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ウーユリーフの処方箋 (5章前半)

ヒロインは普通でなければいけない?
設定通り動くNPCとは友達になれない?
ロボットに人権はない?
…彼らにも、心があるのに?

キャラクターのココロと人権に向き合う、そのゲームの名は、
『ウーユリーフの処方箋』

5章前半 感想

カナタが死んだ。
朝食と並ぶ彼の腕は、うどんのようにだらりとしている。

涙なんて、出やしない。

悲しむよりも悔しむよりも、この腕が、嫌というほどマツリ達に現実を突きつけてくるのだから。

(ここ、皆冷たいなって思ったけど、次は我が身の彼らはそんな余裕なくて当たり前だよね…。)

それに、あの日以降キリオも部屋に引きこもってしまった。マツリ達が思う以上にショックを受けたようだ。

しかし、立ち止まっているわけにもいかない。何か行動しなくては、自分がカナタの二の舞になってしまう。

3人で話し合い、まずはヒロインについてもっと調査することにした。…そのためには、まず。

コンコン。

マツリは、返事のないキリオの部屋に入り、ベッドに腰を下ろした。隣に来てもなお、キリオはマツリを見ようとはしない。

「アタシが皆のリーダーだって、思ってた。それなのに、攻略キャラですらない、ただの『お助けキャラ』だった。このメイクだって服だって、全部アタシが自分で選んだのよ!!そう…思ってたのに。」

生気のない目で、キリオが珍しく声を荒げる。しかし、すぐに小さく謝った。

(もうめちゃくちゃキリオを抱きしめたい。キリオはキリオだよ…ただのお助けキャラなんかじゃない、ちゃんと皆をまとめて、守って、引っ張ってくれる、かっこいいリーダーだって、皆知ってるよ…😢)

「それで、何について聞きたいのかしら?」
「ヒロインについて。詳しく知っていそうなやつはいないか?」
「ウーユリーフかロボP…それくらいかしらね」

(自分がしんどくてもちゃんと謝るし、相手のこと気にかけてあげられるし、キリオ優しすぎるよ…そういうとこ好きだよ😂)

「キリオ。お前は俺に、友達と呼んでも構わないと言ったな。」
「言ったかしら。」
「言ったよ。あれは、本心か?それとも、言わなくてはならないと思ったのか?」
「…どうだったかしら。何にも考えずに言っちゃったのかも」

そこでマツリは自分の身の上話をキリオにした。
小学生の頃友達作りに失敗し、ひきこもりになったことを。
キリオは驚いた顔をして、そんな風には見えないと言う。

「結構うまくとり繕えてたのかな…」

マツリは苦笑して、続けた。
母と祖母に守られて育ってきたから、特に男とはどう関わったらいいかわからない。虚勢を張って自分に自信があるように振る舞ってみても、結局俺は何もない、ただの臆病者だ。そんなだから女とは長続きしないし、男には見向きもされない。

(ナルシスト感満載のマツリくんは、精一杯の強がりだったんだね。自分の武器をわかってるあざとい系イケメン好き!って思ったけど、素のマツリくんはぐっと身近に感じられていいね)

「俺にとってお前は、初めてできた男友達だったんだ。」

「友達だと思っていてもいいか?」
「…好きにしなさいよ」
「ありがとう」

マツリは微笑み、部屋を出た。

(マツリくんはお礼をしっかり言ういい子だよね。このシーン良かったな〜)

マツリは、ロボPとウーユリーフならヒロインのことを知っているのではないかと二人に話した。キリオが心配だと言うのでミトは置いていくことにして、マツリとノゾミはまずウーユリーフのもとへ向かった。

ウーユリーフはスラスラとヒロインのプロフィールを述べていく。その全てに「…という設定」がつくのが、なんだか悲しかった。「火」が苦手という、目的通りヒロインの弱点を知ることができた。しかし、マツリの中には何とも言えないモヤモヤが広がる。

「…悲劇的なのは、ヒロインだな」
「何故です?」

「こんなにもちゃんとした設定があるのに、名前すらないなんて…いじめでしかない。」

マツリのその言葉に、ノゾミは目を丸くして、そして吹き出した。「ゲームではよくあること。キャラクターに人権はないのだから。」ノゾミは言うが、マツリの中のモヤモヤは増すばかりだった。

(マツリくん、優しいよね。あんな怪物を目の当たりにしていても、ヒロインの立場を思いやっていじめだと思えるなんて。というかこれ、最後にヒロインに名前を与えてヒロイン攻略とかになるのかな?)

ウーユリーフからの情報を得た二人は、次にロボPに会いに行った。ロボットで賑わうロビーを見ると、つい安心してしまうマツリ。端にいたミーハーに声をかけると、ミーハーは崩れたエレベーターの掃除をしていた。その拾っている“ゴミ”には、見覚えがあるような。

「うっ…」

それはカナタが着ていた服だった。
何とも言えない気持ちになっていると、モニターでラストレジェンドがやっていることに気づく。

「見なくていいのか?」
「今はマドカくんが映ってないから。マツリくん!一緒に決勝戦を観に行こうよ!」
「どうやって?」
「列車に乗るんだ。今夜12時に待ってるね!」
「列車?どうすれば乗れるんだ?」

ザブーン?
疑問に思いながらも、マツリはノゾミとともにロボPのもとへ向かった。

(なんてことない感じでカナタの(服の)破片を片付けてるミーハーにドキッとしたよ…)

食堂にいたロボPからも、ヒロインの話を聞く。
ロボPはヒロインが怖いという。なんせ、「普通の女」だと思っていたヒロインが、ある日突然イケメン二人を殺したのだから。

マツリ「何故彼女は、二人を殺したんだ…?」
ロボP「さあねー。でも、

『普通』の人間なんて、この世には一人もイナイからね」

続けてノゾミがロボPに情報を求める。彼が言うには、ヒロインには行動パターンがあるらしい。それを書いた手帳をヒロインが持っているみたいだが、一体それはどこにあるのか…。

心当たりがあった二人は、地下へ向かった。司書ロボに聞いてみるが、流石に個人の手帳はないか…。しかし、司書ロボから新たな情報を得る。

「ヒロインは、よく2階にいるのを見るよ。以前も、現在も。2階には何もないはずなのにね」
「2階ですか…これはなにかありそうですね。行ってみましょう、マツリさん」

返事をし、ノゾミの後に続こうとするーーすると、視界の隅にある台本が、ふと気になった。…アリス?

「マツリさん?」
「ああ、今行く」

2階の廊下には、以前はシャッターが閉まっていていけなかったはずの場所があった。ここはゲームの世界なのだと実感させられる。

リアル脱出ゲームさながらのドアをクリアし、開いたそこは…

「なっ…んだ、これーー」

そこは、「ヒロインの」部屋だった。

.
ホラーが苦手な私は夜にやるべきじゃなかった…😂

確実に話が進んできましたね。というか、児童向けだというアリスの台本…冒頭に出てきた「子役」として売れた誰かのもの?

個人的にはラスレジェのトモキだと思ってるんだけど。
もしかして、ウーユリーフの世界はバーチャルゲームなのかな?それでラスレジェのメンツが体験してる…?

ウーユリーフの世界はマツリくんを含めて全てゲームで、サブストーリーだと思ってたラスレジェが本当の世界?

ラスレジェの世界観は、カップケーキの見た目を除けば全部現実的だしね。でもなんか、そのオチはやめてほしいなあ〜。ノゾミとカナタ、ミトはNPCなんだろうと思ってるけど、マツリくんまでNPCなのは個人的に萎えてしまう笑

ラスレジェのシーン、わりと読み飛ばしてたからそっちがリアルだった!とか言われてもキャラまともに覚えてなくて感情移入できないしね…笑

あ、でもこのセリフは、キリオが言ってたセリフと関連してる?と思ったので覚えてる。

ただ、そう考えると、キリオ=トモキだから、なおさらウーユリーフがゲームでラスレジェが現実説濃くなるんだよな…そうではありませんように!笑

5章後半につづく

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