なつかしい西宮駅前
黒艶の、猫ちゃん
なつかしいような家の門を、
下からすり抜けた
ここは西宮駅前
阪神タイガースの
甲子園のとなり
歩いて歩いて
ここまで着た
まさかあの頃
日本の最西端に住むようになるとは
しかもスイートハニーと結婚し
関西からも、関東からも、遠ざかるとは
思ってもいなかった
昨日も
今日も
蝉が鳴いてる
何か、
叫んでいる
そこまで叫ぶ理由
無意味なら、鳴かない
だから
人には解らないが
ことば
あれは
賛美
大地の賛美の
いちパート
だったんではないか
車の行き交う
大路の前に
ゲストハウス
ここは都会の
シンセな、
蝉と車と、空調音
ゲストハウスの
控えめなドアの音が
人の動きの始まりを見せる
創世記1章
絶え間なき
車道音と蝉との
ハーモニー
大地のオーケストラ、賛美
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