2020.02.28. CRYAMY
CRYAMY
”月世界旅行記” @仙台MACANA
Guest:w.o.d. / 時速36㎞
コロナウイルスの流行により、各地でライブが中止されている。CRYAMYは中止とか考えなさそうだと、行く前提で待っていたら、案の定決行。整理番号は30番前後で2列目行けたらいいほうだろうと思っていたら、ちょうど私の前にいた方が隣を開けてくれ、最前ど真ん中で見ることができた。運が良すぎる。素晴らしかった。3バンドみんな素晴らしかった。こんな状況でライブをしてくれてありがとう。
トップバッターは時速36㎞。ライブを始める前に、今日来れない人、来ないという選択をした人も大切に思っていると言っていたことが印象に残った。とても人を大切に思うバンドなんだと思った。何が大切だとか、何が正しいとかわからないが、ライブに行かなきゃと思って集まった私たちに響く言葉だった。
音源よりもとても良いライブだった。非常に申し訳ない言い方なのだが、時速は音源での衝撃はあまりなかった。それが覆された良いライブだった。衝動もあっただろうけど、ひとつひとつの曲に込めた想いがとても強く感じられた。
「スーパーソニック」から始まり、「夢を見ている」で終わった。「七月七日通り」を途中でやったことは覚えてる。「素晴らしい日々」もやってたかな。
続いてw.o.d.。スリーピースかつマイクは1本とは思えないくらいの、音圧。3人ともの技術が際立っていたというか、この3人じゃないとできない音楽だった。音はでかいし、本当にかっこよかった。
w.o.d.の音楽に関しては、1stアルバムのようなバキバキな曲たちよりも、2ndアルバムのような少しポップになった曲?がとても好きだった。それでも、どの曲が良いとかどうでもよくなるくらい、すべてがかっこよくて、全部好きになった。
口数は少なく、想いとかはあまり語らないけれど、「音楽がとても好き」だと言っていて、ライブを楽しんでしていることが切に伝わってきた。どの曲だったか覚えていないけれど、サイトウさんがギターを間違えて笑っていたのが印象的だった。楽しそうだった。演者が楽しんでやるライブが一番良い。
個人的に「1994」がとっても好きなので、感動した。一番好きな曲だ。最高だった。ライブで聴けたのが、とても大きい。
3マンライブなので、40分程度という短い時間だったが、10曲詰め込んでやってくれて非常に良かった。感動の連続で一瞬だった。w.o.d.また見たい。
やった曲(だいたい順番通りのはず)
0 / HOAX / 丸いを真理を蹴り上げて、マリー。 / Mayday / lala / サニー / Wednesday / スコール / Fullface / 1994
そして待ちに待ったCRYAMY。CRYAMYのライブは怖い。エネルギーが強すぎて受け止めきれていない気がしてしまう。前回のPK shampooとのツアーでは、危うさが大きく、すぐに解散してしまうのではないかと思っていた。それくらいギリギリなバランスで保たれているようなバンドだった。今回のライブを見て変化を感じたのは、安定感だ。もちろんカワノのやりたいことや、ふるまいはあまり変わっていなかった気がする。それでも、バンドとしての成長をとても大きく感じた。「#3」を初めて聴いた時の感覚と似ている。「#2」「crybaby」と比べて音源としてとても良くなったと感じた。バンドとしての精度が上がったように思えた。このまま、カワノを支えて、バンドとしてどこまでも行けるような気がした。いいバンドだ。
ノイズに乗った「月面旅行」から始まり、いきなりの「プラネタリウム」で度肝を抜かれた。個人的に「プラネタリウム」は2019年発売曲のベストソングだったので、感極まるかと思いきや、圧倒されて終了。難しく技術のいる曲じゃないかもしれないけど、まっすぐにストレートに表現している素晴らしい曲だと改めて思った。なんとなく「プラネタリウム」は終盤にやると思っていたので驚いた。
「テリトリアル」が始まったと同時にフロア後方まで飛んでいくような勢いでカワノがダイブした。それをきっかけに観客は大盛り上がりで、最前にいた私は、柵と人に挟まれてあばら骨がなくなった。カワノの言動一つで観客の雰囲気が一気に変わる。すごいエネルギーのフロントマンだと思う。カワノも後々MCで述べていたがマネージャーのアイダさんはすごい人だと思った。カワノが飛び込んだと同時に駆け付けて回収して、マイクスタンドを直す、危なそうなコードをすぐに整理する、など仕事量がすごい。ライブを見ているとメンバーだけに目が息がちだが、スタッフのありがたみを今一度感じた。このような状況でライブができるのは、スタッフが諸々と考えて助けてくれているからだ。
終盤の「crybaby」がとても良かった。一瞬で終わる曲だが、そこにCRYAMYのすべてが詰まっているような、とても好きな曲だ。この曲で何かを感じたのか、メンバーを集めてセットリストを変更したようだった。そして演奏された「ディスタンス」は、圧巻だった。チューニングは結構ずれていたし、演奏はめちゃくちゃな場面が多々あったが、その場でやると決めたこの曲に対する思いはとても強いのだろうし、言葉では表せられない感情は確かに受け取ったと思う。
どのタイミングのMCだったかは覚えていないが、カワノのMCが印象に残った。
1番じゃなくていい。いつでも聴いてくれなくていい。ただ、寂しいと感じた時に、我々を必要だと思ってくれた時、それが5年後10年後であろうと、我々はこの場に立っている。
細かい言葉は違う気がするが、こういうことを言ってくれた。とても感慨深かった。音楽に一番を見つける必要はない。それでもこの曲が、このバンドが一番だと思う瞬間はある。でも、その時、その状況で1番は変わる。このような生活の中で、私にとって、CRYAMYが必要だと思う時間は今までもあったし、これからも必ずある。それを肯定してもらえたような気がした。音楽とはそういうものだし、これからもこうやって音楽を好きでいたい。
最後に「ten」でまたカワノがダイブして、また観客はめちゃくちゃになって、本編は終わった。
アンコールで「世界」。一番良かったかもしれない。うまく言えないけれど、感動した。
総じて、このライブはとても良かった。世間と逆走するような状況だったけれど、リスクをとってこのライブを見に行ってよかった。CRYAMYがいつか消えてしまうような不安はなくなった。これからどんどん進んでいってほしい。大きい箱でやるようになろうが、ファンが増えようが、根幹は何も変わらない。別に、進まなくてもいい。どうであろうが、CRYAMYは私のためにずっと歌ってくれる。そう思えるライブだった。ライブはめちゃくちゃな部分も多いけれど、伝わるものはきちんと伝わった。いいバンドに出会えたと心から思う。
やった曲(中盤の順番がめちゃくちゃ)
月面旅行 / プラネタリウム / テリトリアル / 正常位 / easily / sonic pop / Pink / crybaby / ディスタンス / ten
en- 世界
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