ピアノ。
先日のクローズアップ現代+で、今年のショパン国際コンクールで2位と4位に入賞を果たした反田さんと小林さんを特集した番組を見た。
二人の弾くショパンを聴いていたら、自然と涙が止まらなかった。
以前母が、「辻井伸行さんのリストをコンサートで聴いて涙が止まらなかった」と言っていたが、本当にそういうことってあるんだなぁと思う。
母が音楽好きで、私は小さい頃からよくコンサートに連れていってもらっていた。まだ10歳にもならない時に、同じくショパンコンクールで入賞をした中村紘子さんのコンサートに行った。初めて生で聞くショパンの曲に、子供ながらにとても感動したことを覚えている。
といっても私はピアノを習うわけでもなく、バレーボールばかりしている少女だった。
もちろん楽譜も読めない。高校の音楽の授業中、コールユーブンゲンというドイツの合唱練習書で歌う時間があるのだが、全く楽譜が読めないのでいつも音を外していた。隣の友達も似たり寄ったりで、2人で音を外しまくっていた。それが面白すぎて歌が歌えなくなるほどだった。
こんな私なのに、中学3年間ずっと校内の合唱コンクールで伴奏をさせられた…。これがとんでもなく苦痛だったのである。隣のクラスには小さい頃からピアノをやっていた女子がいて、その子のクラスが毎年勝つという方程式。「いつも合唱コンクールで勝てないのは、アイツのせいだ」と陰口を叩かれていたことも知っていた。
だが考えてみてほしい。楽譜すら読めず、ピアノを習ったこともない人がピアノを弾いたのだよ(しかも3年間も)
なんでピアノが弾けたかは自分でもわからない。小さい頃の特殊能力というか、ただなんとなく弾けたのである。楽譜が読めない代わりに、リズムやテンポを覚えて弾いていたのだと思うが、自分でも本当に理解できない。今思えば課題曲が「大地讃頌」とかじゃなくて本当によかったよ。
ピアノについてはその辛い思い出があるので、中学卒業以来触っていない。
ただピアノは弾けないが、ピアノ曲を聴くのは好きだ。
同じ曲でも、弾く人によってきっと感情の乗せ方も伝え方も違うのだと思う。楽譜の解釈も十人十色だと思うし。それを、先述した入賞者お二人の演奏を聴いていて思った。魂を振るわせる何かが音に乗ってくるのだろうなぁ…♬〜♩〜♪
そういう意味で私の合唱コンクールの伴奏はただ弾いていただけなので、気持ちなど当然のっていなかった。
この歳になって「ちょっとピアノ習ってみたいなぁ」と時々思うことがある。それはピアノが好きというよりも、自分で演奏しながら好きな歌を歌えるようになりたいという願望があるから。
その前に歌を習ったらどうか・・・と考えている今日この頃なのである。
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