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【私の愛用品】万年筆「グランセ」(PILOT)

この万年筆で原稿を書き始めてから、もう8年くらいになる。

私の万年筆デビューは高校生の時に買った「カクノ」という品だったのだけれど、高校を卒業して、もっと本格的なものを使いたくて(カクノだって本格的ではあるが)、ショーケースの中に並んでいた万年筆たちの中からこれを選んだ。

万年筆は万年……つ、と思っていたが、改めて調べてみるとせいぜい10年が目安らしい。え、やばい、あと2年しかないじゃん。

確かに、数年前からクリップのところにサビが浮いているし、ペン先に黒いインク汚れがついて取れないな……とは思っていたけれども。

お気に入りの万年筆のペン先。程よい重さでするする書ける

もう他の万年筆なんて考えられない! くらいだし、仮に同じものを買い直したとして、今私の手元にあるグランセと同じくらい手に馴染んでくれるかどうか、全くわからない。

私は左利きなのだ。


グランセには特に記載がなかったはずなので、たぶんこれは右利き用。それでもなぜかインクがスルスル出て、私の快適な執筆を助けてくれている。

グランセの後に左利き用の万年筆を使ってみたりもしたのだけど、なぜかインクの出があまり良くなくて、相性悪いんかなと思って今は使っていない。私にはグランセが合っているみたいだ。


万年筆は英語で ”fountain pen” という。「噴水」とか「泉」とかいう意味の単語だ。「噴水ペン」。

これを「万年」と訳した人には文才を感じる。実際に万年は使えなくても。

あるいは万年筆という名が付けられた時代の人間の平均寿命は今よりもっと短くて、人生に占める「10年」の割合が今よりずっと大きかったのかしら……。などと勝手な想像を膨らませてみたり。

日本筆記具工業会のサイトによれば、日本で最初に「万年筆」というアイテム名が初めてチラシに載ったのは1885年とのこと。19世紀か。


私の次の万年筆は何になるだろう。
あるいはお気に入りのグランセが、10年以上ってくれるかもしれない。

先のことはわからないけれど、私の執筆歴の中で、グランセは重要な位置を占め続ける一品であるだろう。これからもよろしく。


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Jessie -ジェシー-
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