過去に失敗した自分≠現在の不安な自分
「何か不安なことがあるのなら、考えないようにする」「不安なことは気合でなんとかする」
こうやって、不安に対処してきましたか?もし上手く対処できていないと感じるなら、新しいアプローチを試す時かもしれません。
以前の記事で紹介したStudy Skills講座に「Test Anxiety(テスト不安)」という動画あります。そこで、不安に陥りやすい人に有用な「Three Big Fears(3つの大きな恐怖)」という考え方が紹介されています。
▲今回参考にした動画
※なお、私はanxiety(不安)とfear(恐怖)を同じ意味として扱います。内容を理解しやすくするためです。
▲Study Skills(勉強する技術)講座を紹介した記事
過去に失敗した自分≠現在の不安な自分
①a fear of repeating past failures(過去の失敗を繰り返すことへの恐怖):過去の類似経験での失敗を思い出して、再度失敗することへの恐怖
この恐怖に対処するには、次のことを認めること。
「過去の自分≠現在の自分」
そのうえで、過去の失敗を振り返り「自分はなぜ失敗したのか」を自問する。過去の失敗という問題の原因を探り、そして対策を考えるのです。過去の自分のコンサルタントになったつもりで、自分会議をしてみましょう。
失敗しそうな状況を複製せよ
②The fear of the unknown(未知への恐怖):不慣れな環境への恐怖
動画内では「都会に住む鳩は田舎の鳩よりも人懐っこい。なぜなら、人間は危害を与えないと経験から知っているから。つまり人間の行動が、都会の鳩にとって未知ではないから。」という例をあげています。
この恐怖への対処法は、問題となっている環境に徐々に慣れていくことです。
動画内では、試験本番に弱い人へのアドバイスをしています。そのアドバイスとは
「Replicate the situation(状況を複製せよ)」
テスト会場と似たような環境を作り出すのです。例えば試験会場が発表されているなら、実際にそこに足を運んでみる。または、試験本番のように静かな環境で予想問題を解いてみる等です。
このアドバイスを「新しくブログを始めたいけど、炎上を心配している人」に応用してみます。例えば、普段使っているアカウントとは別のアカウントでブログを始めてみたり、ブログの記事を信頼できる友人にだけ見てもらったり等の方法が考えられます。
失敗は終点ではなく、次の成長への始発駅
③The fear of the stakes(失敗できないことへの恐怖):失敗して、全てを失うことへの恐怖
例えば「就活に失敗して人生詰む」だとか「大学の単位を落としたら、一生友人にバカにされ続ける」などを心配することです。
この恐怖への対処法は、認識を変えることだと紹介されています。つまり「失敗=学習機会」だと捉え直すことです。失敗は終点ではなく、次の成長への始発駅なのです。
「恐怖を御する者こそが勇者である」
頭の中の思考は、どんどん肥大化しがちです。ましてネガティブな思考だとなおさら。何か不安を感じたら「Three Big Fears」のどれに当てはまるのか、少し立ち止まって考えてはどうでしょうか。不安を一旦可視化することで、不安を客観視できます。「あっそうか。自分はこういう点に不安に感じているんだな」と気づけ、きっと良い解決策が見つかるはずです。
最後に、南アフリカ大統領の故ネルソン・マンデラ氏の言葉を紹介します。
I learned that courage was not the absence of fear, but the triumph over it. The brave man is not he who does not feel afraid, but he who conquers that fear.
勇気とは恐怖を感じぬことではない。勇気とは、恐怖に打ち勝つことである。恐怖を感じない者ではなく、恐怖を御する者こそが勇者である。 (ジェリー訳)
辛い不安感を感じたら、専門家に相談しよう
動画内でも言及されている注意点です。強い不安感に悩まされている方は、自分独りで解決しようとせず、専門家に相談してみましょう。