【メダロットS】ハードハンマー実用化基礎研究
概要
2024年8月に行われたナデシココラボにおいて、非常に高いダメージを出すことのできる『ハードハンマー』が実装されました。
本記事は最高ダメージの計測ではなく、メダリーグにおいて実用化を目指す記事となります。
発端
2024年9月にメダロット魂コラボイベントが行われ、アニメのブラックビートルを再現した『BビートルA』が実装されました。
このブラックビートルの頭部パーツは『全体攻撃+必中+ホールド付与』という性能であり、「これと組み合わせることで、ハードハンマーがかすりによる減衰無しで当てられる上に、初手でリーダー機を特定出来るのではないか」ということを思いつきました。
リーダーサーチシステムが実装されて久しいですが、これを活用した戦いは出来ていませんでした。今回はシステムを活用できそうだったので、少し考えてみようとしたのがきっかけです。
結論
この記事を開いた人にとっては、最終的な構成の方が重要でしょうから結論を先に出しておきます。このような構成になりました。
基本的な運用は、「全体攻撃を初手で分散し、リーダーを特定して詰める」か「反射系ガードで時間を稼ぎ、相手の攻撃を凌ぎつつ削った後で勝つ」の二つです。相手にガード機体が無ければ前者、ガード機体が居れば後者の立ち回りをします。前者の戦法が取れれば、二手で勝負が決まります。
但し、ガードパーツを採用しているため、デストロイ持ちの相手とは相性が良くありません。この構成で運用する場合は、デストロイ持ちが2体以上いる構成と戦うのは避けたほうが無難でしょう。
機体別の運用は各画像に追記しておきます。
構成と戦法の変遷
最終的な形に落ち着くまでの流れをまとめておきます。
初期型
核となるのはフリティラクライの『ディストフィルド』と、BビートルAの頭部『BバリスタA』の二つとなります。
運用にあたり、以下の2点を検討しました。
初手でディストフィルドとBバリスタAを別ターゲットに当てて、リーダー機を特定する
同じターゲットにBバリスタA→ディストフィルドの順で当てて、1機確実に落としに行く
前者は当初の思い付き通り、後者は「リーダー機ではなくても、頭数を減らせばその分安定が確保できるのでは?」という発想から出たものです。
ダッシュボタンの脚部である『ガンジョー』が一番耐久合計値が高いと教えて頂いたのですが、充冷が伸びないことと腕の制限がかかることから、ジェントルハーツの脚部である『ビックブーツ』を採用。
たたき台として出来たのが以下の構成です。
戦法としては、壁役の3号機が時間を1~2手稼いでいる間に、残りのふ
たりがリーダーを壊して決める構成になっています。
1号機には後詰めを任せるため、貫通で威力の上がる『BヒューザA』を採用。この時点で相手の格耐によっては一部位3500ダメージほど出たので、ハードハンマー役は充冷調整による攻撃速度の確保が課題になりました。
また、2号機の腕が仮組みであるため、そちらの選定も課題になります。
ダイヤモンドランクで実践投入
レジェンド相手にハードハンマー構成を持ち出して、実際に運用してみました。
5戦中4戦で起用しましたが、十分勝てる試合内容になっていました。課題はあるものの、カウント2~3程度で決まる試合が多いという結果が得られたのは収穫と言えます。リーダーサーチシステムを活用して試合を進められた結果、短時間で決着がつけられていることになります。
課題としては、以下のものが出てきました。
ガード役がひとりだと、時間稼ぎに失敗することがある。
ハードハンマーの与ダメが不足して仕留めきれないことが多い
頭部パーツが固定されるため、メダチェンジによるガード機体に対処しにくい
ハードハンマー役の腕に採用するパーツに根拠がない
ガード役の頭部パーツが無駄になりがち
3番目の課題は対戦相手を選べば解決するため、他の課題について対応していきます。
本当ならガード役にビシャモクベーラの脚部である『フタイテン』したかったのですが、無いものは使えないので運用でカバーします。
構成変更とダメージ不足
課題のうち、ハードハンマー役の腕パーツと、盾役の頭部パーツに関して調整を行いました。
だんだん動かしやすい構成になってきました。壁役の頭部パーツをCGに依存した高火力パーツに置き換えたことで、最後の詰めがしやすくなりました。
しかし、明確な課題が出てきています。肝心のミサイルA2とハードハンマーのダメージが足りません。
当たり前ですが、ミサイルA2も全体攻撃である以上、防御によってダメージが減少します。その結果、ミサイルA2とハードハンマーを重ねても、機能停止させられないことがちょくちょくあります。
実戦では「BバリスタAとディストフィルドで潰していく」というより、「初手でリーダーを特定したら、ディストフィルドで削ったものをBヒューザAで刈り取る」ということが多くなっています。
ここで更に速度差の問題が出てきており、「ディストフィルドをリーダーに当ててからBヒューザAを当てたいのに、ハードハンマー役が遅すぎてBヒューザAが先に当たる」という状況が発生しやすくなっています。これならマックスショットを採用した方が、結果としてハードハンマーで仕留めやすくなります。全体攻撃はパーツが減るほど部位別のダメージが増えるので、ダメージ不足も解消できます。
ハードハンマーでこれ以上ダメージを稼ぐことは補助なしでは難しいので、1号機の攻撃方法を変更することでカバーできるように検討してみます。
発想の転換
「脚部の耐久性能をどう盛ってもダメージが足りないなら、反射ダメージを勘定に入れて時間稼ぎもできるようにした方が安定するのでは?」と、発想を逆転させてみました。試験時のメダリーグは森林地形だったので、耐久性能があるダッシュフットを軸に構築したのがこれです。
詳細は結論の項目に記載しました。立ち回りが適切であれば、二手で勝負が決まるという理想的な形になりました。脚部の自由度が高くなったこともあり、普段使いとして耐えられると判断し、ひとまずの完成としています。
戦法の転用
ハードハンマーを活かす構成が始まりでしたが、発想の核は「初手に全体攻撃でリーダーを特定した後、最大火力をリーダーにぶつけて勝つ」という点です。そのため、ハードハンマーが無くても、近いことはできると思われます。
但し、1~2回の攻撃でリーダー機を落としきれる火力が必要です。この戦法は相手のメダロットを機能停止させることを想定していないため、常に相手の猛攻に晒されるからです。壁役がひとりでは耐えきることが難しいため、この記事の構成とは違うものを考える必要があります。
全体攻撃火薬系パーツを使うことになりそうですが、採用パーツによっては「リーダーの特定以外に仕事の無いパーツを載せる」という問題点が出るかもしれません。火薬系で特定するならダブルエッジの多い森林・草原の時に採用するなど、運用する環境を絞るのもアリでしょう。
要点の整理
今回の記事をハードハンマー構成の資料として使うにあたり、必要な情報を抜き出しておかないと利用しにくいことに気付いたので箇条書きでまとめておきます。
強み
全体攻撃パーツを2体に搭載することで、リーダーサーチシステムによって最速でリーダーの特定が出来る
ミサイルA2によるホールド症状で、命中に不安のあるハードハンマーを減衰無しで確実に当てることが出来る
ハードハンマー自体のダメージが高い
ハードハンマーで打ち漏らしても、追撃を当てれば機能停止させられる
最速でリーダーを特定できれば、二手で試合が終わる。ロボトルカウントは98~97での終了となる
問題点
ディストフィルドの成功の値に不安がある
ハードハンマーは全体攻撃である以上、かすりでダメージが大きく下がる
ハードハンマーは防御無視だが、戦車脚部のダメージ軽減は適用されるのでダメージが大きく下がる
ハードハンマー役の脚部に実質的な制限がかかる
補助なしでのハードハンマーは、頑張って盛ってもダメージが一部位3000前後でパーツを壊せない
ハードハンマーのダメージを優先すると攻撃速度が、攻撃速度を優先するとダメージが犠牲になる
補助を使う場合、安全を犠牲にするか速度を犠牲にするかを選ばないといけない
相手にガード役が居る場合、そちらの対処を優先しないといけないので強みが活かせない
相手が妨害クリア持ちの構成だと、ミサイルA2とのシナジーが無くなる
ミサイルA2でかすりの対策は出来るが、防御対策をしていないのでミサイルA2自体のダメージが低くなりやすい
課題
戦車脚部でハードハンマーを成立させられる可能性は十分にある。その場合はハードハンマー役の脚部を弄る手間が省ける
ミサイルを二丁持って、リーダーの特定だけする構成は要検証案件
速度などの諸々を犠牲にして、より安定する形への構成と戦法の変更
(攻撃役、補助・壁・回復兼任、壁役での構成など)安定性を完全に犠牲にして、全員で攻撃する型は実用的な形になるのか
おわりに
最終的にリーダーサーチシステムを活用できる形に出来たことは、嬉しく思っています。他にも見落としている戦法や構成、優秀なパーツはあるでしょうから、そういったものを見つけたらまた実用化を頑張ってみます。