初!京都市外へ!発!
9月某日
6:00 今日は待ちに待った日である。良き「わくわく感しかない」と言いたいところだが、申し訳なさとやっちまった感が心の奥底にある。理由は、車の免許を忘れたことだ。ある男から「免許忘れないように」と言われていたなぁと思い出し、その男の優しさに答えられなかったちょっとの悔しさと共に体を起こす。そう、今日は京都市外に車で行く予定なのだ。せめて私の方が早く待ち合わせ場所に着かなければと思い、急いで準備をしよう。
8:00 その男とは、レンタカー屋さんの最寄り駅で集合する予定だ。なんとか僕の方が先に着くが、免許の罪は拭えない。 しばらくすると「太め、小さめ」の私とは正反対の「細め、大きめ」の男が改札から出てくる。私はその男の存在には気づいているが、その男の視野に小さな私の姿は入っていない模様。ようやく認識してもらい、レンタカーを借りに、お店に向かう。
9:00 さぁ出発だ〜!もちろんその男の運転でだ。
10:00 1つ目の目的に到着。まずは、リフトに乗って上へ上へと登っていく。頂上まで着くと、京都の海が、雲の隙間から溢れる光でわずかに光っている。すかさず僕たちは、バッグからカメラを取り出し、撮影開始。緑に囲まれた海の間に存在する一本道は、自然が作り出す長めのランウェイのようだ。さすが日本三景の1つだ。
『天橋立』
12:00 天橋立を出発し、2つ目の目的地が見える。だが、その前に腹ごしらえだ。京都の海が一望できる食堂、魚料理の良い匂いが空腹のお腹を更に刺激する。せっかくだからと思い、実家で夜ご飯に出たら不機嫌な顔になる煮魚系の料理を頼んでみる。ふわふわの白身がしょっぱいタレに染み込んでいて、私の口の中は幸福のパレードだ。
『レストラン 舟屋』
↑粗煮定食(魚の種類はなんだか忘れたようだ)
↑レストランの外からの景色
13:00 お腹もいっぱいになったことだし、さぁ歩くぞぉ〜!京都の舟屋を散策する。今は漁師さんの姿は見えないが朝は活気に溢れていることが想像できる港、もう出番がなくなってしまったかのようなテトラポット、こちらももう出番は来なそうな古びたガソリンスタンドらしき敷地。それらの先には、京都らしい風情が溢れ出しているなんとも「京都らしい」、「日本らしい」舟屋が立ち並んでいる。
『伊根浦伝伝統建造物群保存地区』
14:00 散策していると、中に入れそうな舟屋がある。入るかおどおどしている僕たちの後ろから「ゆっくりしていってください〜」となんとも暖かい声のおばあちゃんが声をかけてくれた。中に入ると、家の中に船が突っ込んできたかのような状態。海の水が波に揺られて船体底面を行ったり来たりしている。家と船の間は、少し段差があるため、水は入ってこない。 めちゃくちゃ興奮する。僕とその男は、うたた寝をしたり、海に足を入れたりとすろーで、贅沢な時間を過ごした。
ある舟屋
19:00 舟屋でゆっくりして、伊根から京都中心部に戻るとすでにこの時間。ホテルにチェックインした僕たちは、ホテルのフロントスタッフにおすすめのお店を聞き、近くの家系ラーメン屋に。ラーメンと言ったらカップラーメンと認識している私にとって家系ラーメンは初だ。おいしいラーメンを啜る。
20:00 せっかくの京都だ。夜の京都を散歩する。歩いたコースはよくわからない。だが、免許を忘れたことを忘れるぐらい忘れられない幸福度の高い散歩だ。
24:00 そして、この記事で「男」と言ってきたが、彼は僕と同じ大学に通う大学生だ。友人と書こうとしたがなんだかしっくりこない。と言うわけで「男」と現してみた。彼には、なんだかんだお世話になっている。僕がお世話をした覚えはない。その男と過ごしていると、今回の京都旅もそうだが、なんだかわからない幸せと豊さをもらえる。本当に大学でいい出会いをした。そんなことを思いながら今日の写真を振り返るが、もうここまできたら、夜が弱い僕のスイッチは半分以上オフだ。 おやすみも言わず、布団もかけず、僕は夢の中に入っている。 頭の中では、その男と、そして、ぽんこつな「男」たちとまた旅に行ける日のことを考えている。