第8回ACCラボ「今の大学でのキャリア講座って何をやってるの?」参加レポート
経営学習研究所ACCラボ、第8回目の勉強会は、経営学習研究所メンバーでもあり、元気の種まきを仕事にされている(?)板谷さんが、東京経済大学でやっているキャリア講座についてお話いただきました。レポート役の指名を忘れたので、自分で今回は書いてます。そもそも板谷さんに語っていただこうと思ったのは、明日で終わる今のGCDFのクラスに大学4年生がいて、この大学生が大学で受講しているキャリア講座の指導教官が板谷さん、というところから始まりました。土曜日の朝10時から、日本各地から多くの皆さんに参加いただきました。
まずは板谷さんのキャリアの話から。たぶん止めないとこれを午前中一杯話し続けそうな勢い。ブランドハプンスタンスの連続のようにも感じるし、1つの大きな流れがきちんとあるようにも感じる、いずれにしても人材育成に対するきちんとした持論があるのが大切だとあらためて感じます。「ホスピタリティマインド溢れる組織作りは社員がハッピーだから」という日本航空ウィーン時代の想いがベースにあります。楽しい気分の先に成果がある、うきうき・わくわく・いきいきの取り組み。ハッピー、ハッピーといわれるとなんとなく、うさん臭く感じるひねくれものの自分ですが、板谷さんがいうと妙に嫌味がないのです。
そして、話は徐々に東京経済大学に移ります。燗酒屋がらーじのある街、国分寺の駅から坂を下って上って15分のところにある大学です。大倉喜八郎さんの話と大学のアイデンティティの話になります。「進一層(FORWARD FOREVER)の精神」「さらに深く学ぶから、さらに未来が広がっていく」「考え抜く実学」、いずれのキーワードも実にキャリア的です。もともとが実業からできた大学であり、アカデミアで何かをなす人を生むよりも、社会で何かをなす人を生む大学であり、大学全体がキャリア教育だという感じがとても沁みます。働くことに向かって学びをしているわけです。
「進一層科目」というチャレンジする気持ちを促進させる基礎講座があるという建付けはなかなか面白いです。各学部に様々なキャリア講座がちりばめられているのも、また面白いです。学生が混乱するのではないかというほど、キャリアという講座が乱立しているといえば、乱立しています。
板谷さんが担当するキャリアデザインブログラムは、4学部横断的な講座の位置づけになっています。そして、不思議なことに50名枠のキャリアデザインプログラムで受験できるというスキームがあるそうです。ここでは4年間を通じて段階的・継続的なキャリア教育を目指し、1年次では少人数のキャリアデザイン・ワークショップで実践的に参加型の学びをします。ワークショップ型の学びによって得られる力は多様です。1年次では学部横断的に基礎科目を学び、その上で2年生から学部を選択できます。高校3年生の時に、受験という切り口で学部選択をすることに比較すると、非常に合理的なやり方だと思います。
東経大のことを話す板谷さんは、東経大が、そして東経大のキャリアデザイン・プログラムが、たぶん好きなんだと感じます。これ、なかなか大切なことです。自分の会社が好きでもない人事担当者がやる研修って、多分いけていないですから。
このあと、キャリアデザインブログラムのキャリアデザイン・ワークショップの内容を具体的にお話いただきます。Ⅰ~Ⅷまで講座があるものの、最後まで受講する人は一握りでもあるようです。ここで身につけるのは、就活力ではなく、あくまでも就業力。インプット・アウトプット・リフレクションを繰り返して、やり遂げた人はきっと大きな力を得るのでしょうが、目の前にそういうチャンスがあるにも関わらず、それを選ばない人が少なからずいるというのもとても印象的な話です。
ジョブシャドウィングから戻ってきた学生の多くが、会社に対するイメージを変えるという話もありました。「会社って笑ってもいいんですね」といった凄いコメントもあるようですが、学生の皆さんがインプットされている滅茶滅茶ネガティブ「働く」ことに対するイメージを何とかしないといけないとあらためて思います。あと、話はずれるけど「管理職はつらいよ」といった管理職に対するネガティブキャンペーンもですね。このテーマで経営学習研究所としてワークショップやりたいと思っています。
なんか話を聞いていて、大切なのは「そこはかとない自信」かなと感じました。そのためには、無用な不安感は除去してあげないといけない。さあ、来週も職場で目一杯、笑いましょう。