初めての入院&手術のことを語りたい。その4
こちらの記事は、『右眼真菌性角膜潰瘍』を発症し、それが元で初めての入院と手術(『右眼強角膜移植手術』)を経験した筆者の体験談をまとめています。
多くの皆さまに読んでいただき、ありがとうございます!
『身体』は一生付き合っていくものですから、どうか大切に、いたわってあげてくださいね。
さて、4度目の通院で、初めて大学から来ている医師に診てもらうことになりました。
大学の医師(せんせい)の若さに驚く
診ていただいたのは、医科薬科大から来ていた若い医師。
市民病院は、週のうち決まった曜日で、大学から医師が応援に来ているのでした。
専門家を語るのに年齢を引き合いに出すのは大変失礼だと思いますが、「若いのにすごいなぁ~」と、その素晴らしさをしみじみ感じたのを覚えています。
知識の豊富さと、いろいろな患者を相手にしているであろう、物腰柔らかな対応…。
この日は、発症からすでに5日目。
点眼をきちんとしているにも関わらず、一向に良くならない右眼に、得も言われぬ不安を抱いている頃でもありました。
気持ちも少しずつ弱ってきている中、とても丁寧な診察を受けることができたのです。
ただ、残念なことに、この日も原因の特定はできませんでした。
医師からは、
初診の医師の『角膜潰瘍』の診断は間違っていないこと
明確な原因が特定できないので、いろいろな薬を試して、効果的な用量も探っていくしかないこと
油断すると視力が戻らない場合もあること
大学病院の角膜専門の医師が来る『水曜日』にまた通院してほしいこと
などが告げられました。
そして、今まで処方された薬の回数を細かく変更し、新しい薬もプラスされました。
余裕のない私にとっては、それはそれは細かい変更だったので、しゃべりながら医師がメモを書いて渡してくれました。
この日から使用することになった薬はこちら。
変更により、これまで処方され点眼を続けてきたいくつかの薬が、お払い箱になりました。
薬がこれほど変わることに焦りも感じます。
診察室で、医師の曇った表情ばかりをみることにも不安を感じます…。
しかし、今はとにかく、間違えずに薬をきちんとつけるだけ。
原因が特定できない以上、症状に効く薬を手探りで試していくしかないのです……。
この日の診察の結果を、私は、所属する劇団のハハに即座にLINEしました。
発症して5日。
2023年の10月ももう終わろうという頃です。
私の所属する劇団では、11月の4週目に演劇公演を控えた、とてもデリケートな時期でした。
この時の演目は演出も難しく、舞台を彩る音響や照明も、シビアな操作を要求されていました。
私は、舞台照明の操作を担当することになっています。
……この眼は、一体いつ良くなるんだろう……。
涙を呑んで「1週間、稽古を休ませてください」
そう送った私へ、ハハは温かい言葉をかけてくれました。
思えばこの時の私は、一度も休まずに参加してきた公演にも出られなくなるなんて、夢にも考えてもいませんでした。
そして仕事でも、翌日から担当のイベントが始まるという、慌ただしさだったのです。