#16 嫌な日
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(前回のページ)
パワハラ院長との関係で、仕事をする上でずっと気がかりな日があった。
約1か月後の「Xデー」、
私の中で「嫌な日」
と名付けた。
その日は、約1か月後
80%の確率で、パワハラ院長の診療の補助に1日付かないと行けない。
1日中院長が近くにいて、患者さんとの間に入ったり
お注射の準備、検査の準備色んな業務がある。
普段、美容のご予約中心で、
診療の補助は、シフトで別枠の人が担っていた。
つまり、普段は診療の補助に入ることはあまりない。
ただ、その「嫌な日」だけは、
診療の補助のスタッフに欠員が出ている関係で、
別スタッフに休日出勤をして出てきて診療の補助についてもらうか。
別スタッフが対応しない限り、美容ナースの2人のうちどちらかが診療に入らないといけない事態になっていた。
(現時点の美容の予約枠でいくと、1人で十二分に賄える予約数だったからである。)
パワハラ事件までは、美容の予約の空いた時間に
診療の補助を手伝いに入らせてもらって一通りの仕事は覚えていた。
それ以降は、クリニック内で皆がパワハラ院長との接触を控えるようにと、事務作業や他の集客関係の仕事を優先できるように調整していてくれていた。つまり診療の補助に入ることはほとんどなく仕事ができていた。
出勤日数・進捗でいくと事実上完全に、その嫌な日は、私が診療の補助の担当になるのが自然な流れだった。
ただし、周りは
ナースMちゃん、(私)vsパワハラ院長の構図を
目の当たりにしていたので、それ以降の院長の私への対応がどうか静まればと思いながらもどうにかできないものかとその日について頭を悩ませていたのが分かった。
お局ナースが、何度もシフト表とカレンダーを見比べて
その日をどうしたものかと悩まれている姿を度々見ていた。
自分でも、あの事件以来パワハラ院長が少なからず恐い。
ストレスなのか、クリニックで昼食を摂るにしても
お腹は確かに空いているように感じるのだが
固形物が全く口に入らないのである。
無理に食べても本当にすぐにお腹一杯になる
私のお昼ご飯は控室に何故か大量に提供されていた。
「金のミルク」それだけだった。
考えれば考える程、
何もない所から、お怒りモードに入る現象がいつ入るのか
お怒りモードのスイッチが何で押されるのか分からないのである。
更に言えば、空気として扱われているので、質問をしても返してくれるのだろうか。
私が入ることによって、気分を害するパワハラ院長が、私だけにとどまらず患者さんにご迷惑をかけてしまうことにならないだろうか。
そんな考えもあって、自分からは積極的に「入れます!」
なんて口を裂けても言えなかった。
いや、言いたくなかった。だって入りたくないもの。
それくらいの我儘は言わせてほしい。
それでも、お局ナースを悩ませる訳にはいかないので。
ナースMちゃん:「仕事なんで、その日普通に診療入りますよ。」
お局ナース:「ごめんな。」
とても嫌だけど割り切るしかない。
仕事は仕事だ。そう思ってその日は私が入ることになる予定となった。
つづく
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