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神奈川旅行 TNTN編

☆この記事にはTNTNという単語が14回出てきます。ご注意ください。


 旅行プランは当日の午前1時頃ようやく完成しました。大事な日の前には(できれば普段から)少なくとも8時間の睡眠をとりたいと常々思っているぼくですが、とても叶いませんでした。
 翌朝、7時30分くらいにに起床。ぼくは準ツイ廃くらいの人なので、時間に余裕がなくてもツイッターを開きます。もちろん時間が押して来るので駅までは全力疾走。予定を初っ端から狂わすのは精神衛生上悪い。駅に駆け込むと、ちょうど電車が入ってきました。ひとまず安堵。

 電車の中でツイッターを開くと(またかよ)、川崎大師というお寺がイイという情報が。そういえば到着してから数時間の予定を決めていなかったなあ。前日に予定を立てるとこういう事態を招きます。川崎大師の場所を調べていると、更に金山神社が近いのでオススメという情報が。ぼくには地理的な教養が欠如しているので、川崎大師も金山神社も聞いてわからないですが、金山神社はなんかすごいらしい。それもそのはず――

 TNTNの神社。

 脳裏にうっすらよぎるのは、いつかの誰かのnote記事。あの神社か。見ものには違いありません。しかも、幸か不幸か、ぼくは年に1度の祭の日を引いてしまったのでした。とんでもねえな。待ち受けるTNTNの群れに怯えつつ、とりあえず川崎駅までは無事に到着できました。

お約束

 あいにくの曇り空。川崎駅周辺は治安が悪いと預言を受けていたので、ビビり散らかしていましたが、一見したところまともだったので拍子抜けします。複雑な道に混乱しつつ歩いていくと、頭上からぽつりと水が。こんなことなら天気くらい事前に把握しておけばよかった。しかし雨を感じたのは旅行中にはその瞬間だけだったので、もしかしたら雨じゃなかったのかもしれません。

 わざわざ川崎大師まで歩いて行くことにしたのは、住宅街なんかを拝みたかったからですが、ただの都会だったので特に面白みはありませんでした。微妙な顔で30分くらい往きます。

川崎駅のイメージ

 だんだん人通りが増えていきます。例のTNTNのお祭りで各地から人が集まっているのだろうと、容易に想像はつきます。少しずつ覚悟も固まっていきました。ぼくも男子校の民です。この程度の下ネタに負けたら、何が残るものか。そう呟いて自分を奮い立たせます。境内に入ったらTNTNの10本や20本は目にすることになるのだろうという心構えはしていたのでした。

 甘かった。

 入場制限がかかっていたのでしょう。神社沿いの道路には、長蛇の列が形成されていました。

 人混みを一望すると、そこには目を見張るものがあったのです。

 頭からTNTNを生やす人。

 服からTNTNを生やす人。

 TNTNを口に咥える人。

 皆が同じように、その卑猥さを楽しんでいるのです。異様で、不可思議で、下品で、おぞましく、それでいてどこか懐かしい光景。ぼくの胸中に湧き上がった衝動は、名状するにはあまりにも複雑なものでした。人類には早すぎる――頭に浮かんできたのは、そんな一節。何かの間違いで25世紀くらいに来てはいないだろうか。視界いっぱいの無修正に耐えきれず、頭上に目線を逃がすと、天を覆っていた雲はどこへ流れたのやら、透けるような青空が広がっていました。ああ、ああ、その憎たらしいすがすがしさといったら!

 SAN値が一気に10近く減少し、探索者は一時的発狂を起こします。すなわち、パニック状態で逃亡を試みたのでした。しかし、天は簡単にぼくをTNTNの集団から解放してくれません。周辺には頭をTNTNにした人(直喩)が練り歩いており、店は祭の賑わいに乗じてTNTNアクセサリーやTNTN飴、TNTNTシャツを躍起になって販売しています。TNTNアクセサリーを買う人ってなんなんですかね、明日からポーチに飾る予定なんでしょうか。無修正TNTNが許されるのは、今この瞬間の、この地だけだぞ。たぶん。いや修正が入ってても普段使いしてたら引きますけど。

 気圧されたのでしょう。ぼくは無意識のうちに境内への入場を諦めていたのでした。敗北者とも言われるかもしれません。
 いつか、この空間を楽しめるようになったなら、ぼくはまたここを訪れます。今度こそ、心から参拝できるように、神様に奉ることができるように、もう少し大人にならないといけません。

旅行記は続く――

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