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「ルビーの指輪」~メンヘラ頑張れの巻~

元彼がカラオケでよく歌ってた。

男性ってこんなに、こんなに未練タラタラになるの?って思いながらもなんだか歌詞の主役であろう男性を愛おしく感じた。

私は元彼にとってこういう存在にはなれなかっただろうなー。

と、ふと思い耽る夜中に、
この曲の歌詞を考察してみることにしてみました。(妄想多めの問わず語りをお許しください)

早速!最初のフレーズがこちら。

くもり硝子の向うは風の街
問わず語りの心が切ないね
枯葉ひとつの 重さもない命
貴女を失ってから

ルビーの指輪/作詞:松本隆 作曲:寺尾聡

よく聞くサビの部分。
いきなりメンヘラくんの未練がズドン!
と伝わってきて切ない。

改めて読んでみたときに気になったのが2箇所。

①問わず語り
「問わず語り」ってなんだろう?とふと思ったのでネットで検索。
「人がたずねないのに自分から語り出すこと。またら、ひとりごと。」
なるほど...。
彼女という相手がいて、今日会ったことを話したり、未来について語り合っていた楽しいときは終わり、ひとりになってしまった。これが切なくて仕方がないのだろう。

楽しかった会話ほど別れの時期に幸せだった思い出しますよね。
いきつけの居酒屋とかごはん屋さんに行くと、その時の会話や相手の笑った顔を思いだしちゃうよね。

こういう未練って性別関係なしにあるのね。

②貴女
「あなた」「貴方」ではなく「貴女」を使っている。「貴女」は女性を敬って使う言葉。

たまに、別れた後、相手を恨む人がいる。
なんであんな人と付き合ってしまったんだ。
時間の無駄だった。などなど。
これって、嫌いになって次に進もうとしていることが多くて、頑張っている証よね。

でも、メンヘラくんはメンヘラくんで、本当に本当に好きだったんだろう。別れたとしても、尊敬できる人で、そんなことで尊敬の気持ちは消えないし、嫌いになんてなれないんだろう。
そこからの「貴女」という言葉のチョイス。

曲だけではなく歌詞の漢字までこだわっているのかな?と思うともっと歌詞の美学とかを読み解きたいなんて思ってくる。

***

ひとつひとつの言葉が念入りに考えられていて、なんて読み応えがある歌詞なのだ!!

そして次のフレーズがこちら。

背中を丸めながら
指のリング抜きとったね
俺に返すつもりならば
捨ててくれ

ルビーの指輪/作詞:松本隆 作曲:寺尾聡

情景が目に浮かんできませんか?
昔ながらの喫茶店。
いつものようにお茶をして過ごすと思いきや
彼女はうつむき加減。あれ、今日は何かが違う。
「うつむきながら」「下を向きながら」といったこれから起きることがマイナスでありそうな言葉ではなく「背中を丸めながら」と表現しているのは、これから起こることがマイナスなことではないと自分に言い聞かせて、選んだ言葉のようにも受け取れる。

いつもと違う彼女の姿に、
このあとの展開を察してはいたでしょう。

からのリング抜き取り!!!きつい...

返されても思い出してしまうだけなんよね!
だからといって自分には捨てることもできない。
メンヘラくん!わかるわかる!
もったいないけれども、捨ててくれるのが正解なんよ!彼女ちゃん、わかって!笑
(いや、今自分が男なら返してもらってメルカリいきかしら。)

そうね 誕生石ならルビーなの
そんな言葉が頭に渦巻くよ
あれは八月 目映い陽の中で
誓った愛の幻

ルビーの指輪/作詞:松本隆 作曲:寺尾聡

彼女が外したリングには思い出が詰まっている。
何もかもがうまくいっていたあの頃、彼女は楽しそうに、
「そうね、誕生石ならルビーなの」と言ったのだろう。それからルビーの指輪を渡して、愛を誓った。幸せだった。

別れるときに、過去の幸せな時間を思い出す。
これも、未練タラタラでフラれた人間あるあるですね。

そして現実に戻った彼が彼女に向けた言葉がこちら。

孤独が好きな俺さ
気にしないで行っていいよ
気が変わらぬうちに早く
消えてくれ

ルビーの指輪/作詞:松本隆 作曲:寺尾聡

メンヘラくん強がったーーー!!
「問わず語りの心が切ないね」と言う人が孤独好きなわけがないのよ。

少しでも自分の気持ちを先行すれば、別れたくないことを言葉にして迷惑をかけてしまう。
彼女の気持ちを優先して、戸惑わせることもせず、気にしないでと一言。よく言えました。
お姉さん、泣けてきましたよ。

「気が変わらぬうちに早く消えてくれ」は口に出したのかな...心のうちに留めたのかな。
最後は強めに言って、彼女側が決意を決めて帰りやすいようにあえてこの言い方にしたのかな。

くもり硝子の向うは風の街
さめた紅茶が残ったテーブルで
襟を合わせて日暮れの人波に
紛れる貴女を見てた

そしてサビ。
うん、喫茶店での別れ話だったんだね。
「襟を合わせて」は彼女は着ているトレンチコートを着物の襟を合わせるようにサッと重ねる。
この姿が、彼女の気を引き締めて次のステップに進んでいく姿を連想させる。

きっと自立した強い女性だったのだろう。
自分の選んだ道を突き進んでいく姿。
メンヘラくんはその彼女の去っていく姿をずっと見ていたのだろう。
曇りガラスで鮮明には見えないだろうに。もしかしたら街を歩く人が戻ってくる彼女かもしれないと、しばらく外を見ていたのかもしれない。

ここの節で、前に進む女と前に進めない男の差がかなり想像しやすくて面白い。

そして最後のフレーズがこちら。

そして二年の月日が流れ去り
街でベージュのコートを見かけると
指にルビーのリングを探すのさ
貴女を失ってから

2年経っても忘れられなかったか〜。
彼女はもうルビーの指輪なんてつけていないし、ベージュのコートだってもう着ていない可能性が高い。

そもそも新たな道を進んでいるのに、メンヘラくんはあの当時のままの彼女が今もいてくれないか、2年が過ぎても考えてしまう。

そうよね。
もしかしたら偶然出会うことがあるかも。
実は別れたことを後悔していて、指輪を付けていつか自分に会う日を待っているかも。

とか、期待してしまうのかもしれない。

そしてこの曲のおもしろいところが、
このフレーズを2回繰り返すところ。
しかも転調しているところがゾクゾクっとする。

2年経ってもこれだけの未練が残っているのだ!と言う強調の意味を込めて転調して繰り返したのだろうか?

私の妄想では、転調して雰囲気が変わったけれど歌詞が変わらないということは、さらに2年経って街並みも変わってきたけれどそれでも自分の気持ちが何も変わらずにいるということを伝えたかったのかな。とも捉えられた。

と、いかがでしたでしょうか?
「ルビーの指輪」って曲が低めの静かな渋い印象ですが、歌詞を読み解くと、今もあるようなずーっと未練タラタラなひとりの人間のお話しで、面白いですよね!

でも、大抵未練は時間が解決...するはず。
メンヘラくんも他の出会いがあって素敵な人生を進めたことを祈りたいところ。

あと、そもそも彼女はなぜ彼に別れを告げたのか、インタビューがしたすぎる。けれど、このそんなに長くない歌詞から想像して自分なりのストーリーを作ってみるのも面白そう!

そして、最後に、お別れを決意して襟を合わせて前に進み、元彼からは何年も未練を持たれる、そんな素敵な女性になりたいな。と純粋に思ったとさ。
いや、もう別れとかも嫌だった笑

はい。笑
問わず語り女ですみません。

今回も読んでいただきありがとうございました。
よかったら他の記事も読んでいただければ幸いです♪

よろしくお願いいたします。

jeni

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