【私の愛用品】Midwinter社のカップ&ソーサー
愛用品と称してカップを紹介するのはこの記事で2つ目。
お皿も好きだけど、「かわいいな」と私の眼に留まるのはティーカップやマグカップであることの方が多いです。
そもそも何でこんなにカップ類が好きなんだろう。
思えばそのきっかけは中学2年生の冬休み。
おじいちゃんおばあちゃんの家に泊まっていた折におこづかいをもらえたので、その地域の本屋で『黒執事』を買いました。これが私のイギリス好きの始まり。
『黒執事』シリーズが私に与えた影響は数知れません。
それまでは、興味がないし、苦手だったから飲めなかった紅茶が大好きになりました。紅茶の品種を覚え、味の違いに気づけるようになり……。作中に登場する流麗なティーセットに魅了され。
カップやポットにはいろんなブランドやデザインがあるけれど、私が心惹かれてきたのは豪華なデザインのものがほとんど。ロイヤルアルバートとかウェッジウッドとか大倉陶園とか。
だからそれとは違う雰囲気を持つMidwinter社のこれに一目惚れした時、自分で自分に驚きました。
見つけたのは、好きなヴィンテージショップのインスタを見ていたときです。画像を見た私は直感的に「あ、これ買わなくちゃ、手元に置かなくちゃ」となぜか感じて、お店に急ぎました。
あとで調べてみて分かったことですが、Midwinter社とは1910年に設立されたイギリスの会社で、他にもかわいいデザインの食器をたくさん発売していました。
現在はウェッジウッド社に吸収されてクローズしているとのこと。
なんなら私が好きなロイヤルアルバートも、現在はウェッジウッドと同じ企業グループの傘下らしいです。有名ブランドも吸収合併されたり、グループでまとまる時代ということなんでしょう。
すっかり買うつもりでお店に赴き、実物と対面。
食器の底面に記されたロゴを見て、私は遅ればせながらその食器シリーズの名前を知りました。
Stonehenge
なぜこの食器に心惹かれたのか? 急に理解できた気がしました。
このカップに出会った頃、私は「アサシンクリード ヴァルハラ」というゲームを絶賛プレイ中でした。
アサシンクリードシリーズでは様々な時代と場所が舞台となりますが、ヴァルハラの舞台は10世紀イングランド。
ノース人(ヴァイキング)の主人公エイヴォルがイングランドに入植し、そこで物語が展開していきます。ストーンヘンジにも行けます。ゲーム世界のストーンヘンジは再現度が高いし、空の色や時間の移り変わりもあって綺麗な景色も楽しめます。
この物語世界には、「イス人」という種族による古代文明が存在したという設定があります。私はこのイス人の存在が大好きすぎるくらい好きなのです。
ストーンヘンジとイス人は関連づけられていて、その関連に気づいた時は鳥肌が立つくらい感動しました。
(どう関連していたかは書くとネタバレになってしまうので、気になった人はぜひ本編を遊んでみてください。
なんなら19世紀イギリスを舞台にした「アサシンクリード シンジケート」というのもあり、イギリス好きには2本合わせておすすめです。本当に楽しい)
そういう経緯があったので、自分が心惹かれたカップが「ストーンヘンジ」という名の食器シリーズであったことに深く感動したのでした。
すっかり買う気ではいたものの、やはりカップを買うからには使いやすさも重視したいもの。
ハンドルに指をかけて持ってみたり、手触りを確かめたり、全体を上から裏から眺めてみたり。
ヴィンテージカップを手元に置きたいと思ったのはMidwinterのものが初めてですが、手にしたカップは素朴な見た目に反して薄くて軽く、つるりとしています。
アンティークについての文章で「同じバカラグラスでも、アンティークのバカラの方が薄くて精緻。職人さんの技術の移り変わりが感じられる」的な記述を見たことがあるけれど、昔と今とでは陶器の作り方も移り変わっているのかもしれません。
物珍しかったのは、ソーサーの高台(裏側)にざらざらの面がなかったこと。全体がつるりとして手触りがいいのです。
今まで手にしてきた食器の多くは、カップもお皿も高台だけ少しざらついた手触りになっていました。多分滑り止めのためなんでしょう。
でもStonehengeは、全体が滑らか。
テーブルの上で滑りやすそうだなとは感じているので、使う時は下にランチョンマットを敷いたりして滑り対策をしています。
また店員さんによれば「この食器が発売された当時に存在しなかった技術(電子レンジや食洗機)は使用を避けた方がよい」とのこと。
使った後は丁寧に手洗いして、丁寧に拭いて棚にしまっています。
手持ちの食器の中でも異彩を放つ素朴な見た目だけど、何故だか食器棚に馴染んでいるStonehenge。
私はアンティークやヴィンテージのものは、長く人から人へ使い継がれていくものだと考えています。
いつか他の人の手に渡る時が来るまで、大切に使います。