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日本にロックフェスを『夏の風物詩』にしたのは間違いない

毎年茨城県にある国営ひたちなか海浜公園で行われていたROCK IN JAPANフェスが今年も中止になった。

まぁ…非常に残念なことだけど、野外とはいえ密が避けられず、大声を出す場でもあり、地元の方の不安を思うと仕方がないと思う。一方で開催に向けてあらゆる対策を講じてきた主催者側の無念を思うと、一度でもあのフェスに参加したものとしては、やっぱり残念としか言いようがない。


日本では、吉田拓郎とかぐや姫のというフォークの二代巨塔が、つま恋でオールナイトで行ったコンサートが『夏フェス』の元祖と言われているらしい。


しかし私にとって夏フェスは、FUJIROCK(苗場)、RISING SUN(北海道)、そして、ROCK IN JAPAN(茨城)だ。

FUJIROCKは今や世界に誇る音楽フェスだ。フジロックに何度も参加した私の友達は、「寒いしボロボロになるけど、最高!」といつも語っていた。2016年にはノーベル賞を受賞したボブ・ディランが出演し、多くのファンを熱くさせた。私は映像で1999年のハイロウズのフジロックライブを見て、「ここに自分もいたかったなぁ!」と思えるぐらいすごいライブだった。(悪天候の中行われた、伝説のフェス)

ただ洋楽をほぼ知らない私には、FUJIROCKの敷居は高い。

と思ってライジングサンに行ったけど、遠いし、寒いし、それこそボロボロになって帰ってきた笑。

やっぱり楽しいロックフェスの思い出は、ひたちなか海浜公園にある。

はじめて参加したのが2003年で、そのあと2005、2006年と友達を誘って参加した。

この頃はまだ2〜4つのステージとDJブースしかなく、のんびりしていた。

木陰で友達とレジャーシートを敷いて、昼からビールを飲み、屋台で茨城の美味しいものを買ってきて食べ、遠くから聞こえて来る音楽を聴きながらのんびり過ごし、お目当てのライブでは弾ける!というのを2〜3日続けるのである。

なんて平和で楽しいんだ!

普段コンサートチケットの入手すら難しいアーティストを間近で見れるチャンスがあったとすれば、それはロックインジャパンだったのだ。

私が行った年は、サザン、ミスチル、矢沢永吉など本当にすごいアーティストが出ていたけど、実はあんまり覚えてない笑。矢沢永吉に至っては、DJブースで騒いでいて見にいけなかった。えいちゃんを見に行った吉井和哉大好きっ子の友達が、「タオルが本当に舞っていた」と言っていた。『地球は青かった』に匹敵する名言である。

そんな私がロックインジャパンでベストアクト!と思えたアーティストを5つあげたい(あくまでも個人の感想です)

1. 奥田民生
私をはじめて誘ってくれた友人が奥田民生の大ファンだった。レイクステージにギター一本で現れた民生が、歌い始めるとみんな静かに聞き入っていた。夕暮れどきで涼しい風が頬を撫でていったことを今でも覚えている。

2.サンボマスター
「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」をグラスステージで聞いた。「愛と平和!愛と平和!悲しみで花が咲くものか!」と歌っていたサンボマスターはめちゃくちゃかっこよかった。その日はちょうど8月6日の広島に原爆が落ちた日だったのね。そんな日に愛と平和の大合唱。映像見るとグッとくる↓

https://youtu.be/T0m_ZreWnSI

3.氣志團
「木更津キャッツアイ」初登場時から気になっていたバンド。爆笑だった!ちなみに木更津キャッツアイを書いた工藤官九郎のバンド、グループ魂も私好み笑。どうしても阿部サダヲが投げる青いスリッパ(ギターのピックがわり)がほしくて、ライジングサンでは最前列あたりにいたが、あのスリッパはなかなか手に入るものではない。ロックインでは遠すぎてスリッパにも届かず…。

4.東京スカパラダイスオーケストラ
フェスで最も好きだったと言っていいバンド。気がついたら知らない人と肩を組んでみんなで輪を作って踊っていた。あんな経験はもうできないと思うくらい楽しかった。

5.ウルフルズ
トータス松本の歌がえげつないほどうまかった!SUNSUNSUNを歌い、大盛り上がり!


他にもCoccoやPE’Zなど印象に残るライブはあるが、若いうちにフェスに行っておいてよかった。今なら暑さで体力がもたない汗


先日長電話した友達ともその話になり、未だにフェスTシャツを持っているという。

うちの母はライブに行ってないのに、サザンのTシャツを買ってこいとうるさくて、私がお土産に買っていった。たまに実家に帰るとサザンのTシャツを着ていてびっくりしたものだ。


ROCK IN JAPANは、私的には「初心者でも参加しやすいフェス」だったように思う。そして、ジャンルを問わず沢山のアーティストが参加して、フェスを日本の『夏の風物詩』にしてくれたと感じるのだ。花火や盆踊りだけじゃない、日本の夏にはフェスがある、その一つがROCK IN JAPANである。

今年のROCK IN JAPANを楽しみにされていた方もいると思う。本当に残念だ。

すごく複雑な気持ちではある。

私たちはあとどのくらい我慢を強いられるのか。


40代、50代になって、同世代のアーティストも歳をとり、のんびりビールでも飲みながらフェスを楽しむ日が戻って来ることを夢見ている。



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zoé
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