「お客様は神様」失って気が付いた「しくじり」の話し。part.1
皆さんこんばんは
ジュエリーを作ってる、水谷と申します。
今回は、心から、「お客様は神様だなあ」と、感じた時の「しくじり」のお話をさせていただきたいと思います。
2016年、僕が貸し工房の「講師係(工房管理、利用者様のヘルプ、フォロー係みたいな役)」を行わさせていただいていた頃のお話。
当時は「minne」や「tetote」といった、ハンドメイド市場が大きく成長した時期でした、ハンドメイドアクセサリーを様々な職種の方々が制作し発信する時代、物づくり未経験の方も少なく無かった。
・「他とはひと味違うアクセサリーを作れる様になりたい」
・「作るのはいいのだけれど、どこまで突き詰めれば良いかわからない」
・「こういうアクセサリーってどうすれば作れるんですか?」
・「この道具はどうやって使えばいいんですか?」
・「この商品みたいなのを作りたい!でも何から始めたらいいか分からない!」
そういった、要望や質問を持ったアクティブな作家さんが工房を利用して下さいました。
僕は、幼少期から、プラモデルや折り紙、粘土遊びが大好きで、気が付くと卓上を散らかし放題でモノを作って来て、最終学歴の高校も、「芸術、造形系」の卒業でした。
そのお陰様もあり、何となく、要望されたデザインも、一見すれば作製手順なども予想がつきました。
作製手順を紙面にその場で書き上げ、手順通りに制作してもらいながら、壁にぶつかったタイミングでフォローをする。そんなスタイルで講師係をさせていただいておりました。
そんな期間が2年ほど続いていた中で、自分の作品を作る時間がない事に気がつきました。
当時の僕は、時間の使い方にちっとも関心を持っておらず、ほのぼのとして、平等に与えられた「時間」も平等に感じず言い訳ばかりを呟いていました。
側から見たら楽しい筈なのに、幸せな筈なのに、なんだかちっとも
「進んでいない」
そんな気がしていた. . . 。
「全て周りのせい」
. . . . 高望み、「愚か者」に成り下がった瞬間です。
「ものづくりの楽しみや喜びを人と共有して、高め合えながらお金が貰えたら、どんなに幸せだろう!!」
純粋に想い描いて、与えて貰える環境の全てが幸せだった心は、いつしか感謝を忘れていた。
そんな事もあり、工房のお客様の為の利用開放時間を激減させていた。
週に10件〜20件あったアポも、3〜4件のみの対応で自分時間を大量に増やした。
そのお陰もあり、作りたいものも作れる様になって割と満足していた。
SNSの投稿も急に加速して、フォロワーも増えていた。
だがその反面、好き勝手やったお陰で、本当のお客様も次第に離れて行ってしまった。
大きく収益の減った状態では、貴金属の元材や宝石を仕入れる資金も殆どなくなっていた。
作れる作品も無くなり、精神的にも参って行く中で、デザインも描けなくなって来て。
自分の活動に自信も持てず、次第に他人からの目線が冷たく突き刺さる感じがして、活動から逃げるようになって来た。
SNSなどの投稿も減り、自我の発信がみっともないと感じ始めて、人脈作りも遠退き、業界のイベントには顔も出せなかった。
「. . . もうダメだ、何やってんだろ自分」
「何がしたかったんだっけ」
「こんな事しててもお金にならない. . .」
「こんな高いの買われる訳がない」
「. . . 量産して金稼ぐか」
負のスパイラルである。
ポリシーも理念もドブに投げ、ジュエリーの存在価値をドンドン下げて行く。
師匠や環境に申し訳無い程、自分を安売りしていた。
10代の頃、どんな所に行っても、「安売りだけはするな!」
沢山の大人にそう言われて来た。
正直意味がわかって無かった。
「そんな金額高くしたら図々しいじゃないか」「そんなんじゃ金の亡者みたいじゃないか」
全く意味をわかっていなかった。
僕の経験からくる「安売り」に至る原因は、
「自信」の無さ、
自分でも気付いている、積み重ねた学びの姿勢の不足感
「否定される事への恐怖感」から、逃げた結果が
「良い人気取りの愚か者」
いままでに関わって来てくれた「育て親」、「兄弟」、「師」、「先生」、「環境」、「友」その他の見捨てないで来てくれた厳しい言葉をかけ続けてくれた人々。
そんな掛け替えのない神様達を丸ごと否定する
「安売り」
多くの環境、多くの人達と関係し、「真剣に取り組んだ経験」からなる「理念」が、付加価値をもたらす。
「安売り」は全てを背負っているという自覚が足りない証拠なのである。
最近知った、僕の好きな言葉があります。
「道徳なき経済は犯罪だが、経済なき道徳は寝言である。」-二宮 尊徳-
. . .今頃感ですかね(笑)
所詮、「イイ人」は自分時間以外で他者を守れる力も、現状に感謝する心もないのである。
誤解のない様に述べますが、ここでいう「イイ人」は悪い表現で、「上辺だけの八方美人」という個人的な意見です。(←自分に言い聞かせてます!)
話が逸れてしまいましたが、
そんな愚か者になった頃、妊娠を機に工房利用から疎遠になっていたお客様から、久しく挨拶のメールが届きました。
「大変ご無沙汰しております、お元気でしょうか?天使が産まれました⭐︎
今後もしばらく製作に伺う事は出来なくなってしまいますが、引続き宜しくお願いいたします。また石を沢山仕入れました、まだまだ造りたい欲求は
ありますので、製作させてください!宜しければ依頼もしたいです!」
産まれた赤ん坊の写真と共に送ってきてくださりました。
このお客様は宝石のマニアさんで、まだまだ知識不足で至らない事だらけだった僕に、沢山の知識と経験、反省と、今の僕の基盤とも言える思想を与えてくれた素晴らしい方なのでした。
講師係になって、第一号の利用客様だったのです。
僕は、スマホ片手に反省しました。
同時にドッと涙が出て、いままでの行い、経験の記憶を全て思い起こさせてくれたのです。
何度も何度も怠慢になりそうになった頃、実は、お客様のお陰様で、「期限」と「喜び」にメリハリがついていたんだと感じさせてくれた、
そして現在、環境の変化で、教室も開けない状態になるなか、それでも「教室は何処かで開いてはくださりませんか?」「また一緒に作りたいです!」「どんどん創りたい物が溜まって行きます!汗」など、まだまだ終わってない、
与えてくれる壁を乗り越える期限を与えてくれる、
そんな「お客様」は、
「神様」なんだと、心から感じたのでした。
今年の抱負としては、やはりワークショップを開けるくらいの環境を設けて行く事です。
とってもネガティブな記事になってしまってすみません。
ですが沢山しくじった経験がギュッと詰まっています。
「一難去ってまた一難」
乗り越えかけたら次の問題が(汗)
そんな僕ですが、まだまだイキイキして行きます。
ジュエリー意外にも、普通に会社員もやっています、グラフィックデザインも色々とやらせていただいています。
大して資格も無い僕に、期待と応援を与えてくださる皆様にひたすらに感謝実行です。
こんな僕ですが、これからも宜しくお願い致します。
ご購読ありがとう御座いました。