陶器のおもちゃを割ってしまったことで「物を大切にする」ことを学んだ話
こんにちは。皇月ノエルです。
物を大切にしづらい現代人
「物を大切にしましょう」とはよく言われることですが、実行できている人は意外と少ないのではないでしょうか。
手に取った商品を、ぞんざいに棚に戻す。
物をテーブルに置く時の置き方が雑(割れ物を、大きな音を立てて置く)などなど。
物が溢れる現代。壊れたらすぐに新しいものが買えてしまうからこそ、「壊れてもいいや」「雑に扱ってもいいや」という気持ちが多くの人からにじみ出ているような気もします。
私は物、特に「われもの」を丁寧に扱うことを経験的に学んだので、基本的に物は丁寧に扱っています。
すべての物は誰かが丁寧に作ってくれたものであり、大切に使えば長持ちしてくれる、愛着の湧く品だと思っているからです。
割れ物の思い出
私がまだ3~4歳くらいの頃、家に「シルバニアファミリー」のお風呂セットがありました。
今は素材が変わったのですが、当時のお風呂セットの浴槽はなんと陶器。
ひやりとした素材感と重厚な重さがありました。
ある日、私がシルバニアで遊ぼうと思って小物を運んでいた時のことです。
何度もテーブルと物入れを往復するのが面倒で、両手に抱えられるだけの物を一気に運ぼうとしました。
結果、家具の積み方が不安定になり、あろうことか陶器の浴槽が床へ……。
ガチャン!
浴槽が床に当たると同時に、いくつかの破片に分かれてしまいました。
はっ!
割れた音も記憶にないくらいのショック。割ってしまった。きっと怒られる!
壊れた浴槽の前でおろおろする私(3~4歳)。
謝っても浴槽が直るわけではない。「あんなにもりもり運ばなければ良かった」と思っても浴槽は直らない。
正直に親に言いに行くしかないか……。
結果、怒られることはなかったのですが、この経験は私の心に残りました。
「陶器は落とせば壊れる」ことは、知識としては知っていた。
けれど実際に自分で割ってしまったことのショックは、とても大きいものだったのです。
物は大切に扱わないと、壊れてしまうんだ。
自分が壊してしまうと、こんなに取り返しのつかない気持ちになるんだ。
以来、物を慎重に扱うようになりました。
割れ物は「丁寧さ」を教えてくれる
大多数のおもちゃはプラスチックでできており、陶器よりはずっと頑丈です。
しかし、形あるものはいつか壊れる。
無理な力をかければ壊れてしまうのは、素材に関わらず共通の性質です。
少なくとも私はそう考えていて、割ってしまった陶器の浴槽をきっかけに、物を丁寧に扱うことを学びました。
子どもには、壊れにくいお皿を使わせる方が良いという見解もありますが、少なくとも私個人としては、ある程度の年齢になった子どもにも割れ物のお皿を使ってもらう方が良いと考えています。
雑に使っても壊れないプラスチックに慣れたら、「丁寧に」ってどういうことか? 学ぶ機会が狭まってしまうと感じるのです。
そもそも「丁寧に」という言葉は、「ちゃんと」「しっかり」と同じような曖昧なニュアンスを持っています。
「丁寧に使いなさい」と注意した方は的確なことを言った気になれるけど、言われた方としては「丁寧に」が具体的にどういうことか、理解しきれていないことも多そう。
そこに「○○を割ってしまった/壊してしまったことがある」経験があると、
「『丁寧に』って、壊さないように大切に使うことなのかな」という理解が生まれやすくなるのではないでしょうか。
おもちゃと食器は毎日必ず触れるものですから、そこに割れ物を取り入れて日々触れることは、多くのことを子どもに感じさせるのではないかと思います。
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