アフタヌーンティーの歴史
アフタヌーンティーは、いつ頃始まったのかご存知ですか?
アフタヌーンティーの発祥はイギリスと言われており、1840年頃に第7代ベッドフォード公爵フランシス・ラッセルの夫人、アンナ・マリア・ラッセルによって始められたと伝えられています。
当時は、遅い朝食と、晩餐は夜8時ごろまでの間空腹に悩まされていたと言います。
そんな中、アンナ・マリアは、午後の4時ごろに空腹を紛らわせるため、お茶とサンドイッチや菓子を楽しむようになります。始めは夫人一人の楽しみでしたが、社交的だった彼女は、このひとときに他の貴族を招いて、ともに楽しむようになりました。
当時のイギリスは、ヴィクトリア女王の下で、貴族の作法やマナーが重んじられた時代でありましたから、現在のように、いつでも好きなように食事ができるわけではなく、またこうした慣習は簡単には変えられないものでありました。
出典:Wikipedia(ヴィクトリア女王)
しかし、アンナ・マリアが、始めたアフタヌーンティーは女性たちから大好評!
アンナ・マリアは、男性陣が狩りなどの娯楽で出かけてしまうと、女性客たちを応接間に集めて紅茶にサンドイッチやスコーン、ケーキといったティーフードを添えてもてなしましたが、これが大評判になり、上流階級の人々の間で流行することとなります。
アンナ・マリアは、側近を務めていたこともあってヴィクトリア女王と仲が良かったため、ついに女王もアンナ・マリアのこのもてなしを大変気に入り、自身も宮廷内で彼女のようにアフタヌーンティーを始めるようになりました。
この習慣がアフタヌーンティーの発祥と言われています。
ところで、アフタヌーンティーといえば、3段重ねのティースタンドに華やかに並べられたお菓子やサンドイッチを思い浮かべる方、多いのではないでしょうか?
実は、あのティースタンドはアフタヌーンティーが始まった頃と同時期に登場したものでした。
当時、邸宅に住む貴族たちは、ダイニングと応接間を別々に持っており、裕福さを誇示する意味もあって、応接間でちょっとした食事を出すときには優雅な応接間に合うよう、機能性よりデザイン性を重した小さなテーブルを用いていました。
そのため、お茶に添えるお菓子などは少しずつ順番に運ばせていましたが、お客によって食べるペースは違いますから、狭い場所にもあらかじめたくさん置けるよう、縦のスペースを活用できるスタンドが登場したというわけです。
ちなみに、このティースタンドには、下段にサンドイッチ、中段にスコーン、上段にケーキ、、、といったように並べられるのが定番ですが、一緒に食べる方とタイミングを合わせながら、下から順に食べていくのが基本なのだそうで、一度次の段に移ったあとで元の段に戻るのはマナー違反とされたのだそう。
今ではそこまで厳密に構えることはないかもしれませんが、当時の貴族たちの気分になって食べてみるとより楽しめそうですね!
一方、アフタヌーンティーに出される肝心の紅茶は、インドのダージリン、スリランカのウバ、中国のキーマンという世界三大銘茶が主流ですが、最近ではハーブティーやフレーバーティーのほか、緑茶や中国茶など、お好みのお茶を楽しむのもありだそうです。