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住むように呑む~熊本編(後編)

2024年春に「住むように呑む」で訪問した熊本、想定以上に多くの酒場を歩いてしまったため、前編・中編・後編に分けて整理しています。ようやく後編です。
「住むように呑む」とは、新しい酒場巡りのコンセプトです。一定期間、あたかもその街に住んでいるように、ゆるりと酒場巡りをします。私なりの「住むように呑む」の原則を再録します。
① 4日以上、1つの街に居住すること(宿泊地の移動はしない)
② 観光は基本的にしないこと
③ 昼間は普通に働くこと(テレワーク)。ただし、午後半休やフレックスを上手に活用して、なるべく早い時間から呑めるようにすること
④ 現地の事前調査はあまりしないこと。
⑤ 宿の近くの街を歩き、気に入った酒場にふらりと入ること
⑥ 酒場の人やお客様から教えていただいた酒場にも足を運んでみること
⑦ 気に入った酒場は別の日にも再訪してみること
⑧ 地元の個人店でできる限り呑むこと
ざっとこんな感じでしょうか。前編中編もよければご覧ください。

さあ、6日目です。この夜が最後の晩ですが、この日は夜に仲間と合流の予定です。そもそもそのために熊本に来たのであり、どうせならと思って5日ほど早く前乗りしていた次第です。「早すぎる前乗り」です。この日はぎっしりと仕事です。楽しみはランチです。前の日に何処かの酒場であそこは美味いと聞いたとんかつ屋がホテルの近くにあります。「勝烈亭」です。カツ丼が無性に食べたかったのですが、丼はなかったのでヒレかつ重の中とクリームコロッケを頼みます。なんか毎日、揚物漬けの熊本生活です。いや、違いました。東京でもいつもそうでした。残念なことに、カツ丼ではなく上品にかつ重です。カツ丼の丸い世界観が好きなんです。スクエアなカツ重はテンションが上がらないのです。そして海老フライと悩んだ上で単品のクリームコロッケを追加しています。健康的には追加を考える時点で駄目ですが、コロッケには丸い世界観が宿っています。いずれにしても、食べ過ぎでした。

想像通りに満腹になったランチ後に、これまであまり歩いていなかったエリアを探検したら、なんと朝の7時から呑めるという酒場を見つけます。明日帰るという日に見つけるなんて!早く見つけたかった。さらには良さげな昼呑み酒場も発見します。熊本、奥が深いです。明日、元気だったら行こうかなと思いつつホテルに戻ります。

会議が早く終わり、0次会ができそうな余裕ができ、さっき見つけた良さげな酒場に立寄ります。「太陽酒店」(本日1軒目、通算28軒目)です。白い「愛」の提灯に派手な看板が素敵です。飲み会まで時間がありませんが、階段を上がります。提灯は阿蘇神社の奉納品だそうです。

キャロットラペにワインをいただきます。キャレットラペがニンジンシリシリと同じくらい好きなんです。ここでも「大橋電気」の話になります。帰り際に、「そこの角にいいクラフトビール屋がありますよ」と教えて下さいます。親切をむげにしてはいけません。集合時間は迫っており、時間は厳しいのですが立寄ります。渡世の義理です。

「bleble」(本日2軒目、通算29軒目)です。なかなか良い立ち呑みビアバーです。何気に立ったカウンターでお隣を見ると知っている方が呑んでいます。まったくもって、ビックリです。

2度ほどお邪魔した「CHEMIN D'INFINIT(シュマンダンフィニ)」のオーナーです。次に行く寿司屋の名前を告げると、皆さん常連のようで、コウ貝と馬肉の寿司は食べた方がよいとありがたい情報をいただきます。このビアバーに立ち寄らなければ、一生コウ貝という貝を食べない人生を送ったかもしれません。

さて、今回の熊本行の目的、古典酒場部の仲間と久し振りに熊本で呑もうという本番です。以前にみんなで行った「相撲寿司大砲部屋」(本日3軒目、通算30軒目)です。前回来た時は玉名でラーメンを梯子した直後だったので、満腹でカニみそしか食べられませんでした。今回は寿司も食べようと思います。その前にアテです。まずはコウ貝てす。学んたことはすぐに実践です。結構、大きな巻き貝です、コリコリとした食感でえらい美味いです。

この酒場では、50貫を完食すると木の札に名前を記して壁に貼っていただけるという企画があります。かなりアテを食べた後に、そのチャレンジを始めるメンバーが1人出てきます。あえなく40貫で撃沈していましたが挑戦に拍手です。ナイスチャレンジですが、なぜ散々アテを食べる前に始めなかったんだろう。酒呑みとしての美学かな。

この晩はこの仲間で梯子酒かなと思っていたのですが、40貫満腹ボーイと睡眠ガールが離脱状態だったりするので、なんとお開きになりました。そうなると、揚げ豚足です。もう来れないと思っていた「とん八」(本日4軒目、通算31軒目)に来れました。嬉しいです。

やっぱりここの揚げ豚足は美味しい。実にさっぱりとしています。また、来たい。お店の方も再訪をとても喜んでいただき、東京本社に転勤になって単身赴任が解消するビジネスパーソンが、最後の晩に馴染みの酒場に立ち寄ったような気持ちで「とん八」を後にします。

そうなると、他にも単身赴任解消で東京に戻る前の晩に挨拶しないといけない酒場があるなと思い、徒歩1分の移動で「小皿逆螺子」(本日5軒目、通算32軒目)に来ます。これが3度目の訪問です。

今晩もビルの下には看板が出ていません。でも、間違いなくやっているはずだというのを学習しているので、エレベーターで4階に上がります。それにしても、何度来ても凄い酒場です。

さらに転勤前の挨拶回りは続きます。沢山のバーを教えていただき、熊本ライフをとても豊かにしてくださった「Bar Blue」(本日6軒目、通算33軒目)に来ます。

こちらも3回目の訪問になりますが、本当にお世話になりました。この酒場のおかげで熊本のバーを多く訪れることができました。週末の大会では、チーム熊本の健闘を願ってバーを後にします。たいぶ酔っぱらっていたはずです。是非、皆さんで東陽町にお出でください。

やはり、かなり酔ってます。本当に東京転勤前夜の気分になってきました。そんな時に、満腹リタイアの40貫ボーイから連絡があり、腹がこなれて復活したので飲みたいといってくるので、「甘いものでもいい?」と聞き返します。どうしてもその酒場の名前が出てこないので、現地待ち合わせができず、さっき立ち寄ったビアバーを待ち合わせに指定します。

これけら行きたい酒場のオーナーと、夕方に隣あって立ち呑みをしたビアバーです。本日2回目の「bleble」(本日7軒目、通算34軒目)にお邪魔します。ビールを1杯呑んで目を冷まします。コウ貝がとても美味しかったことを報告します。本当に感謝しかありません。

そして、最期のご挨拶先「CHEMIN D'INFINIT(シュマンダンフィニ)」(本日8軒目、通算35軒目)にたどり着きます。表のドアにはクローズの掲示がありますが、明日に東京に帰任する立場としては挨拶だけでもと思い、ドアを押します。すると普通に歓迎していただけました。

短い滞在期間でここも3回目の訪問です。嬉しい、転勤前のご挨拶にこれました。気づくと「大橋電気」のオーナーである旦那さんも「小皿逆螺子」のお兄さんもいて、まるでドラマの最終回のようだなあと思いながら酔っぱらっていました。でも、飛行場に行く前に、また翌日の昼には「大橋電気」に立ち寄るに違いないと確信していました。

さて、7日目です。よくあることですが、フライトの時間を2時間ほど間違っていたので、だいぶ余裕ができました。それで気が抜けたのか大寝坊します。昨日に発見した朝の7時から呑めるはずの酒場に行く機会を逃します。ホテルをチェックアウトしてやはり向かうのは「大橋電気」です。でも、少し早いので雨宿りがてら珈琲を飲みます。さらに少し早いので、揉みほぐし15分をお願いします。

途中の商店街で「おべんとうのヒライ」を発見します。マスコットは「ちくわサラ太」なんですね。素晴らしい。イートインで「ちくわサラダ」を食べようかと思ったのですが、「大橋電気」のアテが食べられなくなると困るので自重します。今回の熊本滞在では「ちくわサラダ」を逃しました。これは痛恨です。熊本駅の「おべんとうのヒライ」には冷凍「ちくわサラダ」があったのですが、ここにはありません。あったら買っていたかも、です。

そして、「大橋電気」(本日1軒目、通算36軒目)に4回目の訪問です。週末のお昼時なので、いい感じに混んでいます。ランプライスの注文が店内を乱舞します。

ランプライスも魅力的ですが、初日早々にすでに食べたので、未食のメニューの制覇を目指すことにします。「豆鼓蒸拝骨」に「紅焼肉」です。何となくシュガーを思い出します。次はいつ来れるかなあ。お世話になりました。

そこそこ満腹だけど、まだ食べられるかもという感じで、街の中心部に戻ります。熊本空港の搭乗手続後の飲食コーナーが凄いことになってると、前日の「bleble」で聞いたので、そこで呑み食いしてもいいかな思っていたところでこの店の前を通ります。

「桂花」(本日2軒目、通算37軒目)の本店です。中学生の頃からか新宿の「桂花」に通っていました。子供の頃の熊本といえば、完全に「桂花」の街というイメージです。大人になったら熊本で本場の「桂花」を食べたいと夢見ていました。買収されたときは涙しました。特に「桂花」の店名のロゴデザインが大好きなんです。買収されても、これは変わらなかったのは嬉しかったです。

今回の滞在中も何度も店の前を通ったのですが一度も入らなかった本店に熊本最後の食事として入ってみました。腹は減っていないのですがもちろん、太肉麺です。焼酎もいきます。
そして、飛行場へバスで移動します。

結構、満腹なので食事は断念してビールにします。「WITCH'S BEER FLIGHT」(本日3軒目、通算38軒目)という昨晩教えていただいたところに来ます。この1週間、何杯ビールを呑んでるんでしょう。それにしても搭乗の実に直前まで呑める空港は凄いです。1杯で〆て、お土産を物色して、あまり好きではない飛行機に乗り込みます。
また、「住むように呑む」ができるように、体調管理も頑張ります。
住むように呑む:熊本編(前篇)
住むように呑む:熊本編(中編)
住むように呑む:高知編(前篇)
住むように呑む:高知編(後編)
過去に、荻窪、富山、福井、大阪、博多でも住むように呑むをやっています。いつかまとめてみようかな。次は、この夏に広島に住みます。

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