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光の香りの写真 Kyotographie 2020

 こんにちは、この記事では京都でフランス語観光ガイドとして働いてきた現地ガイドが、フランス語と日本語で京都のすてきな場所やものを、香りをテーマに、紹介しています。

 さて、今日は京都で開催されているKyotographieで出会った、光の香りを感じるすてきな写真を紹介します。
写真家の名前は、「Elsa Leydier / エルサ・レディエ」。コンセプト名は「Heatwave」です。
彼女は今回、独特の方法で写真を表現しているので、、アーティスティックな写真を見たい方におすすめです。
場所は烏丸御池駅近くの「HOSOO FLAGSHIP STORE」という西陣織のテキスタイルを発信するお店なので、美しい織物をみたい方もぜひ訪れてみてください。

 彼女は、2019年のブドウの収穫期にシャンパーニュ地方のランスにあるルイナール社を訪れ、自然とワイン造りを行う人をテーマに作品を作りました。
この写真作品で彼女は「光」について着目しています。それは、「写真」は光なしでは表現できないし、シャンパンの原料であるブドウも光によって育つからです。
彼女は「光」を鍵に、普通の写真表現ではなく、レイヨグラム(またはレイヨグラフ)という表現を使いました。この表現は、カメラは使わずに、印画紙の上にモノを置いて、光を焼き付けるという方法です。
 今回、シャンパンを痛める紫外線から守るために使う素材を通して、「光」を濾過(フィルタリング)して行ったそうです。
 その素材というのが何世紀にも渡ってシャンパンの味を守ってきた、ボトルの色付きガラスです。
 ここから今回の写真のような、独特で美しい燃えるように鮮やかな色味の写真が表現されています。

 この作品を通して、エルサさんは自然と人の本質的な関係性を変えた気候変動の問題を取り上げたいと思っているそうです。特に2019年の酷暑によるブドウ収穫への甚大なるダメージにも言及されています。またそんな大変な気候条件でありながらも、毎年同じように素晴らしいワインを提供するルイナール社の真の技術や職人たちへの敬意を込めているそうです。

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 わたしがこの写真を見た時に感じたのは、自然の中で光が戯れる時に一瞬感じることができる光の匂いのようなものでした。
 光の記憶を封入したようなそんな写真でした。
 見た後に、一杯のワインを少し口に含みたくなるような、そんな展覧会です。
今日まで(2020/10/18)ですので、もしお時間があれば訪れてみてください。
レイヨグラフもいつか機会があれば、体験してみたいと思います。

 写真と彼女に興味を持って、家で彼女のフランス語サイトの彼女自身の文章を読んでいたのですが、とても詩的な文章でした。
 一部引用させていただいて、今日のフランス語を説明します。

 今日のフランス語


“Si la photographie et le champagne partagent un dénominateur commun, il s’agit bien de la lumière.” (Elsa Leydier本人公式サイトより)Le dénominateur commun: 共通点、、共通分母

“pour protéger ce nectar de la lumière”
 Le néctar には 甘美な飲み物、美酒、甘露という訳語があります。
これもとても美しいフランス語の表現だと思いました。(光の生み出す甘美な飲み物、シャンパンという感じでしょうか?)

“A travers ce travail sur la lumière, j’ai souhaité soulever la question du changement climatique…
 この光についての作品を通して、気候変動の問題を取り上げたいと思います。
 Le changement climatique: 気候変動


 「光」については、わたしも個人的にテーマの一つで、ちょうど「エリック・パール」さんという方の「リコネクティブ・ヒーリング」のことも調べていたので、良いタイミングで出会えた展覧会でした。

 読んでいただいてありがとうございます。

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https://stand.fm/episodes/5f8bb27693ba4336b4cfe4ed

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