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とても久しぶりの千葉ハウスへ🏠

今は、WELgeeに代わって管理してくださっている大里 綜合管理の皆さんが、ランチのみならずなんと歌まで用意してくださり、とってもあたたかいびっくりウェルカムをいただきました。



WELgeeは2017年のちょうどこのくらいの寒い寒い時期に行ったクラウドファンディングで、当時281人(!!)の方が支援してくださって、小さなシェルターの賃貸と一軒家の購入をしました。

まだ当時、全員学生だった我々は、ものすごい勢いで前に進んでいました。気合いと努力を体現したような、ベンチャー精神といいますか、体育会系の部活の合宿を24時間やってるような日々だった気がします。常にアドレナリンが出まくっていた👾

事務所に泊まり込み、議論し、現場に足を運び、作ったことのない資料を日々作り替えながらプレゼンに走り、できそうなことはすべてチャレンジし、お声がけには全部全力で向き合っていました。

あの頃は寝袋やハンモックで寝ながら、朝5時に閉まるラーメン屋さんに間に合うように帰ろう(!?)なんて話をオフィスでよくしていた日々でした。懐かしき20代前半。

当時に比べたら、いま私たちはなんと人間らしい生活をしているのだろうと笑ってしまうけれど、あの頃も、私たちは日々出会う「難民」と呼ばれる同世代の若者たちの持つ逆境パッションに突き動かされ、彼らが一歩踏み出すきっかけがほぼない日本社会にどうにか変革を起こせないものかという湧き上がる何かに突き動かされていました。

その頃は「難民ホームステイ」という、日本人の家庭に難民の若者たちが滞在するプログラムを手作りしていました。

『日本に第2のファミリーができる』…スローガン的には最高だったけれど、実際は「難民の人があなたの家庭にホームステイします!」というアイデアの日本での展開はとても難しかった。

アイデア通りは進まない。ひとつ前例を作るということさえ、難しい。それでも協力してくださるファミリーを必死で見つけ、10の都道府県で実施していました。あたたかい時間が実際に生まれてゆきました。

でも難民ホームステイのアレンジは、登録してくれた家族の面談と難民の人との面談、それぞれの意向すり合わせからのマッチング、双方が入ったオンライン顔合わせ、日程調整…で、1か月以上かかることが大半でした。

しかしあたたかいところで眠りたいのだという、緊急で寝床を必要とする人がいます。すぐに入居できるシェルターさえあったら、そこから難民ホームステイに繋げられる!と思いつき、オフィスの近くの物件をシェルターとして借りるためにクラウドファンディングを始めました。スタッフも泊まり込みのシェルター構想。そしたら、ありがたすぎることに開始10日で目標達成し、ネクストゴールを設定することになったのです…!

そこで浮上したのがこの千葉ハウス🏠案でした。

昼夜議論して、いろんな理想を詰め込んで、地方で難民の人が地域と関わりながら長く暮らせる家を作ることにしました。

空き家を住めるように、DIYで塗装やデッキ作り。パンフレットを持って隣近所を周り、難民の存在を知ってもらう。難民というより、「◯◯さん」という存在を知ってもらうことを目標にしました。

クラファン支援者さんも含め、実際に大勢が足を運んでくださいました。その後も何度か実施されたワークキャンプには、学生・社会人が様々な地域から参加して、難民の背景を持つ入居者と語り合いました。

車座になり、同じ目線で語り合う。同じ人間としてとことん向き合う濃い時間が蓄積される場所でもありました。

ただ、拠点、居場所、住まいを作るということは、始めることより継続のほうがずっと難易度が高い。当時のWELgeeには、力不足だったことも否めません。法人化するタイミングの膨大なペーパーワークに、難民ホームステイも、注力し始めていた就労プログラムも、少しずつ増えてった学校への出張授業も。

“選択と集中”なんて言葉と真逆の中で(認識はしてても)一度始めた新規プロジェクトに全力を注げる体制を整えることができなかったという反省もあります。

期待や思いが集まるからこそ、難しいこともある。
全速力で前に進むと、取りこぼしてしまうことも生まれる。

いま思うと、もっと組織基盤を整えてから乗り出すべきだったかもしれないし、経済的に持続する形を作ることを念頭におかなくてはならなかったかもしれないし、なにより普段は東京にいるメンバーと、ハウスで暮らすメンバーのもっと密なコミュニケーションが取れるようにするべきだったし‥と、書き出したらきりがありません。

就労プログラムに力を傾けてゆくためにも、当時の私たちにはすべてをこのまま続けることはできないと判断して、関わってくださった方々に参加していただき、一旦終了の報告会を開きました。これまで住んだ難民の人や、何度も訪れてくださった方などが様々なコメントを残してくださいました。

千葉ハウスと向き合った過程そのものが、私たちには大きな内省や学びを与えてくれて、あの場所を活用できてないことが、心のどこかでもどかしくたまにチクチクする。そんな存在だったのだけど、もしかすると、また小さく息が吹き込まれるかも。

みんなでDIYをして、夜な夜な語り合ったあの場所は、いろんな場面や瞬間を思い出させてくれました。いまも毎月管理してくれてるたけちゃん、ありがとう!

そして、完全なる荒削りだとしても、やたらでかいビジョンを掲げて勢いよく人を巻き込み前に進んでた頃の勇気をお前は忘れてないか?と問いかけてくれる不思議な空間でもありました。組織も生き物のように成長してく。ちょっと愛おしくなりますね。

ワークキャンプのときの模造紙や付箋が今も残ってます。

千葉ハウスからの報告は以上です!

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渡部カンコロンゴ清花(Jess) / NPO法人WELgee 代表
ここでいただいたサポートは、入国管理局に収容されている方々に面会で会いに行くときの交通費に使わせていただきます。ありがとうございます。