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【潜在意識】辛い記憶を消す魔法の言葉(完全版)
(この記事の文字数:約8200文字)
こんにちは。本日もお越しいただき誠にありがとうございます。Jegと申します。愛してます
さて、今回のテーマは「辛い記憶を消す魔法」ということですが、これは何も私自身が謎の力を持っていて皆様の記憶を操作できるとかそういったことではもちろんありませんし、「こんなグッズを購入すると云々」といった準備に費用や手間がかかるものでも一切ありません。
すべて皆様の体一つで完結する方法論です。
とはいえ、何事も方法論の裏側に隠れた「何故」と「情報の関連性」を理解せず表面的に実践するだけでは効果はありません。
ですから今回は「辛い記憶が忘れられない理由」の深掘りからスタートし、順序だてて最終的にシンプルな方法論に行き着くよう構成して参りますので、潜在意識を書き換えるワークのつもりでお読みくださいませ。
あ、ちなみに今回の結論はこれですね↓
過去の嫌な記憶がふと浮かんだら「忘れよう」じゃなくて「受け入れよう」って機械的に唱えるんだ。そうすれば心はちゃんとその記憶を咀嚼して栄養にしてくれる。辛い経験はゴミ箱に捨ててもそこに居座ってことあるごとに目に付いてしまう。だからこそ血肉に変えて視界から抹消すればいいのさ。おはよう
— 雨音りん (@rinrinamanechan) August 6, 2024
念の為ご説明申し上げますと、雨音りん先生は私の書籍に登場するドSカウンセラーキャラクターですね。りん先生のXはお遊び用アカウントといった位置付けで更新は不定期(というかほぼ休止中)ですが、もしよろしければフォローいただけましたら幸いです。
尚、非常に重要なテーマですし、普段は「過去形で唱えてください」と言っている私が何故今回は「受け入れよう」という言霊を採用しているか、その理由も後半で詳しく解説しておりますので、相当な長編となりますこと、どうかご了承いただけましたら幸いです。
それではいってみましょう!
1.辛い記憶
思い出すたびに暗い気持ちになったり、もしくは恥ずかしさで「うわあああああ」となるような記憶はありませんでしょうか。
そしてそういった記憶に限って「忘れよう」「忘れよう」とすればするほどドツボにはまっていく、という経験のある方は多くいらっしゃるのではないかと予想しております。
これは脳のちょっとした「クセ」のようなものに起因する現象なのですが、今回はその仕組みを理解し、辛い記憶を自分の養分に変え、そして乗り越えていくような方法をご紹介させていただくわけですね。
もちろんそのトラウマが何らかの症状として顕在化し実生活に悪影響を及ぼしているとか、PTSD(心的外傷後ストレス症)を発症しているとか、そういう場合には専門医に相談する必要があるかと思いますが、とはいえそこまで深刻でなくともなんとなく思い出すだけで心がモヤっとする辛い記憶は多々あるかと思います。
私も山ほどあります。(特に恥ずかしさで「うわああああ」ってなるやつ)
そしてこれらは、仮に一つ一つは大したことなかったとしても積もり積もって得体の知れない不吉な塊として心に漠然とした憂鬱をもたらしたりもするものです。
ですから今回のお話は「心にチクチク攻撃してくる過去の嫌な記憶の総量を減らす方法論」だと思っていただければ割とすんなり腑に落ちるかもしれません。
2.辛い記憶が脳に残る仕組み
先ほど辛い記憶が何故か忘れられない理由は、脳のちょっとした「クセ」のようなものに起因すると申し上げましたが、ではそのクセとは何か。
それは防衛本能です。
人間に限らず生き物にとって最大の目的は「子孫を残す」ということですから、全体論で言えば「生存確率を上げる」ということが我々に与えられた最大の使命とも言えるわけです。
そして生存確率を上げる方法は言うまでも無く「危険から身を守る思考を身に付けること」ですから、弱い個体である人類が生き残る手段として「防衛本能」を発達させ、恐怖や辛い経験を長期的に忘れないような脳の仕組みを獲得することで生存確率をアップさせてきたことは、生物学的にも非常に理に適う話なのです。
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これに関しては後ほど「ネガティビティバイアス」の観点から更に詳しく解説いたしますが、その前に一つだけ覚えておいていただきたいことがございます。
それは「人間は本能的に辛い記憶を継続的に覚えるよう進化してきた生き物である」という前提条件を意識しながら生活することで辛い記憶を乗り越えやすくなるということです。
3.重要なのは「認識」
具体例を挙げてみましょう。
例えば普段すごく優しい職場の先輩から「え?まだあの資料作ってないの?」と不機嫌そうな顔で言われたと想像してみてください。
ケースバイケースかとは思いますが、神経質な人の場合はおそらく以下のようなネガティブな想像をどんどん膨らませてしまうかと思います。
「あの優しい先輩を怒らせちゃったかもしれない」
「先輩がそこまで言うってことは、それだけヤバイ状況ってことかな」
「課長が先輩に"あいつの資料作り急がせろ"とか指示したのかな。だとしたら課長をイライラさせちゃってるのかも・・ヤバい」
似たような経験をしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ですがこれ自体は別に問題のある思考ではありませんし、むしろ当然の反応かと思います。問題はその後です。
「私ってめちゃくちゃ仕事遅いタイプなんだ・・」
「皆から仕事できないって思われてるのかも」
「あんな些細な一言で悩んでるなんて、私メンタル弱すぎ」
「なんでこの程度のことで胃が痛くなるんだろう」
「私は弱い人間なんだ」
といった具合に「自分自身の否定」に繋がってしまった場合には、「短期的なストレス」が「長期的なストレス」に変化してしまうのです。
この場合、「あの先輩からチクリと言われてショック」で終わっていれば特に問題はないのですが、徐々に感情が心の奥深くまで入り込んできて「自分自身への否定」になってしまったらそう簡単に対処することはできません。
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「自分自身の否定」というのは出来事と関係なく潜在意識レベルで自己肯定感に悪影響を及ぼすものですから、仮に爆速で資料を作成して先輩に褒められたとしても、その後長期的に心に居座りネガティブな人格を作り上げてしまうのです。
現在「漠然とした不安が拭い去れない」という方は、もしかしたら過去の微細なストレスが「自己嫌悪」として心に蓄積し、正体不明の不安感として顕在化してしまっているのかもしれません。
ではどうするか、ということですが、ここで重要なのが「人間はネガティブな事象に焦点を当ててしまいがちな生き物である」という前提をハッキリ認識しながら生活するということになります。
つまり先輩からチクリと言われてショックを受け、あれこれネガティブな妄想をしてしまっている自分に気付いたら「まぁ本能だし仕方ないか」と明確に認識していただきたいのです。
特にネガティブ思考の強い方は何かショックな出来事があった際に「自分はストレスに弱いから今後もこの出来事を引きずり続けてしまうかもしれない」という不安が同時に湧き上がってきたりするものですが、そもそも「辛い記憶が残りやすいのは当たり前」なのです。
あなたの弱さが原因でもありませんし、自分自身を否定する必要は一切ありません。
ですから今現在、辛い記憶を定期的に思い出して苦しんでいる方は是非「本能だから仕方ないさ」ということを定期的に思い出す訓練をしてみてください。ネガティブなことばかり思い出してしまうのはあなたの性格に問題があるのではなく、単なる防衛本能の発動なのです。
当たり前のことのようですが、これは自身を客観的に見る訓練(メタ認知)の強化に繋がりますから、正に辛い記憶を乗り越える為の第一歩と言えるでしょう。
ではこの事実を踏まえ、「人間はネガティブな事象に焦点を当ててしまいがちな生き物である」という認識を更に強化していただくため、「ネガティビティバイアス」の説明をさせていただきます。
4.ネガティビティバイアス
ネガティビティバイアスは過去の記事でも説明しておりますが、これは簡単に言えば「ネガティブな事象に強く引き付けられる傾向」のことです。
以下に詳細を記載致しますね。
ネガティビティバイアスとは
ネガティビティバイアスとは「ネガティブな出来事や情報を、同じくらいの強度や重要性を持つポジティブなものよりも強く、より深く、そしてより持続的に感じ、記憶し、反応する傾向」のことです。
そして人間はこのネガティビティバイアスを強く持つ生物です。
これは心理学の分野で広く研究されているテーマですが、感情や思考、更には意思決定プロセスにも影響を及ぼす極めて重要な事柄です。
【ネガティビティバイアスの例】
ニュース:人間は往々にして悪いニュースにより強く引き付けられ、それによる影響を受けやすいものです。例えば、災害や犯罪の報道や芸能人のゴシップなどの方がポジティブな報道より頭に残ったりバズったりしますよね。
評価の捉え方:職場や学校での評価は肯定的なものより否定的なものの方が記憶に残るものです。「君、すごく仕事できるよね。でも清潔感が無いね」と言われたら「仕事できる」より「清潔感無い」の方が刺さりますよね。
対人関係:他人関係でも上記と同じことが言えます。「あなた優しいよね。でもたまにキモいよね」と言われたら「優しい」より「たまにキモい」の方がより印象に残りますよね。
リスク回避:ネガティビティバイアスは、リスク回避行動にも影響を与えます。損失を避けるために、より保守的な選択をする傾向がある、といった具合ですね。
【起源と理論】
このバイアスは、進化的観点から説明できます。私たちの祖先は生存と繁栄のために、脅威や危険を敏感に感じ取り、迅速に反応する必要がありました。その結果、ネガティブな情報に対する敏感性が生存の利点となり、現代人の心理にもその名残が見られるわけですね。
おわかりいただけましたでしょうか。つまり、人間は基本的にネガティブな事象に焦点を当てるよう進化してきた生き物なのです。
進化論の観点から言えば、例えば夜中に外敵から襲われるというのは非常に恐ろしい経験ですが、同時にこれを脳にインプットしておけば次回同じような事態に陥った時にも即対処ができます。
何度夜襲に合っても全く学習せず、毎回同じようにあたふたしてたら絶滅してしまいますからね。
つまり辛い経験や痛みを伴う記憶は「再び同じ危険に遭遇しないように」と脳に強く刻まれるのです。これが、トラウマや嫌な思い出がなかなか消えない最大の理由です。
もう少しマニアックなお話をすると、これには脳の扁桃体という部分が関わっています。偏桃体は感情を処理し、特に強い感情を伴った記憶を長期的に保存しようとする器官ですが、辛い記憶はこの偏桃体に強く働きかけ、いつまでも残り、そして時折フラッシュバックのようによみがえらせてくるんですね。
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5.楽しい記憶を忘れてしまう仕組み
ここまで「辛い記憶が残りやすい理由」を脳の仕組みから解説して参りましたし、またこの知識があることで「まぁ本能だし仕方ないか」といった具合に「自分自身の否定」に陥る前に対処がしやすくなるということも説明致しました。
ここで「楽しい記憶は薄れやすい」ということも若干補足しておきましょう。
一般的に「辛い記憶」よりも「楽しい記憶」の方が脳から薄れていきやすいと言われていますが、この理由は先ほどと真逆ですね。楽しい記憶は辛い記憶に比べ「生存確率」との関わりが薄いからです。
もちろん楽しい記憶は生きていくうえで必要不可欠ですし、思い出すたびに幸せな気分に浸せたりもするものですが、ではそれが「辛い記憶」を思い出す時ほど強烈な感情を伴って思い出されるかと言えば、意外とふわっとしていたり、時間が経てばたつほど感情を伴った記憶ではなく単なる情景として思い出されるようになっていったりしますよね。
この事例からも、やはり脳の生存本能に基づく部分では辛い記憶が優先的に保存されることは疑いようもない事実なわけです。
そしてだからこそ、ポジティブなアファメーションや意図的に自分を楽しませたりリラックスさせたりする行動を生活に組み込むことが重要なのです。
さて、辛い記憶が脳に残る仕組みをこれでもかというほど説明してきたわけですが、この知識は本当に重要なので是非覚えておいていただきたいと思います。
次以降の章ではいよいよ「辛い記憶を消す魔法」について詳しく解説して参りますので、是非最後までお付き合いいただけましたら幸いです。
6.「忘れよう!」は逆効果
さて、魔法の呪文をご紹介させていただく前に、辛い記憶が思い浮かんだ時に絶対に唱えてはいけない言葉をご紹介致します。
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