ハンドトリートメントを久しぶりに。
美容のお仕事をやめてから半年以上経った。それでも私が以前していた仕事について強い関心を寄せてくださる方がいて、『一度受けてみたい』とのこと。
もちろんフェイシャルトリートメントやマニキュアなど大掛かりなことはできないので(既に仕事で使う物品や化粧品を処分してしまったし)、ハンドトリートメントでよければ・・・と条件付きで引き受けることにした。
2015年からハンドトリートメントを人に教え始めたが、振り返ってみると色々な生徒さんと出会った。手の冷たい人、温かな人、心と心で自然につながることができる人、トリートメントの順番にこだわりすぎて相手を置いてけぼりにする人、人の辛さをもらって来ちゃう人などなど・・・・。生徒さんも色々なタイプの方がいたし、私も人に教えることで自分自身のハンドトリートメントをブラッシュアップしていった。
私がプロとして初めてハンドトリートメントをした時のことを思い出す。知り合いからの依頼でご自宅でさせていただくことに。
約20分、私とあなた・・・・。ただその時間を大切にしながらハンドトリートメントを行った。
終了するとその方の目から涙が溢れ、その感情が言葉にできないと仰る。私自身もその方のトリートメント時に見た映像を思い出すたびに今でも涙が出るのだが、不思議なことに私たちは同じ映像を心の中で共有していた。私たちは手を通して心がつながっていたのだ。
その方はその時の感動をご家族や友達に話そうとするたびに、途中で涙が溢れてきて最後までうまく伝えられなかったという。その感動を胸に自らもハンドトリートメントを学ばれた、とても素敵な方だった。今は虹の向こう側で優しく微笑みながらたくさんの方を見守っていらっしゃると思う。
私のハンドトリートメントが特別なのではなく、人は皮膚に優しく触れられることで心が解放されることがあるということだ。
以前の記事で書いた以外でも、ハンドトリートメントを通して私はとても不思議な体験をした。ずっと心に蓋をして、これまで誰にも語らなかったことを話し始める方が何人もいらっしゃったのだ。
私がすごいテクニックを使っているわけではない。もちろんコツはあるのだけれど、一つあげるとすれば「結果を求めない」ということである。例えばハンドトリートメントをして肌が保湿されるとか、綺麗になるなど。
あなたと私で、この時間を大切にする
たったこれだけのことだけれど、このご時世、結果や成果を求めず、誰が自分のために20分の時間を割いてくれるだろうか?
そして何よりも「いつでも話をしても大丈夫」という安心・安全を示していくこと。自分がそれに値する人間であるかはわからないが、少なくともそうなれるように努力はしてきた。
そのハンドトリートメントを半年以上ぶりにするので、少し緊張をしている。でもきっと心配しなくても、すぐにそのモードには戻れると思うのだけど(なんせ何年も毎日してきたことだから)。この出逢いにどんな意味があるのか私にはわからない。ただ、以前のように「あなたと私」の時間を楽しんでこようと思う。
それでは皆さん、素敵な週末をお過ごしくださいね!
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