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ロゴデザインの言語化トレーニング (備忘録) (日本語と英語で)

 こんにちは、デザイナーのUsakoです^^

 デザインの大先輩に「デザインは言語化していった方が良い」というアドバイスをいただいて、少しずつデザインを言語化することにしました☺️
 また好きなロゴデザイナーさん達も言語化して記事にされているので、私も自身のトレーニングのために言語化を始めました。
 正直に言うと、言葉にすることは苦手ですが、これから少しずつトレーニングしていこうと思います。

岸本様清書_アートボード 1

 制作実績

今回は革工房「みちしるべ」様のロゴを作成させていただきました。

これからヒアリングから納品までの制作過程をご紹介していきます^^
(日本語の後に英語の文章が続きます。)


1: 今回のロゴのためのヒアリング

  ターゲット: 30代〜の女性、男性

  記載するテキスト: みちしるべ

  希望イメージ、モチーフ

“革に押す、刻印を作りたいので複雑ではなくシンプルなもの。”
 山道のイメージや山道にある木製の道標などイメージ”

  参考にしたいデザイン: お任せ。

  コンセプト

"手づくりなので革の暖かみや経年変化を楽しんでもらえる製品創りを心掛けている。"
 

今回最初の依頼時点では、お客様が作成してほしい(参考)イメージは100%は固まっていませんでした。


 「革に押す、刻印を作りたいので複雑ではなくシンプルなもの。」、「山道のイメージや山道にある木製の道標などイメージ」でデザインはお任せします、とのことでした。

  そこでもう少しヒアリングをしました。


 「ヒアリングを詳しく行うことについて」

どんな工房、どんなお店にも根底には、それぞれ独自の思いやこだわりがあると私は思います。
 一つとして同じものはないはずです。
 
 例えばケーキ屋さんだったら、「小さい頃に憧れた宝石のようなケーキ」を作りたいケーキ屋さん、「アレルギーのある人でも安心して食べられる美味しいケーキ」を作りたいケーキ屋さん…色んなケーキ屋さんがあると思います。

 “その深い部分に触れたいし、制作をしながらそこに光を当てる作業をしたい、クライアント側もまだ言語化できていない部分を言語化する作業を一緒にしていきたい。”
 そんなことを思っています。


…再度ヒアリングをした後
お応えいただいたもののまとめがこちらです^^

“革の暖かみや経年変化を楽しんでもらえる製品創りを心掛けている。”
“バイクが好きなので機能や革質には拘って製作している。”
“生きていた動物の環境が傷やシワとして革に刻まれていて、同じ表情の革は無いのが魅力。
動物たちへの感謝も込めてミシン等の機械を使わず全て手づくりに拘っている。”

“バイクに乗っていると製品の金具部分で知らず知らずに傷の付くことが良くあり、極力金具類を使用しない又は露出しないものを製作することにしている。”

ここまで深くお応え頂き、本当に嬉しかったです。

  ロゴ制作をしていく過程で、ありがたいと思うことは、
その企業や個人の深いストーリーをお聞きできることです。
生きていて、仕事をしていく中で、人の深いストーリーを聞くことができる、とても魅力的なことです。


2 キーワード出し

キーワード出しは日本語(または母国語)の他に、自分の馴染みのある言葉で書くのも良いと思います。
英語、フランス語、韓国語、中国語、スペイン語…
(学んだ(学んでいる)言葉、住んだことのある国、第二言語、行ってみたい国の言葉…)
言葉からイメージが膨らんでいく感じです。
また思わぬアイディアが生まれてくることもあります。
(例:手→ la main(仏)→ お! La main にはトランプの札 という意味もあったな! などなど)

今回のキーワードの一部:
(下図)

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またキーワードを書き出しながら、他の革工房さんやバイクのお店がどんなロゴを使用しているかを調べました。

3  ラフ案作成


ラフ案を制作していく中で浮かんだ案を言語化し、この時点で一度お客様にもう一度ヒアリングを行います。

具体的には、

1: 道標の中に動物をタングラムにした(幾何学的なパズル)図を入れる

(下、右図)

2: 道標の真ん中にコンパスを入れる。
(調和を意味する円の中に、成長を意味する三角形を入れる、三角形は山の様なイメージにする。)

3: 道標の矢印部分をバイクのロゴでよく見られるような羽のようなモチーフにする。

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この時点で2と3は採用、ただし羽は1枚が良いということでした。
1はアイディアは好きだが、今回刻印にも用いるので、複雑になりすぎるということで採用案とはなりませんでした。

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  4 制作

 擦り合わせ後、AdobeのFrescoとIllustratorでデータを制作をしていきます。

今回は素朴な彫った感じを出したかったので、Adobeブラシの”リノカット”を使用しました。

また”みちしるべ”という文字に、流れるような水のようにしたい、というご要望があったので、文字にAdobeのカリグラフィブラシで流線を付け加えました。

(今回選んだもとになるフォントは”AB味明-秀/EB”です。私が事前に選んだ以下のフォントの中からお好みを選んでいただきました☺️)

文字例

 

 葉っぱの数や位置、道の曲線等細かく最後に調節をして、もう一度離れて見直して、文字の間隔等をもう一度見直して...出来上がりです。

納品

CMYK(印刷用)とRGB(Web用)の2つのファイルデータ、注意事項やコンセプトをお渡しして完成です!

  〜(私からの)コンセプト〜

  山道の道標を基調にしながらも、道標の矢印をバイクのエンブレムによく見られる羽のモチーフにしています。

  円の中に三角形の山と道標を組み合わせています。

円には「調和」三角形には「成長、バランス」という意味があります。「環境と調和しながらも良い革製品を作っていく」という意味を込めています。

 木の質感の道標、真ん中の円にコンパスを配置しました。

  このロゴの入った革製品を身につけた人がバイクに乗っているイメージがあります。

革製品「みちしるべ」を持った人がそれぞれの良い方向に、良い未来の道標に導かれてバイクで走っていく、良い道標のコンパスのような、いつでもそばにある革製品。

 そんなイメージを持ったロゴです。

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後日お客様にも喜んでいただけました^^

まとめ

 今回、制作をしながら気がついたことは、ロゴはその人や企業の良い未来を指し示すことができる羅針盤になれるのではないかということでした。

 そういった良い流れのお手伝いができるのがロゴデザイナーの仕事の一つの魅力だと思いました。

 カウンセラーのような、クライアントの心のビタミンになれるデザイナーになれることを目標にこれからも作っていきたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました^^

English Summary Version


Leather studio brand logo design

Service: Leather product

Target customer: Women and men (the age range is around over the age of 30.

This time I had to also apply the logo to the design of the engraving on leather product.

Images the owner want this time:
Mountain paths, a trail, a guidepost
(About most of things he left them up to me so I continued to listen to his brand story more deeply.)

Hearing

“His products are handmade without using machines.
He hopes his clients enjoy the warmth and the change over time the leather has.”

“He always creates his own leather products with gratitude for animals because these products are made from their skins.”

“He loves motorcycle that’s why he would like to make his products without metal fittings (like clasps and so on) which sometimes make scratches on the surface of motorcycles ”

One of things that I appreciate in the middle of the production process of logos is what I am able to listen to a lot of the client’s interesting and profound story.

Keywords

I wrote down keywords about this logo like below to develop imaginations while searching for the competitive logo design.

(For example a circle indicates harmony and balance....and so on.)

I think it might be better to search for keywords in several languages related to you.

(If you have learnt French then you could use french keywords for these imagination processes.)

Rough draft

Before I started exploring new logo designs, I always sketch on paper or iPad.
(Like below)

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This time my client wanted to also use this logo design for the engraving so I focus on designing the logo more simply.

For the finished version

After I sent the rough draft image to my Illustrator (on laptop) for doing “image trace”, I did minor adjustments.

My client wanted the part of texts about this logo were streamlined so I chose "AB味明-秀/EB" as the font style and added calligraphy brush lines on these texts.

As a whole I also added linocut brush efficient on strokes that make feel more warmth as handmade.

My thoughts about logo design

I always ask myself a question as below about logos,

“How might I provide good logos for advance of client’s service or business ? “

"Could I indicate  the good path for client's futures like as a good counselor ?"

I would like to be a good compass for clients through logo design.

Thank you very much for reading this article through to the end !

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