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小さな百合に「ごめんね」と言った話

少しだけ(いや、実はかなり)悲しかったお話。

 先日、夏に咲く寸前に折られてしまった百合の蕾と同じ場所に小さな百合の蕾があるのを見つけたことを書きました。

 今日、たまたまその場所を通る機会がありました。

 その近くまで行った時の「そういえば....」と思い出して、「咲いているの見られるかな?もう終わっちゃったかな?」と思って小走りに寄ってみたら...。

 花が見当たらない。小さな緑だけになっていると思ったら、なんと大きかった方の蕾は開花したようなのですがそのお花ともう一つの小さな蕾とが根元から切られて、石の陰に押し込まれていたのです。

 呆然としました。明らかに人の手によって折られている。

 前回は曲がり角なので自転車とかで間違ってぶつかって折れてしまったのかもしれないとも考えられましたが、今回は花がわざわざ石の後ろに押し込まれていて、人がわざわざ意思を持ってやらなければこうはならないようなものになっている。

 咲いている場所は土のないアスファルトの道端でほんの少し溜まった土に根付いて花を咲かせていたのです。


こんなコンクリートの割れ目に根を張って花まで咲かせていたのです。


 何で?一度ならず二度までもこんなことをするの?

 何もできずに通り過ぎて用事を済ませ、帰りにまた同じ道を通りました。

 もし、切られてまだ時間が経っていないのなら、家に持ち帰って生けたら小さな蕾だけでも救えないだろうかと思って手に取ってみましたが、咲いた方の花も汚れてしまっていて、もう茎に力がなく、挿しても立ち上がることが難しそうで、諦めてせめてその場で少しでも綺麗に見えるように置き直して手を合わせました。

 青空が眩しくて、久しぶりに気持ちがよかった朝にちょっと悲しい出来事でした。

蕾だった時の姿です。大きな蕾は開花していました。

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