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今の学校教育の問題点
この記事のポイント
文科省には逆らえない:学校には各教育委員会を経由して文科省から「通知」という命令が届きます。これはどんな学校も必ず従わなければなりません。
平成に起こった問題:平成に入ると、男女別学の地方では一気に共学化が進みました。これによって学校ごとにあった独自性が大きく損なわれてしまいました。学校では多くの問題を抱え混乱も見られました。
共学化をきっかけに独自性を失った:普通高校は実業高校(商業・工業・農業など)と違って独自性を出すのが困難になり特徴のない高校ばかりになっています。中学生の数が減り、進路選択の幅は広がっているかのように見えるが実はそうではないのです。
1:文科省には逆らえない
普通高校、実業高校など様々な高校があるが公立高校の場合、学校の独自性を出すことが困難になっている。その理由の一つに文科省からの通知が一律に教育委員経由で全ての学校へ伝えられ、指示通りに行われなければならないという状況がある。
「昔の中学生」
A:どこの高校を受けるの?
B:僕はF高だよ
A:うわあ、すごい頭いいもんね!
B:F高はあこがれの高校なんだ
どこ受けるの?
A:私は将来、看護師になりたいからM高
B:お互い頑張ろうね
このようにかつては学校ごとのイメージがしっかりとあった。しかし、今はどの学校にも学校としての独自性はない。(それぞれの学校のイメージは残っているが)
「今の中学生」
A:高校どこ受けるの?
B:う~ん、T高かなあ
先生にもF高はムリだからT高受けなさいって言われたし
A:僕もN高にするように言われたよ
どこにも行きたい高校ないから受かる高校に行けって親も言うし
B:今はどこに行っても大学入れるから、いいんじゃない?
A:そうそう!
だいたい、こんな感じです。
2:平成に起こった問題
特に地方の場合、伝統的な進学校は公立である。昭和の頃ならその存在は確固としたもので他の高校とは区別されていた。
かつて地方の高校は普通科、商業科など多くの場合、男女別学というスタイルだった。それが平成七年から次々と共学化が進んだのである。
多くの伝統校がそれまでのスタイルをガラっと変えて共学になったわけであるが、男子校や女子校が共学になるにはたくさんの課題があった。設備の問題や教員の意識の問題、果ては学習計画そのものにまで変化が生まれた。
特に地域トップの男子校では共学化により多くの問題が明らかになった。それまで女子から隔離されていた所に突然、女子生徒が多数入学してきたのである。上級生は突然の出来事に戸惑ったり、歓喜したりしたが、それはおそらく一過性の熱病のようなものだと思われた。
しかし、徐々に月日が流れていくと様々な問題が起こった。盗難や盗撮といった問題がそれだ。当時、先生たちが対応に苦慮したことを思い出す。また、思いがけない副産物も共学化にはあった。女子の方がまじめにこつこつと学習するので概して男子より成績がいいのである。
3:共学化をきっかけに独自性を失った
都会では当たり前の共学というスタイルが地方にこのような変化をもたらしてからすでに25年ほどになる。
共学化が進んだ今では受験する中学生にとって選択の幅は広がっているかのように見える。しかし、高校側がそれぞれの独自性を出すことは非常に困難だ。
当然のことながら、公立高校では一年間の計画が前年には確定していて翌年の募集定員や入試内容をホームページで公開しなければならない。そこに学校としての特徴が盛り込まれるべきであるが教育委員会からの指示に従うと思い切ったことができない。
そうなるとかなりの制約があり、学校の独自性などどこかへ消えてしまう。ここが現在の公立高校の最大の問題点である。
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