頑張って育てても思い通りにはならない
”頑張って育てても思い通りにはならない”
これは私が2018年3月に初めての出産を経験し、退院する前日に助産師さんに言われた一言でした。
初めての出産。
我が長女は、最後まで逆子が戻らず、結局予定日より二週間前に帝王切開で出産をしました。
初産で帝王切開ということもあり、通常よりも1~2日ほど長く入院していました。
入院中は傷の治りも良好でしたので、通常通り、授乳の仕方からオムツの変え方、沐浴の仕方など、手取り足取り助産師さんや看護師さんに教えて頂くのですが、
新米ママになりたての私は、ドキドキしながら教わっていました。
産科の先生もそうですが、助産師さん達も本当に大変なお仕事だと思います。
病院ですから当然夜勤や早番など、出勤シフトもあるのでしょう。
数人の助産師さん達が毎日入れ替わり立ち替わり、私と生まれたての長女の様子を見てくれます。
(今朝はこの人なんだ〜)
(あ、夕方だから担当の人が変わってる、、、)
そんなことを思いながら入院生活を送っていましたが、どの助産師さんも本当に優しい方達ばかりでした。
そんな中、なかなかキャラの濃いベテラン助産師さん(推定50代後半) が一人いらっしゃったのです。
その方は、優しいのですがいつもすごく歯切れ良くハキハキと早口で喋り、病室への出入りの時の勢いも強めで、
ご飯を食べるのが遅かったら、「はよ食べな下げるで〜!」とわざわざ病室に来て言われ、「すいません!笑」と言いながら頑張って食べていました。笑
嫌味な感じは一切無く、究極にあっさりさっぱりした方に見えました。
ですが彼女がシフトに入ると、他のスタッフの人達も少しピリッとしているのを感じていましたし、
私も入院生活が続くにつれ次第に、一緒にピリッとしていた気がします。笑
そんなこんなで入院生活も過ぎ、明日は退院の日となります。
夕飯が下げられてから、荷物を色々とまとめていました。
しばらくすると病室の見回りで助産師さんが入ってこられたのですが、その日の夜勤はキャラ濃いベテラン助産師さんでした。
入るなり、「明日退院やから忘れもん無いようにね!ゴミあるなら置いていき!」といつも通りハキハキと言われました。
私は、「はい!色々とお世話にになりありがとうございました!明日から退院して子育て頑張りますね〜!」
と、答えました。
するとその助産師さんは
「何言ってんの、頑張らんでええって!頑張ったって子供は親の思い通りには絶対育たんのやから!
あんたは自分が親の思い通りの人間になったと自分で思うんか?!ちゃうやろ?
赤ちゃんだって生まれた時からもう自分の人生始まっとんやから、
親はお金以外何も頑張る必要は無い。
まぁえっか〜くらいの気持ちで楽しんだらええんや!」
と、とても勢いよく喋って「ほなゆっくり寝なさいよ!」と勢いよく部屋を出ていきました。
彼女が出て行ってから、しばらく呆然と片付けの手が止まっていたのを覚えています。笑
私はきっと無意識に、「退院してからも子育て頑張ってね!」的な後押しと言いますか、応援される言葉をどこかで期待したんだと思います。
ですが思っても見ない返事と勢いに呆気に取られ、一人病室で笑ってしまいました。
それと同時に、「頑張ってね!」と後押しされるよりも、その “ごもっとも” な返しになぜかすごく安心しました。
翌朝、退院する時はその助産師さんにお会いしてご挨拶することはできなかったのですが、
こうして今でも彼女に言われたことを思い出すことがたまにあります。
あれからもうすぐ6年経とうとしています。
本当に子供を育てていると日々葛藤で、
こんな子に育ってほしい、あんな子に育ってほしい、という思いの中で試行錯誤しながら子供達と向き合っていますが、
あの時に助産師さんが言った通り、我が子も最初から親の思い通りの人間では無く、彼女達は小さいながらに立派に自分の意思を持ち成長しています。
親ができることなんて知れてる。
子供だって日々一生懸命学ぼうとして強くなろうとしているんだと思うと、
頑張ることをしなくとも勝手に成長していくんですね。
これからもまだまだ私の子育ては続きます。
こんなことを書きながらも、日々怒り、叫び、慰め、抱きしめ、毎日荒波の様な感情に振り回されるのだと思いますが、
たまにはこの話を思い出して、まぁえっか〜の気持ちで、彼女達の人生をサポートしていけたらと思います。
子育てを楽しみながら、子供達のために頑張って稼ぎます。笑