「やりたいこと」と「仕事にしたいこと」
はじめまして、衣装スタイリストを目指している海月(くらげ)です🪡
千葉大学工学部を卒業後、服飾の専門学校に進学、就活浪人を経て、4月から衣装レンタルの会社に就職します。
いわゆるデザイナーではないですが、こんな人もいるんだなぐらいに読んでいただけたら嬉しいです。
総合大学から専門学校へ
大学でのものづくりに行き詰まる
大学ではグラフィックデザインとプロダクトデザインを専攻し、リーフレット制作や商品企画をやっていました。
初めてポートフォリオを作ったのは3年生の春で、そこからサマーインターンに参加したり、デザインコンペに応募したり、どちらかと言えばアクティブに動けていたのかなと思います。
一方で「コンセプトは良いけどアウトプットはもっと詰められたね」と評価されることが多く、成果物のクオリティが課題でした。
4年生になってもアウトプットに対する苦手意識は変わらず、むしろインターンで出会った美大生たちのクオリティに圧倒され、余計に自分の作るものが嫌いになっていきました。
当時は院進を考えていましたが、同時に大学でこれ以上制作を続けても成長できないような気がして、行き詰まりを感じていました。
文化服装学院へ
課外活動では、衣装を製作してファッションショーを開催するサークルに所属していました。
まず目指す世界観を、次に服のデザインやショー全体の演出を、という一連の流れを考えるのが大好きで、どっぷりのめり込んでいました。
そんな背景もあって、
「もっと服を作りたい」という想いと
成果物重視の制作活動を通して「デザインの幅を広げたい」という想いから、大学卒業後に服飾の専門学校である文化服装学院に進学しました。
専門学校での1年間
私が通っていたのは「服飾研究科」という大学・短大・高等専門学校卒業者向けのコースです。
スカート・パンツ・ブラウス・ジャケットなどの基本的なアイテムの制作を通して、服作りの基礎を学びました。
通常2年間かけて学ぶ内容を1年間にぎゅっと詰め込んだカリキュラムだったので、とっっっても忙しい学科でした😂
専門学生の1日
平日はほぼ学校と課題のみでしたが、週1-2日程度授業が早く終わる日や課題に余裕のある日にバナー制作のアルバイトをしていました。
就活に関しては、ときどき時間を見つけてはもともと作っていたポートフォリを修正していたものの、デザイン就活をするか服飾関係に進むか迷い、ほとんど動いていませんでした…。
作品撮り
就活用に専門学校で制作した作品もポートフォリオにまとめようと考えたとき、ろくに作品を撮っていないことに気がつき始めたのが作品撮りです。
Instagramでモデル・カメラマン・ヘアメイクの方に声をかけ、撮影に協力してもらうようになりました。当初は就活のために始めた活動でしたが、初めて撮影データをもらったとき「こんなに素敵な写真になるのか」と感動し、今も続けています。
専門学校に入学してからは「作ること」だけに集中してしまい「魅せること」を忘れがちだったので、入学前にポートフォリオ制作を習慣化していて良かったです。今振り返ると、専門学生時代の作品もまとめて就活に臨むことが出来たのはこの時作品撮りを始めたおかげです。
Instagram【@jellufish_works】に他の作品も載せているので、良ければ見にきてください🕊
少し話が逸れますが、ポートフォリオを作るに当たって服のように作品自体のブラッシュアップが難しい媒体で悩んでいる人もいると思います。
作品そのものを作り直さなくても、撮影やレイアウトを変えるだけで大分魅せ方を改善できるので、ぜひ作品を捨てずにやってみて欲しいです。
進学から就活へ
私が通っていたのは1年コースですが、希望者はもう1年進学することもでき(大学と大学院のようなイメージです)、夏頃までは進学する気満々でいました。
想像以上に早い授業スピードに驚きつつも、学校や課題、そしてアルバイトを両立する生活をなんだかんだ楽しんでいました。
毎日毎分毎秒服が作れることがすごく嬉しかったし、徹夜も不思議と辛くはなく、むしろ好きなことだけをして遊んでいるような感覚もありました。
バランスを崩し始めたのは、入学後半年を過ぎたあたりです。
続く徹夜、終わらない課題、増えていくニキビ、辞めていくクラスメート。
1つ1つはそれほどしんどくありませんでしたが、少しずつ心が疲れていって、11月に進学から就職へ進路を変えました。
それまでは
「好きなことが出来るなら睡眠もお金もゆとりも別にいらない」
と心のどこかで思っていました。なんならそういう生活に憧れすら抱いていました。
でも実際にやってみれば、ただつらいだけでした。
寝不足は体を壊すし、お金がなきゃ布も買えないし、何よりゆとりがなきゃ心が腐る。
「好き」では睡眠不足やお金不足をカバーできない、「好き」は万能じゃないと気がついた1年間でした。
やりたいこと≠仕事にしたいこと
迷走しすぎた就職活動
もともとは衣装デザイナーに憧れていましたが、身にしみて業界の厳しさが分かり、いざ就活となるとすっかり怖気付いてしまいました。
じゃあ何を目指したら良いんだろうと、とりあえずやりたいことを紙に書き出してみたのが下のイラストです(当時のメモから抜粋してまとめてます)。
やりたいことが複数ある上それぞれ方向性がバラバラ。できるなら全部を一つの仕事で叶えたいけど、そんな都合の良い仕事はない……優先順位をつけろったって、全部やりたいことなのに順位なんてつけられない……と途方に暮れました。
でも既に11月で秋就活も終わっていたので、とりあえず関連する仕事に片っぱしから応募してしまい、就活の軸が定まらないまま行き当たりばったりな就活をしてしまいました( ; ; )
とても文章にはまとめられなかったので、今回は迷走期ではなく迷走を脱するために考えた方針を掲載しようと思います。
どれを仕事にするべき?
就活の軸を定めるために考えていたのが以下の3つの方針です。
仕事で実現したいものか
いつやりたいことか
どの行為が好きなのか
1.仕事で実現したいものか
文章そのものはうろ覚えですが、LGBTQ+の支援に関するとある記事で
というような内容が書かれていました。
例えばLGBTへの支援であれば、普段から性的マイノリティに配慮した言動を心がけたり、情報に対してアンテナを貼って生活することも立派な手段の一つです。
やりたいことの全てを「仕事」という形に嵌め込むのは難しいし、それが自分に合った手段だとも限らない。
わたしのやりたいことはどのライフスタイルで叶えたいことなのかを考えて、やりたいことを整理していきました。
2.いつやりたいか
次に考えたのが「いつやりたいか」です。
「今」「5年後」「10年後」「30年後」「ずっと先」か、
やりたいことに対してとざっくりやりたい時期を振ってみました。
服作りの道を突き詰めるかデザインに戻るかで散々悩んでいたのですが、やりたい時期を書き出したとき、ファーストキャリアは服がいいと思っている自分にやっと気がつけました。
3. どの行為が好きなのか
作品撮りを重ねて行くうちに、「服作り」ではなく「服作りを通して世界観を表現すること」が好きなことに気がつきました。
一口に服作りが好きと言っても
「デザインするのが好きなのか」「縫うことそのものが好きなのか」
「布選びが好きなのか」など好きは人によります。
「服作り」という名詞一つで考えるのではなくて、
他の言葉と組み合わせてみたり、少し言葉をいじったり、
行為ベースで考えるとどの職種が自分に合っているのかわかってくるんじゃないかなと思いました。
衣装レンタルに就職する理由
今現在の将来の夢は
衣装スタイリストになることです。
考えて考えて迷走した結果、
やっぱり服を作る人でありたいなと改めて思いました。
同時に作品撮りを通して、同じ衣装でも合わせるアイテムや撮影イメージを変えるだけで全然違う印象になることに気がつき、スタイリングの面白さを知りました。
提示された撮影イメージに沿って衣装を提案するだけではなくて、
撮影イメージを自分から提案し、世界観を作れるスタイリストになりたいです。
そのためには衣装制作のスキルはもちろん、他の規制服の知識やスタイリングの知識が必要です。
フリーランスとして働くなら、税金関係の勉強も基礎的な社会人力も必要になります。
衣装レンタルの会社に就職するのはもしかしたら遠回りかもしれませんが、この会社でまずは社会人としての経験を積み、衣装に関する生の知識を吸収していきます。
またスタイリストの部署もあるので、レンタル業務を覚えつつ、将来的にはそちらの部署へ異動願いを出すことも視野に入れて夢にじりじり近づいていく所存です!
就活を振り返って
やりながら考える
後先考えずにいろいろ手を出してしまったので、ロジック立てるのが本当に大変でしたが、「やりながら考えた」就活だったなと思います。
ゴールを見据えてそこから逆算していったらもっと効率の良い就活ができただろうし、就活浪人することもなく、今頃は社会人になっていたことでしょう。でも出来ないものは出来ないので、私にはこのやり方しかなかったんだろうなって今は思います。
ある程度準備したらあとは出たとこ勝負。やり始めないと分からないこともあるので、とりあえず動き出すのもありだと思います。
ただ、ポートフォリオに関してはこまめに作っておくことをおすすめします。いつ就活をすることになるか分からないし、今何やってるの?と聞かれる時にパッと見せるものがあると、そこで縁ができたりもします。
心の支えを大切に
進路を決めるまでに、本当にたくさんの人に相談に乗ってもらいました。
1年振りに連絡したにも関わらず相談に乗ってくれた友人たち、
忙しい中時間を割いてくれた先輩方、本当にありがとうございました。
ただ実は就活浪人していることが後ろめたくて田口さんや森内さんには相談できずに就活後期を過ごしました…。
でも「いざとなったら相談できる人がいる」っていう事実が心の支えになり、大分救われていました。 相談するのが一番だけど、相談しなくても良いから、いざとなったら相談できる人を1人でも作って欲しいなと思います。就活は本当に大変だと思うので、 どうか1人にはならないでください。
皆さんの就活が一歩でも進むことを祈ってnoteを終わります。 素敵な機会を下さいました Redesigner for studentの方々、ありがとうございました。