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本との不思議な出会い方
以前にも書いたけれど、「本は紙」派です。そして買うのは95%リアル書店です。
読むのは好きなので、これがほしいと決めて探しに行くことも多いのですが、その時に一緒にふと目に止まった本を買ってしまうことも多いです。
書店では本と不思議な出会い方をすることがあります。
佐々涼子さんの「紙つなげ!彼らが本の紙を作っている」
東日本大震災の後、被災した宮城県の製紙工場が出版物を守るために生産を再開するまでのドキュメントです。震災の3年後、2014年に出版された本で、出版された直後にはいくつかの書評などで紹介されていて、書名自体はその頃から知っていました。
でも、その時は書店の棚にあるのを見ても、まだそれを読むのは生々しすぎる気がして手に取ることはありませんでした。
その後数年経って書店を訪れた時、天井まである書棚の最上段からこの本に呼ばれました。
もちろんこの本を買いに行ったわけではありません。その当時はもう出版から何年もたっていて、書棚で見かけることもほとんどなくなっていましたので、むしろ存在を忘れていたという状態でした。
それなのに、その時はなぜか最上段のそれも多くの本の間に1冊だけあったその本に目が行ったのです。
「今なら読める。読みたいかも」と思って手に取りました。
面白かったです。読み終わってすぐ、その前に書かれていた「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」を探して購入したくらいです。それ以来、佐々涼子さんの本は書店に行くたびに新刊が出ていないかと探すようになり、「エンド・オブ・ライフ」も出た直後に読みました。
その後しばらくまた静かな時期があり、先日、別の方の新刊を探すために書店に行った際、書棚を見ていたらちょうど目の高さの位置に出版されたばかりの「ボーダー 移民と難民」が...。もちろん購入しました。
これ以外にも、これまで読んだことのない方の書いた本だけどちょっと気になって最上段にあったその本を取ろうと手を伸ばそうとしたら、同じ本が目の高さの真正面にもう一冊あったとか(これは「読め!」ってことだなと思いました)。特に書いたい本はないけれど、通りかかったから入ってみた本屋さんで思いがけない本と出会うこともよくあります。
こんな楽しみ方があるリアルの書店店舗がどんどんなくなってきているのはすごく寂しいです。なくならないまでも、売り場の構成が文具や雑誌、コミックなどが大半で、通常の小説などさえもほとんどないものに変わってしまうお店も多くて、結局、欲しい本が書店にないからネットで注文してしまう。ますます店舗では本が売れなくなる...。
電子書籍が増えてきたこともあるだろうけれど、本は紙派の私にとってはとても寂しく、ネットで注文する場合でも書店の運営するネットショップで購入するというささやかな抵抗?を試みています(笑)。
※写真はみんなのギャラリーからTOMOさんのイラストを使わせていただきました。本が呼んでいる感じがぴったりのかわいいイラストですよね。ありがとうございます。