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今更解説する動き出すデータドリブン組織のつくりかた - 前説

「今更解説する動き出すデータドリブン組織のつくりかた」というお題目で2022年春に出版いたしました共著本の解説記事を書かせていただきます。

前説、それは物語の始まり。
すべてはここから始まった。

本記事は出版と同時期に宣伝目的としてリリースする予定でしたが、私の怠慢でnoteの下書き送りのまま、歳月が過ぎてしまいました。
noteを書くモチベーションがありません。助けてください。
出版してからだいぶ年月が経過してしまいましたが、今更ながら重い腰を上げて書き溜めていた下書きの残滓を清書しました。

今回は前説ということで具体的な本の内容に踏み込まずに、

  • 拙書の概要

  • なぜ出版したのか?

  • 裏話(プライベートかつ込み入った内容なので、この項だけ有料記事として提供させていただきます🙇‍♂️)

の3本立てでお送りいたします。

ちなみに、タイトルはニコニコ時代からの視聴者だった某賢者リスペクトでお送りしています。みなさま対戦よろしくお願いいたします。


Acknowledgements / 謝辞

まず初めに。拙著が無事に出版できたことを本当に嬉しく存じます。
拙著の執筆にあたり、多くの方々にご支援賜り、誠に感謝しております。

日本能率協会マネジメントセンターの黒川 剛様、坂田 博史様には貴重なお時間をいただき、感謝申し上げます。

苦楽をともにした執筆メンバーである、山﨑 淳一朗さん(@jun_choco)、徳谷 有三さん(@roadstar_nb1600)、福田 恭幸さん(@TakayukiFukuda_)、木村 雄基さん(@00yk00)、鷹雄 健さん(@takaoken)、小野 甫さん(@hjm__chan)に向けて。
彼らは同じDATA Saberの同期としても切磋琢磨してきた仲間でありますが、このメンバーで初めての出版に挑戦できたことをとてもとても誇りに感じています。1年半という長い道のりでしたがお疲れ様でした。

最後に、拙著を手に取り、購入していただいた読者のみなさまには感謝しかありません。Amazonの評価コメントのほか、DM、最近はリアルイベントに顔を出せてきたのもあり、直接お言葉をいただいています。頂いた一つ一つの言葉を噛み締めながら日々の原動力と次回作の構想の糧とさせていただいております。

About this book / この本について

Publication date / 出版日
2022年03月01日

Publishers / 出版社
日本能率協会マネジメントセンター
(敬称略)

Authors / 著者
山﨑 淳一朗
徳谷 有三
荒木 和也
福田 恭幸
木村 雄基
鷹雄 健
小野 甫
(表記順、敬称略)

Overview / 概要

【内容紹介】
【DXに成功している企業はわずか16%】
2021年9月、世界のデジタル競争力ランキング27位(IDM world digital competitiveness ranking 2020)と大きく遅れをとる日本の行政のデジタル化を進めるためデジタル庁が発足。民間においても労働生産性ランキング21位(OECD, 2019)という状況を変革すべく、経済産業省はじめ国をあげて、またあらゆる企業で「デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)」を進めることが喫緊の課題となっています。

そのDXの礎ともいうべき「データ」を使いこなし、企業全体がデータに基づいた意思決定を正しく行い、行動し、価値を実現する一連のプロセスを支えるのが、本書で目指す「データドリブン組織」の姿です。

しかし、アメリカのコンサルティング企業、マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査(マッキンゼー緊急提言 デジタル革命の本質,2020)によれば、DXに成功している企業や組織はわずか16%に過ぎず、8割以上の企業はいまだに投資に対して適切なリターンを得られていない、と回答しています。
そして、「DX実現を妨げる障壁」を探った結果、ITなどの技術力、いわゆる「ハード」面に問題があるケースよりも、人材や組織、文化といった「ソフト」面に原因があることがわかっています。

そこで、米国に本社を置くTableau Software(タブローソフトウェア、現在はセールスフォース社)が、全社でデータドリブン経営を実現している欧米企業の成功要因、失敗要因を抽出して体系化した方法論が、本書の骨格となっている「Tableau Blueprint(タブロー・ブループリント)」です。

【現役でDX組織づくりを推進する実務家の目線から解説する1冊】
本書では、このBlueprint を活用し、実際に日本企業がどのように全社をデータドリブンな組織に変革してきたのかを、具体的な事例を踏まえ、現役で「データドリブン組織づくり」を推進する著者陣による徹底した実務家の目線で解説していきます。

私たちが直面するさまざまな課題を解決し、価値を実現するためのDXが大いに進められていますが、その基礎となるデータを全社で活用するという位置付けでお読みください。
またデータ収集や分析といった“部分"に拘らず、またBIツールやデータベースの種類によらない汎用的な内容になっています。

Amazon商品ページより抜粋

Why did we publish? / なぜ出版したのか?

この項を無料開放するかかなり悩んだのですが、込み入った話や自分の過去の原体験のお話を含んでいるため、影響力を考慮してここから有料とさせていただきます。

Tableau Jedi同期の悪ノリ、もとい要請に便乗してみた

そもそものきっかけは、Tableau Jedi 8期(現、DATA Saber)で集まっていた際の以下のチャットが発端でした。(ちなみに私は参加していない会です)

Tableau Jedi Bootcamp8期のFacebook Messenger Group

それに対する私の返信はこちらです。

メッセージが送られてきた当時を振り返ると、とある本の企画を受けていたのですがCOVID-19の影響もあり残念ながら企画は中止てしまった矢先でした。

そんな中で、ご指名をいただいたことはとても嬉しく思ったのを今でも思い出します。本当に感謝しかありません。

原体験: 難解な本との出会いと挫折

そもそも、何で本の出版がしたかったのか?という原点の話です。

本を出したい!と明確に発言した時期は、遡ること20年近く前の大学在学中にとある講義を受けている際だったかと思います。
その際の教材となった本はこちら。

当時の自分の状況:

  • スキルセット

    • アルバイトでデータベース(FileMaker, SQL Server)を少し触れた程度

    • SELECT文はがっつり、INSERT文、UPDATE文はたまに実行する

  • 進路

    • 特に決めていなかった

    • 今の言葉で言うところのコンピューターサイエンスを修めたかった

    • 大学で唯一のデータベース論の講義を履修(上記の本がテキストとなっている講義)

ちなみに、この講義は内容的に初学者が突破できるほど甘い難易度ではありませんでした。初回(2年前期)は単位を落としましています。
ただの恨み節に聞こえるかもしれませんが、単位を落とした原因の多くはこの難解なテキストと言っても過言ではないと思っています。
社会人になって本気でデータベースについて向き合い、Oracle Masterも修めた経験もある自分ですが、今この本を読んでもまるで頭に入らない。
単純に私の学力に問題があるだけで、本そのものの批判ではないということだけを補足させていただきます。

原体験: アウトプットできないと思い込んでいた病

新卒以降、十数年はエンジニアとして様々な業務システムを構築したり、製品を顧客に販売していました。ただ、成果物に関しては

  • 守秘義務や秘密保持契約により、自分が手がけた成果物は原則公開不可

  • 0からシステム構築を手がけていない(=数百、数千人のうちの歯車の一つだった)

  • OSSや個人開発を公開し、さらにマネタイズしているものはない

という状況でした。
(かの金融システムの●●や、昔の▲▲のECシステムのバッチ、某商社のスクラッチ会計システムなど、履歴書や職務経歴書にすら書けないシステムやサービスを手がけたりしていますが、世の中には一切発信できません。)

現在の私はエンジニア職能は退き、データおじさん & BIツールヲタクとして粛々と活動していますが、

  • 所属企業で作成したダッシュボードやグラフは原則公開不可

  • もちろん、兼業先、複業先の成果物も以下略

という状況なので、エンジニア時代の環境と変わらずなかなか日々の業務の発信が叶いません。

そんな状況でしたので、いつしかこの状況を言い訳にして何もしなかった時代でしたが転機は訪れました。

データ関連のイベントやセミナーでお知り合いになった方々や大著名人の方々が多忙な業務をこなしているのを知り、かつそんな多忙の中で著書を書いているのを目の当たりにしたのがきっかけでした。

ロールモデルは身近におりました。

最前線に立ち、今も前線を維持している戦士たちの現場の声を発信したかった

ここまで語った通り、2010年後半あたりから個人としての執筆モチベーションは最高潮に高まったていたので、あとは行動のみ!という段階までに至りました。
本のネタは絶対にデータにまつわるものと決めていました。これが一番私のバリューを発揮できるテーマだったからです。

話は変わりますが、この文章を読んでいる方で、DXとは何か説明できる方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか?
ちなみに、私はDXの解説はできません。言葉の意味を100%正確に理解しておりません。
おそらく、巷で言われているところのDX云々については全然別レイヤーの環境にいるため、DXを推進する人々が抱える課題感と自分が認識する課題の解像度の違いがあると自己分析しています。
(Tech Companyの所属が長いだけなのかもしれませんが)

例えば、大阪ガスの事例はDXではあると思います。

一方で、ワークマンの事例もまた、DXのひとつの大きな事例だと考えています。

DXという言葉一つとっても、企業、組織や立場、事業、職能、業態などさまざまな要因によって見え方や感じ方、捉え方が異なります。

脱線してしまいましたが本筋に戻ります。
共著の形式を取らせていただいた段階で意識していたことは、DXに限らず巷に溢れる言葉や常識、一般論に拘らず、各々現場の最前線に立つ歴戦の戦士として、我々の声を読者に伝えることを最も大事にしていました。
私だけが意識していただけなので、他のメンバーは別の思惑があったかもしれませんが。

Finally / あとがき

本の解説とは全く関係ないエッセンスでしたが、アイスブレイクとして楽しんでいただけたらと思います。

次回予告

次回は序章の解説編をお送りします。


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