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夜のさんきすとで。

近くまで来たので、ようやっと来れた久慈のさんきすと。

夜は真っ暗なところに建っていて、灯りも入口の、しかも店内のみにぼんやりと。不思議とネガティブな印象は受けず、店内へ。

マスターと思しき男性は見る限り眠っていたが、ドアを開けた物音で起きた。一応営業中と小さい看板が出てたけど、「やってます?」と確認。

確かに営業していたので、店内を見渡し、2階席へ。4月の始め、夜でも先月のような寒さはない岩手県北。月曜夜9時前お客は私ひとり。ドリンクセットのピザトーストに飲み物はレスカを注文した。

出てきたレスカをひとくち、ピザトーストをひとくち。何だかずいぶん久しぶりに食べた、懐かしいけどきっと喫茶店でしか味わえない味。レスカはジンジャエールにレモンの輪切りが浮かべてあるのかな?そこのお店独自の解釈に触れられるのも、こう言うお店の好きなところだ。

何だか、すっごくここ最近を振り返る気分になってしまい、目がうるむ。自分の選択の中で一緒には過ごせなくなった人たち。環境が変わることで関係性が変わり、前のように話せなくなったこと。自分が年齢を重ねる中で、どうしても変わってしまう感覚。

失ったものや、手に入らなかったものは、どうしてこうも関心を惹くのだろう。格好良くきっぱりと「過去は振り返らない」と言い切る前の、郷愁を味わうような余韻が、ここにはあった気がした。

|さんきすと|
http://kujicity.com/a.sunkist.htm

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