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投稿 もう「先」がないですぞ! 岸田文雄さん

岸田内閣の支持率が急落している。毎日新聞と社会調査研究センターが8月20、21日に実施した全国世論調査では、岸田内閣の「支持」は36%で、前回7月より16ポイントも急落し、内閣発足以降で最低になった。「不支持」は54%で、7月より17ポイント増えた。

ANNの調査では、岸田内閣を「支持する」は43・7%で、前回より9・9ポイント減。「支持しない」は32・7%で、前回より10・0ポイント増だった。この傾向は、今後ますます顕著になるのではないか。

加えて、安倍元首相の国葬について毎日調査は「反対」53%で「賛成」の30%を大きく上回った。「産経」の調査でも、「反対」51・1%、「賛成」40・8%。「国葬反対」は世論の半数を超えている。 

岸田政権の先行きは極めて暗いのではないか。旧統一教会問題の自民党内への浸透が想定を超えて(?)根深く広かったせいで、第2次改造内閣の狙いはあっけなく崩れた。そして、組閣と自民党の新執行部づくりという今回の人事の「要」だったと言われる萩生田光一氏(安倍派の重鎮で次期会長候補)の政調会長就任は一応日の目を見たものの、その萩生田氏自身が「自爆」してしまいそうな雲行きである。

ほかにも、統一教会とのかかわりが格段に深いとされる山谷えりこ参院議員、下村博文衆院議員のほかにも、山際大志郎経済再生担当大臣や「マザーグース」発言で注目を浴びた山本朋広衆院議員など、まさに旧統一教会とのズブズブの関係にある顔ぶれにこと欠かない状況だ。 

ここまで書いて、既視感(デジャブ)に陥った。ちょうど15年前、第1次安倍政権が閣僚たちの不祥事によって、わずか1年で倒れたときの状況と、これは酷似しているではないか。 

ここまでが言いたいことである。以下は<追伸>としてお読みいただければありがたい。 

岸田政権の終焉近し、という感じを私が強く感じたのは、岸田首相が2週間前の8月10日、第2次岸田改造内閣を発足させ、自民党の役員体制をあらためたときだ。

参考までに、毎日新聞8月12日付記事を紹介する。この人事で、岸田首相がこだわったのは安倍氏亡き後の清和会(安倍派)の有力者、萩生田光一経済産業相(当時)の処遇である。

首相がこの人事で重視したのは、党の執行部体制の強化だった、という。

首相は麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長の「骨格」を維持し、総務会長に自らの盟友である遠藤利明氏を据え、選対委員長には非主流派の重鎮・森山裕を充てた。そのうえで最もこだわったのが政調会長人事だった。首相自身、第2次安倍政権で政調会長を務め、その重要性を熟知していた。

首相は当初から党内最大派閥・安倍派に政調会ポストを与えて政権基盤を固める戦略を描いていたらしい。銃撃事件で安倍氏が急死し、動揺が続く安倍派は保守色が強い。リベラル派の岸田派を率いる首相にとって、安倍派をどう取り込むかは最重要課題だった。

萩生田氏は安倍氏の側近として知られるが、岸田首相とも信頼関係をきづき、首相と安倍氏との「つなぎ役」を果たしてきた。そして、萩生田光一政調会長が誕生した。

しかし、萩生田氏は政調会長就任直後から旧統一教会とのただならぬ関係が次々と露呈し、連日メディアを騒がせている。

これでは、萩生田氏を政調会長のイスに座らせ続けさせることすら難しいのではないか。

こんな状況で、岸田政権はどこへ漂流していくのだろう。いずれにしても、旧統一教会との関係をこのままにしたまま日本の政治のかじ取りをすることは許されない。世論が許さない。岸田氏の政治家としての「決断力」が試されている。(難波健治)

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