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BMJからのクリスマスプレゼント

もう昨年になってしまいましたが、著名な学術雑誌であるBMJが世界中の研究者にクリスマスプレゼントをくれました。
もうすでに、だいぶ話題になっているので、読んだ人も多いかもしれません。すごく簡単にだけ、ご紹介します。ぜひ、みなさんも読んで見てください。

BMJの統計担当編集者がおくる12のポイント。
https://www.bmj.com/content/379/bmj-2022-072883

1.         リサーチクエスチョンをはっきりさせましょう
PICOのことだけじゃなくて、研究が記述的なのか、因果推論なのか、探索的なのか、確証的なのかを明確に。

2.         推計値や信頼区間に焦点を当てましょう
p値だけで語らないこと。平均の差やリスク比などの推計値とその95%信頼区間を解釈することが大事。

3.         欠損値の取り扱いに注意しましょう
完全ケース分析は推奨しないよ。欠損の種類を考えて、ハンドリングしましょう。

4.         連続変数を2値に変換するんじゃありません
せっかくのリッチな連続データをなぜ2値にしたい?連続変数の方が必要なサンプルサイズも少なくて済むかもしれないのに。

5.         非線形も考慮しましょう
皆、線形回帰分析をしたがるけど、世界はそんなに単純じゃない。

6.         サブグループ解析の結果をちゃんと考えよう
サブグループ解析した結果が異なったからと言って、それが真であるかどうかははっきりしない。サブグループ間の差異を定量化する、またはさらなる調査が必要かもしれない。

7.         データのクラスターを気にしましょう
データのクラスターを無視した論文は、編集者から正当性について質問されちゃいます。混合効果モデルなどを検討しましょう。

8.         システマティックレビューでI2とメタ回帰に注意しよう
I2は異質性の絶対評価値じゃないよ。研究間分散の推定値をそのまま載せなさいな。(メタ回帰については古藤の知識が足りないので、皆様、論文でご確認ください)

9.         予測モデルのキャリブレーションを評価しよう
予測モデルもしくはモデルの開発では、アウトカムなどのモデルの性能評価だけではなくて、予測モデルの弁別性や他評価との比較、臨床上の有用性などによる評価もしましょう。

10.     変数選択の方法に注意しよう
交絡や臨床的意味を考えずに、単変量解析のp値だけ見て選んだりするのはもうやめましょう。

11.     仮定による影響を評価しましょう
仮定を変更することで結果が変わるかなど、検討するよう求められるかもしれません。例えば、ハザード比は調査の全期間にわたって一定ではないかもしれない。

12.     報告ガイドラインを使おう、そして過度な解釈は避けよう
EQUATOR Networkを見てから投稿してね。

いかがですか?この12個のアドバイス、今年の論文投稿の際にはぜひ思い出してみてください。

古藤

参考
Riley R.D., et al. On the 12th Day of Christmas, a Statistician Sent to Me . . . BMJ 2022;379:e072883

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いらすとや 踊るサンタクロースとトナカイのイラスト

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