「真珠・宝石のみほの」(白山)

こちらも老舗の宝石店です。現在二代目のイケメン店主が、九州の真珠界を盛り上げようと奮闘しております。

何を隠そう、筆者はこの店のとなりにあるKORNERというダイニングバーでプロポーズをしたので想い出のスポットで(関係ない)、最近はおしゃれなカフェなども増えてきているので観光や街ブラついでにおすすめです。

店内は、質の高いアコヤネックレスはもちろんのこと、南洋や白蝶、また普段使いしやすい淡水パールのアクセサリーなども幅広くそろっていて、いろんなシーンでのコーディネートの相談ができると思います。

5 住宅街にひっそりたたずむGIA-G.G.在籍店「ノナカジュエリー」

今回のサイクリングで最も遠かったのがこちらのノナカジュエリー、鍋島エリアの、しかも決して医大通り沿いというわけでもなく、地図アプリで見ながらいかないととてもたどりつけそうにない住宅街にひっそりとたたずんでいます。GIA-G.G.であるオーナーがショップをはじめて30数年の歴史があるそうです。リフォームやオーダーなどにも対応。大きなショップよりもじっくりベテランの方に相談を聞いてもらいながら頼みたいという方におすすめです。

6 太平社宝石店

こちらも創業50年以上の老舗宝石店です。八幡という古くからの法律事務所などが多くあるエリアにございます。

現在二代目のオーナーにかわって20年、先代が創業されたお店を継いでいます。

若い頃は御徒町のダイヤモンド卸メーカーに勤務されていたとのことで、人脈を活かした質の良い仕入れが特徴です。

IJTなどの展示会にもよく顔を出して、「福岡に行かなくても良いものが手に入る」品揃えを目指しているとのことでした。


7 宝石にも強い質店「城島質店」

全質連所属の老舗質店が佐賀市内にあるとの情報があり、訪れてみました。

GIA-G.G.の鑑定士が査定をされるとのことで、販売コーナーにはジュエリーも充実していました。掘り出し物の宝石をみつけるにも良いかもしれません。


8 ブライダル系で唯一古くから佐賀に出店!「アイプリモ」

主要な多店舗系ブランドの多くは福岡には出店していても佐賀県内には出店していない(もしくはショッピングモールのテナントとして出店)ことが多いのですが、唯一10年近く前から路面店で出店しているのがアイプリモです。最近2017年には、それまでの県庁側から駅前側に移転しました。


番外編その1:伊万里真珠本店

伊万里は梨狩りのシーズンということで、子どもをつれて梨園に行ったのですが、梨狩りってイチゴ狩りなどとちがって本当にものの5分もすれば終わるんですよね(というか1個がボーリング玉のように重たくてすぐ籠に持てなくなる)。

ということでかなり時間が余ったので、以前から気になっていた伊万里真珠本店へ寄ってみました。

最近では西日本を中心に、百貨店などにも出展することも多くなってきた老舗のメーカーです。アコヤだけでなく南洋や淡水など幅広く扱っていらっしゃいます。

番外編その2:古代のジュエリー?佐賀県立博物館

佐賀といえば吉野ヶ里遺跡!とはいえ吉野ヶ里歴史公園まで行く時間はなかったので、

佐賀県立博物館で開催中の「THIS IS SAGA」展へ。

人はなぜ装身具をまとうのか?

という問いは、ジュエリーの勉強を始めた頃からの最大の関心事でもあり、昔からなるべく博物館などで各国の古代の装身具が展示されている場合には積極的に見ようと思っています。

不要不急の代名詞であるジュエリー業界にとってコロナ時代に問われるべき本質的問題でもあります。

今回吉野ヶ里遺跡周辺の弥生時代の装身具を見ていて感じたことは、

紀元前~6世紀頃の時代、すでにかなり広域の流通がさかんだったということです。

たとえば勾玉に使われた翡翠(ジェイダイト)は、新潟から持ってこられたようですし、

瑪瑙の丸玉や、ガラス製の管玉、そして金製のイアリングなどは、島根や朝鮮半島、中国からのものだそうです。

当時、どのくらいの権力者や富裕層のみが手にしていたのかはわかりませんが、管玉や丸玉のビーズなどを眺めていると、現代のクロムハーツゴローズなどに並んで買う若者と同じような気持ちで当時もおしゃれに気を遣う人々がいたのでは?などと妄想が膨らみました(※学術的根拠は全くありません)。

また、いろいろなバリエーションの勾玉をみていると、昔は動物の牙や黒曜石のナイフが派生したという説に何の疑いも持っていなかったのですが、

勾玉の中には四本足(手足?)っぽいデザイン(獣型といわれるそうです)のものもあり、

胎児説(死産してしまった我が子を偲んで身につけたという説)に共感を覚えました。


このあたりはおそらく考古学者の中でさまざまな議論があると思うので、追ってリサーチしてみようと思います。

まとめ

今回か、レンタサイクルで回れる範囲(そしてオープンしている店限定)で佐賀市内の主要なジュエラーをだいたい網羅できたと思います。

自分で回ってみたことで気付いた点はこちらです。

(1) やっぱりコンセプトがだいじ!

ネットの普及でエリアごとの競合はもはやあってないようなものです。コンセプトがしっかりしていて、それがネット上でコツコツ発信されていれば遠方からでもダイレクトに注文や来店が入るようです。

(2)「強みのダブレット」で若い店主たちが奮闘!

二代目、三代目の店主たちが、それぞれの強みをいかしながら新たな取り組みをしているのが印象的でした。

また他の業態とのコラボ(ニームさんの夜はワインバー業態)や同じ店でも2つのコンセプトに区切る(ファクトリーエデン)、デジタルと手彫り(うれしの金賞堂)など、工夫しながら多様性を出そうとしているのを、私は「強みのダブレット」と勝手に命名することにしました。

何かと何かの合わせ技によって、「冠婚葬祭のときだけのつきあい」ではない、ふだんからつながっているファンを増やすショップにできるのではないかと思います。

(3)身を飾る喜びは古代から変わらぬもの

古代の装身具以外にも、この帰省中に、戦中・戦後を生き抜いた義祖母の遺品などを見る機会があり、やはりいつの時代でも身を飾る喜びは変わらないのだなと感じました。

※上はマザーオブパール(白蝶貝の母貝を削り出したビーズ)であることがわかりました。

コンセプトをしっかりと持ち、身を飾る喜びをきちんと伝えようとしていっているお店ならば、どれだけ不要不急な世の中でもジュエリーを求める気持ちに応えることができると思いました。

ジュエリー(装身具)は数千年間ずっと流行しつづけているものなのですから。

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