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2024年現在最新版FAA ATPL取得への道標

現在国内航空会社で国内線、国際線の副操縦士として従事しながら、将来的に海外エアラインへの転職を目標としている空飛ぶくまと申します。

この記事では最近アメリカでFAA ATPLを取得した実体験から、

①最も確実に、かつ全米最安水準でFAA ATPLを取得できる訓練校
②渡米までに必要な手続き及びその所要期間(2024年現在ではコロナ禍とは違います、最新情報です)
③訓練スケジュール
④筆記試験対策
⑤(超貴重)口述試験の過去問(試験官もこれを見ながら出題してきます)
⑥実技試験の科目一覧
⑦現地の生活風景

等のネットで調べても手に入らない情報を主に公開します。

〜なぜFAA ATPLを取得するに至ったか〜

海外エアラインに転職し、パイロットとして世界で生き抜く力とより良い報酬を手に入れるため。

皆さんもよく知る通り、日本は深刻な少子高齢化に直面しており、2030年には日本の総人口の3分の1が高齢者(65歳以上)になると予測されています。
少子化に伴う労働力の減少や社会保障負担の増大のみならず、長年にわたる政治の腐敗や汚職が経済の成長を阻害し、技術革新や経済競争力の低下はもはや避けられず、日本が今後先進国から後退する可能性はかなり高いと考えています。

また、先進国で唯一過去30年間に渡り賃金の上がらなかった日本では、パイロットの給料も今後世界水準から更に離されることになる可能性が高いでしょう。
更に今後世界的にパイロット不足が深刻化することは避けられず、コロナ前以上に高額な報酬でのパイロットの引き抜き合いが加速すると見ています。
この波に乗り、副操縦士として若いうちに海外エアラインへ移り、キャリアを形成していきたいと考え、FAA ATPLを取得するに至りました。

〜海外エアラインの採用条件と待遇一例〜

現時点で実際にどのくらい海外エアラインと給与に差があるのでしょうか。
パイロットなら一度は憧れる(?)エミレーツ航空を一例に見てみます。

副操縦士の採用条件(2024/1月現在)としては
For Boeing
2000hrs on aircraft>20t
For Airbus
2000hrs on aircraft>50t
1000hrs on Boeing or Airbus
150hrs within past 12 months
ICAO or FAA ATPL with class1 medical issued by the same authority)
航空英語能力証明Level4以上

となっており、ATPLさえ取得すれば一部の地域航空会社を除いて本邦航空会社で乗務していれば十分に満たせる条件です。

肝心な給与と手当に関しては

Monthly Fixed Pay 8533 USドル/85時間計算(現在のレートで約123万円)

Flying Pay
85時間を超えた分については150 USドル/hr

子供の教育費補助(〜3人まで)
小学校13000USD/year
中学校20000USD/year

家賃、光熱費は会社持ち

となっています。

また、中東は無税ですので、給与=手取りとなり、日本でこの額を稼ぐとなると年収で約2400万円となります。
教育費や家賃がかからないことを考えた場合2700-2800万円くらいには値するのではないでしょうか。
日本ではJAL ANAの機長でやっと稼げるかどうかという額です。
また、エミレーツでは子供の医療費や、歯医者も会社負担であり、ドバイの高級ホテルやレストランで大幅な割引が効く社員カードも渡されるそうです。
さらに、中東ではサウジアラビアが二つ目の国営フルサービスキャリアとしてリヤドエアを立ち上げ、既に787を121機発注するなど桁違いのスケールで成長しており、中東のパイロット需要は今後も増えていくと見られます。

上記はあくまで一例であり、エミレーツよりも高額な報酬でパイロットを採用している会社も存在します。

とはいえ、勿論人生はお金が全てではないということは言うまでもありません。

外国で暮らすということは日本での安定した生活を捨て、外国人として生きていかねばならないと言うことです。国によっては日本のように労働組合はなく、簡単にクビを切られます。
生半可な覚悟では到底不可能であり、家族の理解が得られるかということも重要になってきます。

〜訓練校選び〜

さて、本題に入りますがATPLを取得するにあたりまず悩むのがどこの訓練施設で取得するかということです。

私の周りの日本人パイロットでも200万円以上かけた末にCheckrideでFailという悲惨なことになった人もおり、大金と時間をかけて渡米するわけですから、非英語圏パイロットでもFail率が限りなく低く、かつ安くATPLを取得できる訓練校を選ぶことが大切になってきます。

全米にATPLを取得できる訓練校は30校近くあり、訓練校によって訓練費用が異なるだけでなく、チェックライドの難易度や選択出来る機材も変わってきます。

また、訓練校によってはサイトには訓練費用が載っておらず実際にコンタクトを取らないと正確な費用を教えてくれないところも多くあります。

様々な訓練校とメールや電話のやり取りを重ね、一から自分に合った訓練校を選ぶにはかなりの時間と労力がかかるため、最小限の費用と労力で確実にライセンスを取得したい方は是非ご購入いただき、最後までお読み下さい。

また、FAA ATPLを取得するにあたり、ほとんどの日本人はATPL取得のために50〜100万円以上余計なお金を払っています。どうすれば最小限の出費で取得出来るかも後述します。

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