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よわいはつよい
私は小さい時から「もっと強くなりなさい。」と言われて育ちました。
強くなる
を、幼い私がどう解釈したかというと、
・泣かない子になる
・ハキハキした子になる
・我慢する
・辛くたってがんばる
でした。
だけど私は大人になっても泣き虫でした。すると「もっと強くなりなさい。」と怒られました。
話は少し変わりますが、最近アスリートのメンタルヘルスの話題をよく耳にします。きっかけは水泳でオリンピックに出場した萩野公介選手です。
私たちは「アスリートは皆、強靭な肉体と、それと同等の強靭なメンタルを持っている。」と思いがちです。
しかしこの記事を読むと、アスリートには精神的な負荷がかかっていることがわかります。特に萩野選手のようなメダルを期待された選手は、数々のプレッシャーに打ち勝たなければならないのです。そして昨今問題視されているのが、SNS上のアスリートへの誹謗中傷ではないでしょうか?それらに対し声を上げている選手も出てきていますが、アスリートの置かれている状況は過酷と言えます。
ある時私はこんなサイトを見つけました。
よわいはつよいプロジェクト。
これは、日本ラグビー選手会とメンタルヘルス専門家チームによる共同プロジェクトだそうです。アスリートのメンタルヘルスに関する啓発活動を行い、心の不調に悩むアスリートの支えになるような情報を発信。そして誰もが弱さをさらけ出せて、弱さを受け容れられる社会になることを目的としているそうです。(公式Twitterより)
このホームページには興味深い結果が報告されています。
日本ラグビーフットボール選手会との共同で、ジャパンラグビートップリーグの男性選手を対象にメンタルヘルスの状況について調査(登録選手600名のうち251名が参加[回収率は41.8%]。2019年12月~2020年1月に実施)しました。なお、回収率の41.8%は、国内のメンタルヘルス調査としては平均よりやや高い数値です。強じんな肉体で果敢にぶつかり合うラグビー選手たちの姿からは、メンタルの不調から程遠いように思えますが、この調査からトップアスリートたちが置かれた深刻な状況がみえてきました。
なんと12.5人に1人が死を考えるほど追い詰められていたという報告に驚きました。
このプロジェクトには他にも多くの元アスリートが賛同の声を寄せています。
その中に元バレーボール選手である益子直美さんが名を連ねています。私が小中学生の時に大好きだった選手です。
彼女は自身の経験から『一般社団法人 監督が怒ってはいけない大会』という団体を設立しています。
中学生の頃にバレーボールをしていたと以前書きましたが、私たちのチームはよく県内1位2位の高校と練習する機会がありました。
高校生の練習を見ることも多かったわけですが、監督は選手がミスをすると、壁に吹っ飛ぶほど選手にビンタをするのです。先輩たちはそれに抗議をすることなく、必死に耐えていました。あの時は「あそこまでしないと強くなれないんだ。」と思っていましたが、今考えると暴力ですし、そんなことをしなくても強くなるチームを作らなくてはならなかったのです。
監督に怒られないようにどんどん萎縮する姿が子供の目にもわかるほどでした。
どんなに体を鍛えていても心が強いとは限りません。心の調子が悪いこともあるし、暴力を受ければ当然傷つきます。アスリートも私たちと同じ人間。ストレスやプレッシャーを感じるのは当然のことと思うのは私だけでしょうか?
さて、話は私のことに戻ります。
「強くなりなさい。」と言われ続けてきた私ですが、さまざまな経験を通して「自分の弱さをありのままに受け入れる」ことを学びました。
時には私の繊細さや真面目さをマイナスなこととして扱う人もいましたし、自分もそれがいけないことのように感じていました。
noteで何度も書いているように、私はメンタルに不調を抱えています。自分1人ではどうしても抱えられない時もあるし、孤独も感じます。
しかし今はそんな自分が前よりも好きです。
なぜか?
自分の最も辛い過去に正面から向き合ったからです。
そして今は辛い時に助けを求めることができるようになり、弱さすらも自分のものとして受け入れています。
私は、繊細な心の感度をこれからも落とすことなくいようと思っています。それは人には感じ取れない何かをキャッチする力だからです。
私に「強くなりなさい。」と言っていた人たちに言いたいです。
私は弱さを受け入れて強くなったよ、と。
まちがいを認めること。
嘘のない自分であること。
まわりの目をおそれないこと。
孤独とうまく付き合っていくこと。
そんな自分のよわさに真正面から
向き合うには誰だって勇気がいる。
誰もがよわさをさらけ出せて、
よわさを受け容れられる社会へ。
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